ジャパンカップを予想!

1984年に国際標準であるグレード<グループの方が一般的>を、それまで行われてきたレースに相応の格として付す最初の作業が行われ、初めてGⅠ、Ⅱ、Ⅲという棲み分けが図られたことを記念する意味合いで、
春に古馬にも需要のある1600MのGⅠ競走を安田記念とした対のレースとして、この年の秋の京都で創設されたのが、このマイルチャンピオンシップです。
極めて高水準のレースが続き、90年代には日本一堅いレースとして定着。
名馬のためのレースとなったこのGⅠは、あっという間に、ファンの心を熱くさせる名勝負を何度も提供してきました。
ただ、暫く阪神開催となるので、直線の坂もあり、よりハードな展開に変化する可能性があります。

マイルチャンピオンシップ 歴代優勝馬

開催年1着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 2着馬
性齢斤量
騎手人気前走
父名
 3着馬
性齢斤量騎手人気前走
父名
2010年エーシンフォワード
牡4
57
岩田康誠
13スワンS⑧
フォレストワイルドキャット
ダノンヨーヨー
牡4
57
C.スミヨン
1富士S①
ダンスインザダーク
ゴールスキー
牡3
56
福永祐一
61600万①
ネオユニヴァース
<2011年>
エイシンアポロン
牡4
57
池添謙一
5富士S【1】
ジャイアンツコーズウェイ
フィフスペトル
牡5
57
横山典弘
11スプリンターズS⑥
キングカメハメハ
サプレザ
牝6
55C.ルメール
4サンチャリオットS「1」
サーム
<2012年>
サダムパテック
牡4
57
武豊
4天皇賞(秋)⑧
フジキセキ
グランプリボス
牡4
57
内田博幸
1スワンS①
サクラバクシンオー
ドナウブルー
牝4
55C.スミヨン
5府中牝馬S③
ディープインパクト
2013年
トーセンラー
牡5
57
武豊
2京都大賞典③
ディープインパクト
ダイワマッジョーレ
牡4
57
蛯名正義
3スワンS②
ダイワメジャー
ダノンシャーク
牡5
57
福永祐一
1富士S①
ディープインパクト
2014年
ダノンシャーク
牡6
57
岩田康誠
8富士S⑦
ディープインパクト
フィエロ
牡5
57
福永祐一
3スワンS③
ディープインパクト
グランデッツア
牡5
57
秋山真一郎
9毎日王冠⑤
アグネスタキオン
2015年モーリス
牡4
57
R.ムーア
4安田記念①
スクリーンヒーロー
フィエロ
牡6
57
M.デムーロ
2スワンS②
ディープインパクト
イスラボニータ
牡4
57
蛯名正義
1天皇賞(秋)③
フジキセキ
2016年
ミッキーアイル
牡5
57
浜中俊
3スプリンターズS②
ディープインパクト
イスラボニータ
牡5
57
C.ルメール
2富士S②
フジキセキ
ネオリアリズム
牡5
57
R.ムーア
7札幌記念<1>
ネオユニヴァース
<2017年>
ペルシアンナイト
牡3
56
M.デムーロ
4富士S【5】
ハービンジャー
エアスピネル
牡4
57
R.ムーア
2富士S【1】
キングカメハメハ
サングレーザー
牡3
56
福永祐一
7スワンS「1」
ディープインパクト
2018年
ステルヴィオ
牡3
56
W.ビュイック
5毎日王冠②
ロードカナロア
ペルシアンナイト
牡4
57
M.デムーロ
3富士S⑤
ハービンジャー
アルアイン
牡4
57
川田将雅
4天皇賞(秋)④
ディープインパクト
2019年
インディチャンプ
牡4
57
池添謙一
3毎日王冠③
ステイゴールド
ダノンプレミアム
牡4
57
川田将雅
1天皇賞(秋)②
ディープインパクト
ペルシアンナイト
牡5
57
O.マーフィー
6毎日王冠④
ハービンジャー
2020年グランアレグリア
牝4
55
C.ルメール
1
スプリンターズS①
ディープインパクト
インディチャンプ
牡5
57
福永祐一
3
安田記念<2>
ステイゴールド
アドマイヤマーズ
牡457川田将雅
5スワンS③
ダイワメジャー
2021年グランアレグリア
牝5
55
C.ルメール
1
天皇賞(秋)③
ディープインパクト
シュネルマイスター
牡3
56
横山武史
2
毎日王冠①
キングマン
ダノンザキッド牡356川田将雅5富士S④
ジャスタウェイ
2022年セリフォス牡356D.レーン6富士S①ダイワメジャーダノンザキッド牡457北村友一8毎日王冠③ジャスタウェイソダシ牝455吉田隼人2府中牝馬S②
クロフネ
2023年ナミュール牝456藤岡康太5富士S①ハービンジャーソウルラッシュ牡558J.モレイラ 3京成杯AH①ルーラーシップジャスティンカフェ牡558坂井瑠星7毎日王冠⑦エピファネイア
2024年ソウルラッシュ牡658団野大成4富士S②ルーラーシップエルトンバローズ牡458西村淳也7毎日王冠③ディープブリランテウインマーベル牡558松山弘平10スプリンターズS⑤アイルハヴアナザー

