2020年菊花賞 予想
2020年10月25日(日)JRA京都競馬場11R:菊花賞2020の枠順発表後&最終追い切り後の予想です。
トライアルで優先出走権を与えられた馬と抽選によって賞金上位の馬が京都でぶつかります。
観客も入り、過去配当的にも荒れる要素もあるこの大レースの鉄板馬や穴馬など激走馬のサインを分析!
歴代の成績や外厩、予想オッズを確認しながら早速、予想していきたいと思います。
グレード:重賞(G1)
日程:2020年10月25日(日)
発走時間:15時40分出走
開催場所:京都競馬場
距離/コース:3000メートル 芝・右回り
賞金:1億2000万円
菊花賞2020 - 出走予定馬の馬体診断と騎手データ(枠順確定)
枠順 | 出走予定馬 | 騎手 | 負担重量(斤量) | 馬体重(前走) |
---|---|---|---|---|
1 | ディアマンミノル | 幸 英明 | 57 | 464 |
1 | ガロアクリーク | 川田 将雅 | 57 | 502 |
2 | コントレイル | 福永 祐一 | 57 | 460 |
2 | マンオブスピリット | M.デムーロ | 57 | 486 |
3 | サトノインプレッサ | 坂井 瑠星 | 57 | 484 |
3 | ヴェルトライゼンデ | 池添 謙一 | 57 | 488 |
4 | ダノングロワール | 北村 友一 | 57 | 484 |
4 | ディープボンド | 和田 竜二 | 57 | 490 |
5 | アリストテレス | C.ルメール | 57 | 466 |
5 | サトノフラッグ | 戸崎 圭太 | 57 | 486 |
6 | バビット | 内田 博幸 | 57 | 462 |
6 | レクセランス | 松山 弘平 | 57 | 484 |
7 | ロバートソンキー | 伊藤 工真 | 57 | 474 |
7 | ヴァルコス | 三浦 皇成 | 57 | 496 |
7 | ブラックホール | 藤岡 佑介 | 57 | 444 |
8 | ターキッシュパレス | 富田 暁 | 57 | 468 |
8 | キメラヴェリテ | 松若 風馬 | 57 | 540 |
8 | ビターエンダー | 津村 明秀 | 57 | 474 |
コントレイルの血統データ
直系子孫が直近の米三冠達成のアンブライドルド、ストームキャットが入り口にあって、ラトロワンヌの孫であるストライキングには三冠馬ウォーアドミラル、その娘ベーシーズフルには日本で三冠馬を送り込むトウルビヨンの別流・アンビオリクスがそれぞれ、三大始祖それぞれの代表馬として父の名に入る。ある種の総仕上げは
直系ネアルコ系の完成形であると同時に、名血ラトロワンヌの血脈から10代近く紡がれた牝系のストーリーでもクライマックスに等しい存在。その両者の掛け合わせであるから、そもそものスピード能力でもそれを持続的に発揮するために必要なスタミナでも、異次元であって然るべき状況。
超血統馬にして、完全体の配合理論に破綻はないのだから、名は体を表すというあのパフォーマンスにも納得させられる。
短期的な視点で見れば快速型の早熟馬だが、掘り下げれば掘り下げるほどに、ネクストビジョンに欠かせない血脈の持ち主であろうことは、その競走成績からも容易に想像できる。
過去10年データの歴代名馬を見ても狙い目はやはり1番人気
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 |
---|---|---|---|
5回 | 1回 | 2回 | 2回 |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 |
---|---|---|---|
8回 | 3回 | 1回 | 4回 |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 |
---|---|---|---|
3回 | 1回 | 1回 | 1回 |
ええ、人気馬は買いですね。
特に、1番人気は(笑)
〔身体能力が違うのでは、並ぶこともままならない〕
今回ばかりは、予想することに対して、堂々とボイコットをしようと思う。
勝ち負けを超えたところで、異次元のパフォーマンスを続けるコントレイルは
既に、東京スポーツ杯におけるあり得ない独走ウインによって、クラシックを戦い抜く体力、気力、身体能力全てを備えていることに加え、それに余裕があったことをホープフルS楽勝の時点で証明してしまった。
クラシックを戦う前にそれを完全証明した馬など、マルゼンスキーとトキノミノルくらいなものだろう。
戦前のクラシックホースは皐月賞が2、3戦目という馬ばかりで、それはディープインパクトとよく似ているとも言えるが
