マイルチャンピオンシップ2016 展望

理屈の上では、モーリスが出てくれば連覇濃厚という組み合わせになるのだが、昨年よりは、若手の台頭が望めるから、目標を考えると、回避の線が最も有力。

だから、安田記念を振り返ることの方が重要かもしれない。

ベテランも現状のチャンピオン級も多く顔を揃えたビッグマッチは、モーリス、リアルスティールらのパッとしない内容の競馬で、エアジハード×グラスワンダー、ウオッカ×ディープスカイなどの名勝負の系譜を、安田記念史に刻むことは叶わず。

厳しい流れとなったダービー卿で自分の立ち位置を再確認し、策を講じて、逃げを解禁したロゴタイプ&田辺の気合勝ちとなった。

この組で京都戦に変わっても魅力がありそうなのは、サトノアラジンとイスラボニータ。

つまり、既存勢力だけであり、秋天に回ってどこまでやれるかで路線選択の中に入ってくるだろうリアルスティールと、昨年は一応はここに出ようとしたアンビシャスも双方格のあるレースを勝っているから、出てくれば注目。

ただし、モーリスが出てくると…、なので、ロードクエストやヤングマンパワーなどの、8月以降のマイル重賞覇者に、今年は注目しておきたい。

正攻法のヤングマンパワーは、地味な血統のサンデーインという掴みづらい配合の馬ながら、昨年も挑戦した夏競馬で今年も結果を残した。

下級条件からの再スタートでのこの結果は、しっかりと立て直せた証。

ただ、キレる馬ではないから、展開というか天からのアシストが多少は必要かもしれない。近10年は、雨馬場が多い。

ロードクエストは、未完の大器である。

タイプで言えば、タイキシャトルでありエルコンドルパサーのような存在。

父が地味なのはこちらも同じだが、既にGⅠで、ハイペースでの対応力を見せた本格派の追い込み馬だ。

まだ上がり目を残しての京成杯AH優勝は、混戦のここでは、かなり武器のしっかりした男という雰囲気を醸し出すことだろう。

双方、富士Sの内容が気になる。

ジュエラーは秋華賞で差し損ねの4着。気分よく大外ブン回しなら、シンザン記念級の走りは最低限期待できる。

まあ、今年は距離を求めるのだろうから、出てきたらの楽しみということで。