良は無印・○は着順/<稍>「重」【不良】

馬名連覇した年
ニホンピロウイナー 
1984年~1985年
ダイタクヘリオス 
1991年~1992年
タイキシャトル 
1997年~1998年
デュランダル 
2003年年~2004年
ダイワメジャー 
2006年~2007年~
レコード馬名開催年
1:32.8エアジハード1999年
1:32.6アグネスデジタル 2000年
1:32.1
ハットトリック 2005年
1:31.8 
エーシンフォワード 2010年
1:31.5ダノンシャーク 
2014年

マイルチャンピオンシップの特徴

これまで一度たりとも京都以外でやったことのないレースなので、変更されることによる副作用が読み切れない面もありますが、
まず、極端なスローもなければ、その逆もまた稀という傾向から、春の安田記念とは対照的に、連覇が非常に多いレースです。
最近は時計が速くなりすぎているので、難しいのかもしれませんが、それがここ5年は落ち着きましたから、今年、開催場の違う連覇が起きても不思議はありません。

マイルチャンピオンシップ 過去10年のデータベース

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気2回1回1回6回20%30%40%
前走富士Sで1番人気3回1回0回3回43%57%57%
前走富士Sで2~5番人気1回2回1回17回5%15%19%
前走毎日王冠で1着0回1回0回4回0%20%20%
前走毎日王冠で2~4着2回1回1回4回25%38%50%
前走毎日王冠で5着以下0回0回2回12回0%0%14%
前走天皇賞(秋)でマイル以下の古馬重賞勝ち鞍あり1回1回0回4回17%33%33%
前走天皇賞(秋)でその他0回0回2回2回0%0%50%
前走安田記念でG1連対馬1回1回0回3回20%40%40%
前走スプリンターズSでG1連対馬2回0回0回4回33%33%33%
前走京成杯オータムハンデキャップ0回1回0回9回0%10%10%
前走スワンS0回2回2回30回0%6%12%
前走札幌記念0回0回1回0回0%0%100%
前走府中牝馬S0回0回1回5回0%0%17%
前走その他芝0回0回0回17回0%0%0%

毎日王冠組が3勝で、富士S組も2勝という近年の傾向は、本来この中に入れるべき秋の天皇賞から間隔を詰めて使ってきた実力者たち同様、
マイルチャンピオンシップ<マイルCS>を目指す馬は、特段の理由がない限りは、中距離ベースの能力を示した後に勝ち切るという傾向が、最初の頃から出ています。
近年は減った秋天参戦組に対し、その前に行われる重賞が、今年からは両方ともGⅡになるので、前走東京の縛りがより堅くなる可能性もありそうです。

マイルチャンピオンシップは3歳馬が狙い目?

GⅠ好走歴のある2頭が勝ち切り、2018年はそのワンツー。
侮れない、3着には来る前走の京都勝ちの馬という傾向は、斤量のアドヴァンテージがほとんどないこのレースの設定からも、どうしたって、古馬と好勝負であったということが重要ということになります。
ダービー以来の古馬初戦が不良馬場のペルシアンナイトと久々の芝でレコード勝ちのミラクルホース・アグネスデジタルが例外となりますが、そもそも5勝のみ。
惜しい星を落としてきた人気先行型が、狙い目となりそうです。

