マイルチャンピオンシップ2024【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着ソウルラッシュ(5.3倍)2着エルトンバローズ(18.9倍)3着ウインマーベル(41.5倍)

レース名第41回マイルチャンピオンシップ
日程2024年11月17日
優勝馬ソウルラッシュ
優勝騎手団野大成
勝ちタイム1:32.0
馬場
3連単配当128,450円

マイルチャンピオンシップ2024 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
113ソウルラッシュ1:32.0-
217エルトンバローズ1:32.4 2.1/2
314ウインマーベル1:32.4クビ
42ブレイディヴェーグ1:32.4ハナ
511チャリン1:32.4 クビ
単勝13530円
複勝13180円
複勝17440円
複勝14770円
枠連7-81,260円
ワイド13-17830円
ワイド13-142,260円
ワイド14-176,080円
馬連13-173,000円
馬単13-175,660円
3連複13-14-1729,110円
3連単13-17-14128,450円

マイルチャンピオンシップ2024 - レース後コメント(騎手/厩舎)

「思ったほどポジションは取れなかったのですが、この馬のリズムで運べたかなと思いますし、それが最後の伸びにつながりました。ソラを使うようなところも大人になってすごく充実していますし、抜け出してからも強い脚取りだったと思います。今回、抜擢してもらえてうれしかったと同時に絶対に結果を残したいと思っていました」

※優勝した団野大成騎手のコメント(ソウルラッシュ)

マイルチャンピオンシップ2024 - レース結果動画(YouTube)

マイルチャンピオンシップ2024 - 回顧

ソウルラッシュの血統

ルーラーシップ×マンハッタンカフェであるから、当然、ステイヤー色の強い配合というイメージがあるのは仕方ないにしても、スプリンターズSを制したのは、ドゥラメンテ×ニューアプローチという重厚な日英ダービー馬コネクションの組み合わせであったルガル。

騎手のタイプもさることながら、秋の短距離G1を制した両者には、やけに共通項が多い気がする。

一族には青葉賞勝ちのヒラボクディープがいるだけでなく、快速のストームキャット系種牡馬として知られるヘネシーなどがいる良血。

前向きに出れば、当然、マイル以下に合う性質であるし、筋肉の質も影響するのだろうが、結局は、キングマンボ直系というのは、最後の最後の場面で芝で結果を出すものが血を残してきたという観点でも、意外な穴的存在であるとしても、良血ルーラーシップの後継として、堂々のスタッドインが期待される。

邪魔にならないところに、直系のファミリーにはトニービン、母系の深くないところにカロなど、芝で本質的に瞬発力勝負に向くグレイソヴリン直系の名種牡馬が入る血統は、この結果からも、意外な大物を思われたよりコンスタントに出す…、いや、彼の競走生活が終わったわけではないか。

言わずもがな、晩成型の鑑であるトニービンの影響を多分に受けた活躍馬である。

45.7→46.3の展開。

想像以上に、締まった流れになったというよりは、騙しが利かない展開を伏兵陣が演出し<さすがはクラシック最有力のクロワデュノールを駆る北村友一だと思わせた、見事な先行のバルサムノートは素晴らしい逃げ方をしたとできる>、結果的には、先週のエリザベス女王杯のように、外に出した方がいくら有利だったが、馬場状態は明らかに外差し有利の傾向…、という方にハメこんだのが、勝ち馬のソウルラッシュ。

しかし、その勝ち方、突き抜け方には、人馬の執念が凝縮されていたからこそ、明らかにフライングの大ガッツポーズ<さすがに危ない立ち上がり方でした(笑)>に現れたのから、そのまま、池江泰寿調教師の気持ちがダイレクトにそれに出ていたようなところもあった。

正直、雨が降っていたのなら、こんなものでは済まなかった可能性がある。

タイキシャトルが横山典弘騎手と共に制した3歳時の時の着差と同じ2馬身半差は、トラックバイアスがあったとはいえ、強烈な快記録。

何しろ、モーリスも連覇のグランアレグリアもそんな大差はつけていない。

バランスの取れたラップになる事で、騎手の腕も重要という狙いの通りになった理想のリズム、序盤から少し挙動が怪しかったマテンロウスカイはついにいつも自信満々の走りができなかったが、負けてもへこたれないモンスターと化したソウルラッシュには、ちょうどいい展開だったのだろう。