4戦目が皐月賞のディープインパクトは、結局、有馬記念の頃にはガス欠していた。
父がそうならば、仔もそうなるのか。
そうではないと示したコントレイルの存在意義はただ一つ。
「楽をして勝てる方法をいつも考える」
父には排気量が少ないというストレスの少なさが競走能力の不足分を補うポイントとなっていたが
20kg弱体を大きくして走ることになったコントレイルは、そもそも、アメリカでダートを走ることに向いている母系の力を借りて、前進することへの序盤のアドヴァンテージを作れるから、後半でせっせとごぼう抜きなど実行する必要すらない。
危なかった皐月賞も難なくクリアし、ダービーなどやって意味があったのかというほどの単独走に近い内容の完勝。
3歳シーズンに入り、凄味は増しているのに時計がどんどん遅くなるということは
他の抵抗を直線の入り口で早々に退けているから、ライバルは追いかけることを諦め、コントレイルはいつも最後は流している。
その視覚情報とも符合するのだから、もう仕方がない。
時計すら能力判定の基準に使わせないのは、他が弱いからと言われるが、ルドルフもディープもそういう金縛り現象をライバルに毎度引き起こさせていたから、ここぞの場面で勝つ時は大概が楽勝だった。
その上で本当に速い馬だからこそ、総合的な速力という概念で勝負をつけさせない。
もはや、それは難解すぎる解釈となるわけだが、それこそが筆者の提言するコントレイル評の極致として挙げたいこの論法に繋がっていくのである。
「そもそも、相手に勝とうという気がないのではないか」
いやいや走らされた、あの日の東スポ杯では、ライアン・ムーアとのコンビネーション最悪で
怒りにも似た抵抗でゴール前まで喧嘩をしていたようなところがある。
良かれと思った超名手のアシストに対し、真っ向嫌気を出したわけだ。
過去傾向や距離適性からもバツグンか!
そのおかげで、それ以外は簡単に競馬をさせることにしか考えのない福永騎手が乗っているから
勝手に走るということへの興味を図らずも仕込まれたことで勝手に進化していくパートナーへ、ますます何もしなくなっていった。
皐月賞や神戸新聞杯は、馬に囲まれて、物理的障壁が生じたからこそ苦労もあったが、そこにいることへのストレスを馬が感じていたのなら、勝負所を鞭も入れず上がってくるはずがない。
そもそも、みんなと一緒に走る環境が好きなのであろう。
どんなに囲まれても、忍者のように変な角度から頭を突っ込んでスペースを確保したところで
たちまちのうちに態勢を整えて、あっという間に抜け出してしまう。
競馬に参加するポイントが、直線に入ってからとする仮説も、これで成り立つ。
外を回せば確実に勝てる馬でも、ロスを少なくする策を常に積極的に選択できるタイプだから、長く走る競馬に対して、疲れる要素が何一つない。
ある意味、ダービー以上に走りやすいこの条件を、楽勝でも何でも、翌週の天皇賞だって勝てるぜくらいの内容で勝てるはずの馬が負けたからと言って、あのダービーを思い起こせば、それさえも汚点や欠点ではない。
勝とうという気はないが、何だか勝たないといけないのではという学習はしているだろう。
今まで以上に気を抜くだろうから、気を遣って走らせる福永騎手は、適当に位置をとったらもう動かない。
そして、スペースができたたら、すかさずに動いていくようにアドヴァイスを送る。
だから、きっとまた勝てるのである。
菊花賞2020 -最終予想まとめ
こういう馬のための菊花賞なのだから、クラシックレースの本質が未だに正規の規格とできるのか、
ジャスティファイが無敗の三冠を達成したすぐ後のチャレンジだけに、結果も求められるわけだが
一方で、コントレイルにとって価値のあるタイトルではないだろうと思う。
見た目よりずっとパワーがあるこの馬の目指す道は、直系祖先のネアルコや血縁はないが似たような戦績のリボーのような、快活で茫洋とした無機質な1着を並べ続けるサイボーグになることくらい。
ディープインパクトの血も彼が広げ、
最後に残るのもきっとコントレイル直系の血となりそうな現状、サンデーサイレンス系の発展がこれ以上望めない環境を縦に拡大させられる本物の継承能力が、競走生活で消耗されることなく多分に残されるはずだから
早くに死なない限りは、この名は永遠に競馬史に刻まれることだろう。
強いということは、走るだけで何もかもが理解できる存在であるとできるサラブレッドの世界で、これ以上に競馬を簡単にできる才能は、もはや、国内の名馬との比較で事足りるようなレベルにない。
ネアルコのように、リボーのように…。最後は負けてしまったニジンスキーくらいにはなってくれるだろうコントレイルは
我々にはもっと違うビジョンがあっていいのではないかと、
むしろ、向こうから語り掛けてくれるレースをするはずだ。
とかいって、負けることもある世界だが、それでもいいと思うのは、筆者だけではないと思う。