マイルチャンピオンシップの攻略ポイント

1番人気が一見すると壊滅状態のようで、半分は馬券になっている上、GⅠ連対実績はなければ、前走1番人気という以外の勝ち馬が10年以上出ていないので、狙いを間違えなければ、難しいということはありませんが、
時計が遅くなったとしても持ち時計がそれより上という馬ばかりなので、その分で、昔より荒れやすくなっているわけで、それよりは狙い目の2~5番人気8勝の流れに、今のところは乗っておきたいところです。

マイルチャンピオンシップ2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

マイルチャンピオンシップ2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切りの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第41回マイルチャンピオンシップ(G1)
グレード重賞(G1)
日程2024年11月17日(日)
発走時間15時40分
開催場所京都競馬場
距離芝1,600m
コース右回り
賞金1億8,000万円
レコードタイム1:31.3

マイルチャンピオンシップ2024予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

マイルチャンピオンシップ2024の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11コムストックロード幸英明牝556.0144.816美浦・ウッド・稍重(助手)
5F 67.4-51.9-36.9-11.6(馬なり)
美浦・ウッド・良(助手)
5F 67.6-52.2-37.4-11.2(馬なり)
12ブレイディヴェーグC.ルメール牝456.02.71美浦・ウッド・稍重(助手)
6F 82.5-66.2-51.9-37.6-11.3(馬なり)
美浦・ウッド・良(杉原誠)
6F 82.8-67.6-52.6-37.0-11.6(馬なり)
23バルサムノート北村友一牡458.065.613栗東・坂路・良(助手)
800m 56.4-40.7-25.3-11.9(馬なり)
栗東・坂路・良(北村友)
800m 56.2-40.7-25.7-12.0(馬なり)
24ナミュールC.デムーロ牝556.05.23栗東・坂路・良(助手)
800m 56.1-40.2-25.5-12.1(末強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 56.6-41.2-25.9-12.0(馬なり)
35ジュンブロッサム戸崎圭太牡558.010.96栗東・CW・良(助手)
6F 81.5-65.5-51.4-36.8-11.7(G前気合付)
栗東・CW・良(助手)
6F 84.0-67.1-52.1-36.8-11.3(馬なり)
36オオバンブルマイ武豊牡458.031.210栗東・CW・良(武豊)
6F 79.8-65.6-51.6-36.6-11.2(強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.5-38.6-24.8-12.1(馬なり)
47マテンロウスカイ横山典弘セ558.0 27.69栗東・坂路・良(助手)
800m 56.7-40.6-25.6-12.8(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 52.3-37.9-24.6-12.5(馬なり)
48フィアスプライドA.シュタルケ牝6 56.049.011美浦・ウッド・稍重(助手)
5F 67.2-52.1-37.3-11.3(強め)
美浦・ウッド・良(助手)
6F 83.4-67.0-52.1-37.3-11.7(馬なり)
59ニホンピロキーフ田口貫太牡458.063.812-栗東・CW・良(助手)
6F 82.5-66.6-51.6-36.5-11.6(強め)
510レイベリング津村明秀牡458.071.215美浦・ウッド・稍重(津村明)
6F 83.9-67.5-52.4-37.7-11.7(馬なり)
美浦・ウッド・良(助手)
6F 86.0-69.5-53.8-38.4-11.5(馬なり)
611チャリンR.ムーア牡458.05.94-京都・芝・良(ムーア)
6F 81.1-63.6-49.5-36.8-12.2(G前気合付)
612アルナシーム藤岡佑介牡558.067.214栗東・CW・良(藤岡佑)
6F 83.4-67.5-52.5-37.4-11.9(馬なり)
栗東・CW・良(藤岡佑)
5F 67.4-52.1-37.4-11.8(馬なり)
713ソウルラッシュ団野大成牡658.04.72栗東・CW・良(団野大)
6F 81.4-65.9-51.4-36.5-10.8(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.5-38.8-24.9-11.9(馬なり)
714ウインマーベル松山弘平牡558.023.98美浦・ウッド・稍重(助手)
6F 81.9-65.7-51.1-36.3-11.7(一杯)
美浦・ウッド・良(助手)
5F 68.8-53.1-38.0-11.4(馬なり)
815セリフォス北村友一牡558.010.65栗東・CW・良(調教師)
6F 79.5-64.7-51.0-36.9-11.4(強め)
栗東・CW・良(川田将)
3F 39.7-11.4(馬なり)
816タイムトゥヘヴン柴田善臣牡658.0171.217美浦・ウッド・良(上野翔)
6F 81.2-66.4-52.0-37.7-11.4(馬なり)
美浦・ウッド・良(柴田善)
6F 79.4-65.1-51.4-37.5-12.0(馬なり)
817エルトンバローズ西村淳也牡458.020.57栗東・CW・良(西村淳)
6F 80.3-65.3-50.4-35.8-11.4(一杯)
栗東・坂路・良(西村淳)
800m 53.8-38.4-24.3-11.7(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬1回1回0回18回5.0%10.0%10.0%
先行馬3回4回5回59回4.2%9.9%16.9%
差し馬11回13回9回118回7.3%15.9%21.9%
追い込み馬5回2回6回94回4.7%6.5%12.1%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠2回3回2回33回5.0%12.5%17.5%
2枠2回3回3回32回5.0%12.5%20.0%
3枠4回0回3回33回10.0%10.0%17.5%
4枠3回7回3回27回7.5%25.0%32.5%
5枠2回1回0回37回5.0%7.5%7.5%
6枠2回2回1回35回5.0%10.0%12.5%
7枠1回2回6回44回1.9%5.7%17.0%
8枠4回2回2回48回7.1%10.7%14.3%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト7回8回8回55回9.0%19.2%29.5%
ロードカナロア5回4回1回36回10.9%19.6%21.7%
イスラボニータ5回0回1回1回71.4%71.4%85.7%
ルーラーシップ4回5回2回26回10.8%24.3%29.7%
ダイワメジャー4回4回3回24回11.4%22.9%31.4%
ステイゴールド3回1回0回2回50.0%66.7%66.7%
キズナ3回0回2回20回12.0%12.0%20.0%
ジャスタウェイ3回0回0回9回25.0%25.0%25.0%
ハービンジャー2回1回4回16回8.7%13.0%30.4%
ヴィクトワールピサ2回0回2回10回14.3%14.3%28.6%