歴代のそうした怪物級を軽く超えて見せた。

正直、1強であったという評価で相応しい。

ソウルラッシュと団野大成騎手にミスは全くなかったが、他には少しずつ、死角があったのだろうとも思えたから、相手ではなかったことにもなる。

安全運転だけでは勝ち切れない切なさがあった馬が、この突き抜け方。 晩年のカンパニーを思い起こしたファンも多かったはずだ。

最高のシーンに今年もなったことが、何とも喜ばしい。 楽しいのはこの後ですよ、団野さん。

負けはしたが、勝者に食らいついた西村淳也騎手のエルトンバローズ、ほぼ思惑通りに事を運び、本質の適性とスケール感で見劣っただけという松山弘平騎手のウインマーベルは、伏兵票に反発というよりは、実績の通りに、京都で底力勝負ならば十分に好走圏内の馬だったが、後者に関しては、年齢的なことを踏まえて、主戦らしい誘導でここに挑んできた経緯もあるという。

残念だろうが、ウインマーベル自身が納得したレースのようにも用にも映った。 敗者にはこうした美しさも重要である。

再び、大きなタイトルを競うライバルが増えたのだ。 それに対し、ブレイディヴェーグは先週のことのあるルメール騎手だけに、慎重さが目立ったとはいえ、内枠に懸念を評した以上に、本音の部分では中距離の決め手比べが理想…、という感じのままに、ウインマーベルの勝負根性にわずか及ばずの4着。

着差が開いてしまったから、この辺りの順位に意味はなく、2着の勝ちを求めたところで、すぐに来春のヴィクトリアマイルや安田記念優勝の図が思い描けるような内容ではなかった。 春は春で雨も多い。

案外、使いづらい馬だけに、大詰めに入ってしまった印象もぬぐえない。 万が一は許されない血統である。

チャリンはほとんど岩が動いているくらいの身のこなしで、コーナーワークに不安があったが、助走加速装置の下り坂を利して、百戦錬磨のムーアが押し上げてきたのだが、本能で走っているだけにも思えた。

走れていないというよりも、求められる適性に及ばない肉体的特性に対し、限界には近いパフォーマンスながらも、引退レースに相応しい内容とは言えなかったのだが、不満だらけの、何なら昔のJC参戦の外国勢の様にもっと水を撒け…、という本音は見えていたものの、得てして、総合的な能力よりも日本では、決め手や速さそのものが問われるということで、今後とも、これ以上を望むは苦しいようにも感じられた。

香港経由なら、なんとかなるのかもしれない。
オオバンブルマイは何もなかったのだが、余裕残しの馬体に見えてしまった。

かなり自信をもって挑んでくるはずの場面で、高速の展開ではなかったから、NHKマイルCのような雨馬場をご所望だったにしても、香港狙いがよく見えた参戦。

よく言えば、ちょうどいい叩き台だが、意外なほど、勝ち切って不思議ない組み合わせ、展開予想だったところで、こういう仕上がりだったとすると、どうしても、扱いが雑なようにも感じられてしまう。

そこまでの不振ではないのだから、元気であるなら、もっと狙ってもらいたかったというのもあるが、勝ち運も逃してしまったような気がして、とても残念であった。

恐らくは、ここが最終局面であったとして不思議ないナミュールはさすがに心配。

よく見る心房細動の感じにも映ったが、ここは連覇を目指した一戦。

プラスが大きく、自己最高馬体重も影響したのも知れないが、5歳秋の牝馬でクラブ所有馬という位置づけも、陣営の判断に消極性を生む要因になってしまったのだろう。

モノの見事に、先週のチャンピオンはズッコケてしまったのだから、問題は多いだろうが、彼女なりの頑張りを踏まえると、昨年以上を求めるのは少し厳しかったか。

この馬齢で強くなるリスグラシュー、アーモンドアイ、このレースに縁のあるグランアレグリアなどが偉大過ぎて、少し小さく見えてしまうのだが、このレースを完勝したノースフライトなど、その前年のシンコウラブリイもそうだったが、引退はここをラストに据えた上での完勝劇。

それも4歳の年である。

求め過ぎたわけではないが、そうした名牝像の幻が、小柄で頑張り屋のナミュールの繊細な面を忘れさせていたのだろうが、この先にレースを使うことは難しい立場。

きれいに収まるラストばかりでないことをジャスティスミラノの早期引退が示したばかりなのだが、これからもこうしたシーンが減ることはない。

挑戦が続けば、リスクも伴う。

やたらとタフなソウルラッシュの初タイトル奪取の圧勝劇となったのだから、貧弱に映ってしまうのも致し方ないものだが、数の少ない日本のG1を制することは難しく、また過酷であるということは、あたらめてここに記しておきたい。

ひどい怪我でないことを願うのみだ。