マイルチャンピオンシップ2024 - 過去10年のデータ傾向

10年でわずか2勝、かつて日本で一番堅い決着の続くG1であったというのは、各馬のおじいさんの時代の話

すごくシンプルな話、阪神開催の中で連覇を決めた桜花賞馬のグランアレグリアの存在が大きいというだけであり、それが出ていなかったと仮定すると、実は、カンパニーやダイワメジャーの時代に戻らないと、大本命の勝利の記録は残っていない。

第1回のニホンピロウイナー優勝から、11度続けて、1番人気馬が連対。

このレースに異様なレベルで相性の悪かった武豊騎手のビコーペガサスが4着に敗れ<勝ったのは横山典弘騎手のトロットサンダー>、20世紀中は残る5回で4連対の記録だから、21世紀以降で6勝しかしていないというのでは、偏り方からして、まるでアテにならない。

ルメール人気必至であり、ブレイディヴェーグ参戦が決まった時点でこれが人気面の軸となるわけだが、本当に使えるデータとを仮定した時、そんなもので1番人気になるような馬を推さねばらないということが、いかにリスクを背負うことになるのか。

ルメールだから安心という狙い方をするよりは、本物を探す、刹那のチャンプを指名する一戦とするのが悪手ではないことは明らかであろう。

主力を送り込む富士S組は、ナミュールのモレイラ人気への疑念を裏切るダブルテン乗りの強襲勝利で、明快な好走の基準ができた

ダノンシャークの不利による着外敗戦から、見事なレコードタイムでの逆襲があったという時点で、実は、本質的な狙い目の基本形が提示されていたわけだが、ここ2年、富士Sで人気に応える形で制した馬たちが、人気を落として、立て続けに連勝を決めるという流れを踏襲するならば、実績で断然に近い支持ソウルラッシュに、前々年の優勝馬であるセリフォスは僅差の評価で、共に掲示板内の好走。

続けて、本当の評価をこれから授かる立場にあるジュンブロッサムなど、勝ったというだけではなく、本番でこそもっと高いレベルのパフォーマンスをしてくれないと困るという馬も、標準レベル以上のスケール感で勝ち上がった再挑戦の軌道修正組は、ストレスの掛かり具合があまり過度ではないために、クラシックを戦っていない分の伸びしろを踏まえた時、ソウルラッシュと同格以上でいいという見解に辿り着いた。

序列はつけたものの、ほぼ同格の3頭としていいだろう。

勝って人気落ちならば、この中でジュンブロッサムが最も狙い目になる。

毎日王冠を使ったら、もうその前の時点でマイル実績が必要

この組で、まず毎日王冠の勝ち馬は、本来は本番に想定の天皇賞と合わせて、次走では2009年のカンパニー・秋3連勝を最後に、全て敗戦という負の歴史を抱え、若い馬もダノンキングリー、サリオスの2度、好走も及ばずだったシュネルマイスター、エルトンバローズらも苦戦の結果であり、わざわざシックスペンス狙いをする必要はないという状況。

で、セリフォスが鞍上を元に戻す形で、シックスペンスが乗り替わり必至というところで、ルメール継続でもそもそも怪しいのであって、人気ガタ落ちがあり得ない実績を得た以上、狙いは少し下げる形でちょうどいい<故障で回避が決定>。

だから、狙いは負けた馬。

勝ち馬はシュネルマイスター以外ほぼ全滅で、2着以下のグループが隔年ごとに好走馬を送り込むという傾向を味方につけたならば、敢えて狙うとすればエルトンバローズが…。

昨年好走のエルトンバローズは、ラジオNIKKEI賞を制するまでに、マイル戦で2勝していたが、それと似た感じでも、マイルで4勝だったジャスティンカフェが先着。

これが毎日王冠でより敗れていた方の逆転劇。

実績という点でも、敢えて買うならば、人気になりづらいダノンザキッドやペルシアンナイトタイプのエルトンバローズであろうと思うのだが、1800重賞連続3着で5番人気とかになると、やはり怪しいのであって、20倍くらいの支持に収まってくれると嬉しいのだが…。

安田記念やここの好走馬以外は、勝ち星がこの距離で必要と思っていた方がいい。

意外にも、天皇賞を使っていても、毎日王冠と同じ流れになる

本流ではないものの、一定レベル以上の競走能力がない限り、掲示板以内も考えづらいというのが、古馬本流の中長距離部門のエースを決するレースの本質。

故に、対応力の点で、好走をしていたならば、まず間違いなく、連対も可能性が限りなく完全体に近い、確実という線で攻めていけるはずだが、ここも少し気が短い人がイーッとなるような、ややこしい特性を秘める。

実は、秋の天皇賞を使っていた馬で、連絡みのグランアレグリア、ダノンプレミアムなどは、最初の重賞制覇が東京のサウジアラビアロイヤルCであったという共通項からして、間違いなく、本質的な狙い目はこちらの方にあって…、というタイプだった。

連覇達成時のニホンピロウイナーも、天皇賞は、ギャロップダイナ、シンボリルドルフらに続き、ウインザーノットと同着の3着から、堂々の快勝。

このローテで、10数度の連対の記録が残っているものの、どれ一つとして、マイル実績が乏しい好走馬はいなかった。

今年唯一となる、秋天から転戦のマテンロウスカイはリステッドのリゲルSを快勝したのみで、東京新聞杯5着の重賞実績しかないものの、東京で連続の先着を許したホウオウビスケッツとはいつも好勝負。

1800が得意なようで、最も振れ幅が大きいのが、10戦ほど消化しているところで、調子の度合いで着順がイメージ以上にばらつく傾向からも、日本では前哨戦に組まれる距離だけに、ここで全力発揮できずの後の距離延長で、結果はまずまずでもフィット感はなかったという部分で、ワンターンに戻る今回は、阪神以上に適性があって不思議なく、直線ほぼ平坦の小倉で最初の2勝を挙げた実績からも、阪神で暴走後に立て直し重視だった昨年のカシオペアSはノーカウントとした時、一気に狙い目になってくる。

マイルは3戦のみも、唯一、暴発がない距離でもあり、距離延長でまだ味わいがない状況、短縮でこそ全力投球が可能と思われる。

マイルチャンピオンシップ2024- 出走予定馬の血統/成績/タイム

2勝クラスの身で格上のレースを完勝後、唯一崩れていないマイルで本領を発揮する、まだ若々しい人馬の打ち上げ花火に期待

マテンロウスカイの血統

父モーリスは、一頓挫あったというのもあるが、安田記念以来の実戦となったここで、ライアン・ムーア騎手を背に完勝した。

堀宣行厩舎移籍後は通算5連勝としただけでなく、前後でG1を4連勝するのだから、猛烈な4歳シーズンを象徴する場面でもあったわけだが、結局、5歳になっても4歳時と同じ3つのビッグタイトルを得るのだから、実際は、あくまでも香港の叩き台だったというイメージも残す。

ちなみにだが、モーリスの母であるメジロモントレーと共に、アメリカジョッキークラブCを制したのが、何を隠そう、横山典弘騎手だった。

記念すべきこの最初の勝利から、ここまでで最新の記録である2022年にキングオブコージで制した際が、実に7度目の優勝。

関西に籍を置く形を実質とりながらも、関東の所属であるという正式な位置づけに全く関係なく、この中山への適性の部分で、未だに群を抜いた存在であることを示すように、今年もG2を2勝、中山内回りで記録している。

メジロモントレーはモガミの産駒。

即ち、リファールの仔というわけなのだが、マテンロウスカイはメルボルンCを制した菊花賞馬・デルタブルースの近親であると同時に、近年、芝を使われる騸馬の中では最も活躍したとされるレッドデイヴィスの甥であること以上に、そのリファールが生んだ世紀のスーパースター・ダンシングブレーヴが、マテンロウスカイの6歳母の姉の直系ひ孫に登場するのだから、決して、偶然の存在ではない。

同期にはダービー馬のドウデュースも同じファミリーであるし、武豊にこの鞍上と…。

ついでの話、ダンシングブレーヴがクラシックを戦い、凱旋門賞でとんでもない末脚で豪華メンバー全員の面倒を見た1986年が、ノリ騎手のデビューイヤーでもある。

モガミの産駒で、メジロラモーヌが牝馬三冠を達成したのもこの年だった。

ロベルト系でこのレースを勝ったのは、唯一、2015年のモーリスただ一頭のみ。

母父でもこの血が働くことは珍しく、50代G1制覇でマウントを取り合っている両者とも深く関わりのあるトウカイポイントを駆ってこのレースを制した蛯名現調教師とのコンビで勝った例を代表とするくらいで、昔からほとんどなく、この馬がレース史上唯一の騸馬による優勝の記録を残す異質の存在。

知っていることの強みを持つ3勝騎手を背に、ロベルトと騸馬のマイナスイメージを払しょくする、ダービー的逆襲の構図にここでも期待である。

お手馬の一頭であるマテンロウオリオンで連続参戦中だった横山典弘騎手は、初騎乗の1995年・トロットサンダーとの強烈な直線一気で一発大きな花火を挙げると、伏兵も本命級も同じくらいの割合で連れてきて、騎乗機会の半分で掲示板内に持ってくる、いわば得意なレースの一つにこのマイルチャンピオンシップ・CSは数えられる。

先述した通り、このレースで初めて1番人気が馬券外に消えた年こそが、そのトロットサンダーによる下剋上的1勝が決まった最初のレース。

以後、連覇達成の名馬は散見されるものの、1番人気馬の信頼度は目に見えて、凋落の一途をたどっている。

今年も苦戦必至である。

タイキシャトルの本格化ほんの少し前という段階で手綱を執り、しっかりとG1初制覇に導いた技量は、8歳馬として歴史的な秋シーズンをパーフェクトな結果で締めたカンパニーでの勝利に凝縮されていた一方、その年こそ、まさにあの泥田のような東京競馬場で行われたダービーをロジユニヴァースで制した、メモリアルなシーズンのドラマチックな一年を終えるに相応しい大団円の一幕ともなった。

武豊騎手がマイルのG1戦である朝日杯フューチュリティS<旧3歳S>だとか、このマイルCSを初制覇するまでに、ダービーの倍以上の時間がかかった理由は、いかにも、横山典弘騎手とは対照的なレースの組み立てにある気がする。

他の3倍はG1を勝ち、クラシックであるなら4倍くらいとなるのが、サンデーサイレンス産駒の申し子であった武豊らしい、直線スパートの勘所を押さえた仕掛けの待ち方を選択することが、あのドウデュース<自身初となる朝日杯制覇の立役者>の秋の天皇賞や有馬記念に凝縮されているわけだが、同じ年のダービーを、圧巻のコース取りに総合プデュースの末に持ち込むという伝説を作り出したダノンデサイルで制するために課したのは、今までやったことはないはずの、極めてオーソドックスな好位インからの抜け出し。

終いの脚の使わせ方の違いというよりも、OBジョッキーらの解説を総合するに、極めて重要な場面におけるベストラップの置換を、どこに施すかの差が、スピードレースで早くから活躍する先輩と、最初から長距離戦を勝ちまくった後輩との違いとする見解に、筆者は大いに同意する。

マイルチャンピオンシップ2024 - レース展開と最終予想

まさに他の人がとらないというか、とれない作戦を実践するからこそ、強烈な直線の抜け出しに繋げられるのである。

乗れている騎手や大きな舞台を数多く踏んできたOBなどに言わせると、そうしたものは下級条件程多く見られるともされるが、この点でも激しく首肯する筆者。

G1を勝つため以上の緻密な計算が必要な、いわば、難しい馬の巣窟は、案外、大レースではなく、平場の1勝クラスであったりする。

条件戦で燻りかけていたマテンロウスカイは、しかし、新馬戦で終い11.2秒を小倉の2000Mで繰り出していた。

同時期、その小倉で中距離の未勝利クラスを勝ったドウデュースやキラーアビリティらには、この脚で見劣っているものの、相手関係からして、また去勢される遥か前の時点で、本格化すればもしかすると…、と思わせた部分があるのは間違いない。

ただ、その辺りはさすが、困り事をほとんど堀調教師に解決してもらったようなところのあるモーリスの直仔。

結局、様々な作戦を講じる過程で、1年後の小倉で2勝目を挙げるまで、2着3回、3着2回、4着以下なし…、といういかにもパンチ不足の虚しい結果を積み重ねる中、恐らくは、気性面の課題がかつて活躍したレッドデイヴィスと重なる部分もあったのだろう。

セントライト記念で好メンバー相手にガス欠の末の敗退後、騸馬となった。

ただ、普通は訪れるはずの大幅体重減の季節が一向に訪れない。

オープンも制し、重賞も完勝の実力者になりながら、どうにも、内面の変化が見られなかったのだが、明らかに仕上がり途上だった2走前の毎日王冠と間隔おかずに出走の天皇賞は、いかにもというノリスタイルの好位付けでありながら、どことなく、終いの脚を繰り出すための引き出し作りのために走らせたような感じで、ずっと先の目標を見据えた作業をしているようにも窺えた。

思えば、カンパニーは6歳で初挑戦して、3着という天皇賞だった。

その後に、手綱を任せられ、中山仕様の戦い方を仕込みながら、その中で成長した部分を活用し、ウオッカ倒しに繋げる長い戦いがスタートするのが翌年。

走ることを宿命づけられた馬に課すべき目標は、広範に亘る一方、案外、目先の結果に囚われる必要がないというところで、ベテラン騎手にはうってつけのパートナーでもあるのかもしれない。

中距離の新馬で強烈な上がりを使った反動が出た1年を経て、その距離では暴走の1年前の失態もあり、また今年は同じ時期を走って、伏兵な満足できるレベルの5着好走は、きっと、全力を出させていないということになれば…。

実は、3走前のドバイターフで前に行ったのは、体調が思わしくなく、体も大きく減らしていたということを踏まえての判断だったと聞く。

恐らく、その時に嫌な予感がした<鞍上にとっては、よりそう思う場所でもある>のと同時に、不満ばかりを抱えたわけではない可能性も透けて見えた。

何しろ、5歳になって初めて、仕上げてきたという470kg台中盤の馬体重だったのだ。

1年前の春の東京で連続好走していた時の記録とも符合し、毎日王冠は具合を見ながらの、あくまで試走というところで、内で詰まった面も着順が悪くなった要因だとすると、2000は長いが、マイルは合わないという理屈ではなく、東京新聞杯が外は伸びない馬場状態でそのグループで最先着の5着、末脚もある程度確かめられた上で、中2週の中山記念優勝時の方がより状態は良くなっていた…、という話からも、底力勝負となる重賞クラスの1600戦は歓迎のように思えた。

実は、多少の道悪ならむしろ歓迎のマテンロウスカイではあるのだが、逃げ粘ったメイSで、後に東京新聞杯で再度勝たれてしまうサクラトゥジュールという怪しげな良血を真っ向から抑え込もうとした際、その直前の3勝クラス難波Sを勝った際が、全く同じ、2F目からすべて11秒台のラップでまとめる芸術的な高速展開の理想形だったのだ。

ずっと前にセイウンスカイを二冠馬にした鞍上の技量からして、こんなものは朝飯前のはずだが、これに終いにもいい脚を使えるというデビュー戦の一番初々しい本質的な能力をくっつけたら、当然、G1で通用である。

色々なステージを踏んできて、最終的に適鞍を見つけた時、このレースでは近年の覇者であるナミュール、セリフォス、グランアレグリアなどが、ほぼ確定的な出世を見込めるようなデビューからの連勝を決めただけでなくして、マテンロウスカイのように、相手に関係なく、終いで底力の一端を示す決め手を、初手の段階から炸裂させている。

それが高速決着であれば言うことなしだが、晩成でも通用の古馬のマイル以下の大レース。

3歳で勝ったとはいえ、父ダイワメジャーのような大復活があって不思議ないような、セリフォスの3戦連続でラスト11秒台のレースラップを直線抜け出しで快勝の記録が、決して、速いタイムではなかったことからも、無敗継続を防いだのが切れるドウデュースだったことで、再度証明されるマイル適性は、往年の晩成型のロールモデルとも似ている。

スマートな形が理想でも、気性的にまかりならん部分を抱えてきたマテンロウスカイの場合は、その道程に浮き沈みが生じるのは致し方ないわけだが、5歳になってもG1でしっかりと好走できる同期に比べ、まだまだ伸びしろの点で優位に立つこの馬は、恐らく、限りなくベストに近い馬体重をチームとして見極めることができる秋となっている予感がする。

件のハイレベルラップの継続に適した才能は、鞍上が得意とする分野であると同時に、馬自身が最も気持ちよく走れる条件であるということだけでなく、いやはや、何か逃げるのかわからない状態のメンバー構成でもあり…。

今回の距離短縮で、ここまで強引に馬込みの中で折り合いをつけさせてきたものを、敢えて実行する意味もない。

中山記念は58秒台のラップを継続するように、みんなでズブズブの展開を助け合うような厳しい流れで、しかし、ほぼ同位置に勝負所でいた同期のジオグリフに2馬身以上の差をつけた上に、終いの3Fの記録でも上回っている。

すっかり不振から脱しつつ、どこでも掲示板の下の方という彼も、デルマーでよく粘っていたが、これを基準とした時、キレ脚勝負歓迎の馬だらけの人気勢に対し、直線に急坂の控える阪神外回りより京都の方が中盤に差の上り下りがある関係で、ラップが平均的になりやすいところで、前に一頭置くのが理想でも前掛かりにならない展開こそ歓迎のマテンロウスカイには、意外なほどの勝機がある一戦。

今年は富士Sも毎日王冠も似たようなものであったから、もう少し実の詰まった馬がいた天皇賞の5着馬ならば、格上評価でもいいだろう。

追い込んで初めて勝ったこのレースから、早30年弱。

因縁のマイルCS初制覇は渋滞の直線を割り込んで、ライバルを外へ押しやったことで、審議対象にもなった武豊騎手だが、翌年も京都巧者で勝ってみせた。

桜花賞を勝てば、旧八大競走完全制覇の最長スパン記録更新の横山典弘騎手は、いくらかいい意味での前向きさが戻ってきて、元気になりつつあるパートナーを勝利へと誘うような、元気いっぱいカンパニーの再現を狙いつつ、多少の格下くらいならきっちり持ってきてしまう、スピード競馬を得意とする鞍上のハイスキルも加味し、意外なほどスイスイと…、などといい感じになりそうな予感のする一戦を快勝してしまう可能性に、ここは一票を投じたい。

苦しい時間を経て、父がそうであったように、高速のマイルで実力前回となりそうなジュンブロッサムにも期待だ。

ただ、良のマイル戦4戦連続連対中に対し、道悪はコース条件問わずに4着以下で変に安定の戦績まで、本当に父とそっくり。

北米系の血を受けるダートで大活躍をしたゴールドティアラの孫だが、普段なら晴天ばかりの秋開催が、雨の開催日も多い10月のような天候になってしまった時、差しタイプの彼には厳しい条件が重なる。

上がり目ではメンバー屈指のトップグループは、5歳世代に多いから、逃げて不思議ないウインマーベルまで含めるかはともかく、距離延長の方に妙味がありそうなアルナシーム以外<=高速のマイルだと少しパフォーマンスが下がり、もうひと溜めができる中距離戦が主戦場になっていきそう>、どの馬から入るにしても、この世代には全流しでもいいだろう。

マイルチャンピオンシップ 過去の予想と結果