NHKマイルカップ2021【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着シュネルマイスター(3.7倍)2着ソングライン(16.9倍)3着グレナディアガーズ(3.4倍)

レース名第26回NHKマイルカップ
日程2021年5月9日(日曜)
優勝馬シュネルマイスター
優勝騎手C.ルメール
勝ちタイム1:31.6
馬場
3連単配当21,180円

NHKマイルカップ2021 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
1シュネルマイスター1:31.6-
2ソングライン1:31.6ハナ
3グレナディアガーズ1:32.12 1/2
4リッケンバッカー1:32.21/2
5ロードマックス1:32.33/4
単勝15370円
複勝15150円
複勝10320円
複勝8140円
枠連5-72,880円
ワイド10-15980円
ワイド8-15300円
ワイド8-10660円
馬連10-153,690円
馬単15-104,960円
3連複8-10-153,540円
3連単15-10-821,180円

NHKマイルカップ2021 - レース後コメント(騎手/厩舎

「良かった、ハナ差で勝つことができて嬉しいです。馬にプレッシャーをかけたくなかった。いいスタートだったけどペースが速かったので、シュネルマイスターには忙しかった。でも、だんだん流れに乗れました。呼吸も、手応えも良かったです。エンジンがかかるのに時間がかかりましたが、前に池添さんの馬がいて目標になりました。2着馬がちょっとモタれたと思うので、ちょっとだけ変わることができた。届いてくれてよかったです。まだ子供っぽいけど能力は絶対にあるので、良くなったら、パワーアップしたらハイレベルで勝てます」

※優勝したルメール騎手のコメント(シュネルマイスター)

NHKマイルカップ2021 - レース結果動画(YouTube)

※実況レース映像

NHKマイルカップ2021 - 回顧

これまでフットワークの小ささに、幼さを見ていた筆者を沈黙させるに十分なゴール前の勝負強さ、厳密には、坂上からもうひと伸びするいかにもヨーロピアン血統の底力を見せつけた彼のキャラクターは、血統を見れば、完全理解可能となっている気がする。

父キングマン<Kingman/父インヴィシヴィルスピリット>は、3歳春のアイリッシュ2000ギニーから、英→英→仏と、古馬とも混じり、マイルG1を4連勝。

ニューマーケットの2000ギニーこそナイトオブサンダーに敗れるも、それと同格のセントジェームズパレスSで完勝して、堂々、カルティエ賞獲得に綻びのない戦績を残した名馬だった。

この直系はかなりスプリント適性に特化したはずのグリーンデザートを祖とする快速ラインで、シーザスターズという新馬戦敗退以外は、欧州圏の中距離タイトルほぼ総なめの凱旋門賞馬が出たくらいで、ダンチヒの発展力を同系デインヒルのミニマム版程度に示しながら、祖父のインヴィンシブルスピリットからは安定のマイラーが続々登場で、時に中距離型を出す程度。

あのディープ記念の情けない伸びは、血のなせる限界点そのものだったことになる。

加えて、キングマンはもう自身と同型のマイラーを出していて、満を持しての輸入であるシュネルマイスターは、東京で感動のレースを何度か見せているサラキア、サリオス姉弟の近親であるセリエンホルデを母に持っていることで、このコースへの適性を改めて示したことになる。

高速決着はそこまで得意ではないだろうが、結局、ドイツ血統の馬というのは広いコースでノビノビ走らせるとびっくりするほど駆けることはあるということは、よく覚えておいた方がいいだろう。

ブエナビスタも、東京でいっぱいG1を勝っている。

レースラップは3F目から、

33.7−45.3−56.9

ここから34.7秒で覇を競った2頭が、先手を最低一度は取ったピクシーナイト<12着>、人気のグレナディアガーズ<3着>らのバトンを引き継いで、見事に高速のゴールインを決めたことで、凄まじいスピード決着へと転ずることになった。

ファンはよく見ている。

穴人気でスタート後のメイケイエール事故を重く受け止めつつ、池添謙一騎手ならば<牝馬への騎乗も影響したのだろう>、しっかりと彼女の左回り適性を引き出してくれるだろう…、と桜花賞以上の支持をしている。

思った通りに走った。

勝ったと思ったのだ。一度は誰もが。

きっと、ルメール騎手も厳しいゴールシーンは覚悟した。

ただし、そもそものレース展開が、尋常なそれではなかったのである。

あり得ない消え方で多くの競馬関係者、ファン、何なら参戦騎手を戸惑わせたバスラットレオンは、藤岡騎手が初めてビッグタイトルを捉え切った3年前のケイアイノーテックの比ではないほど、スタートで大きなミスをした。

きっと、出過ぎたのだ。

フォームが大きいけれども、スタートも良くて前進気勢が旺盛な類の馬。

キレイにスタートすれば、ピクシーナイトが強気の先行はしなかっただろう。

でも、有力勢の多くが前に行きたいタイプで、誰かを行かせようと策を練ったのに、肝心の目標物が消え去ったのでは仕方ない。

何なら、いつでも前に行かせていただきますというのは、近年の福永祐一、敢えて言うならば、ダービー制覇のワグネリアン以降でちょっとしたブームとしてあって、前日もそれはハマらなかったが、こういう乗り方を選択する手段を敢えて選んでいるようなところがある。

今後もこれはあるが、この日もまた、うまくいかなかった。

先行するタイプも多く、まさかの好位付けホウオウアマゾン<テン乗りの武豊騎手/9着>もかなり邪魔だった。

矢作調教師の福永脅しでもあるのか、ある種の狂気が見て取れたが、本当はこの馬も前向きなタイプ。

こういうタイプが多すぎたのに、グレナディアガーズが朝日杯の時よりずっと前向きで、あの時より自身の通過は速いのに、東京で攻撃的な仕掛け。

大昔にこの時期の東京で、新星・ヤマニンゼファーという素晴らしいスピード型がこの型で安田記念を勝っているが、言わずもがな、彼も若かったとはいえ4歳馬。

G1馬とはいえ、まだまだ若い3歳馬に、この流れを凌ぎ切るスキルなど備わっていない。

フランケルの走ることへの情熱があるからこそ、3着に残れたのだろう。

本当はバテバテのはずだ。

ソングラインの惜しい追い上げは、そのグレナディアガーズマークで進行したから、紅梅Sだとか未勝利勝ちのイメージで乗るなら、これは当然のスパートだろう。

快速のソニンクの一族だから、こういうレースも大いにありだったが、締めるべき男の勝ち運と強かさは、ずっと上だった。

もっと人気薄だと勝てたのか…。カレンミロティックのパターンにハマったが、責めるべきような内容ではなかっただろう。

ツキが足りていないことは、桜花賞と同じ敗因だったという以外に、根拠を示す何かがあるわけではない。

ルメール騎手が復活した。

先週も惜しい星を落とした東京、タフになり切れなかった人気馬との阪神戦があった。

ずっと勝てなかったし、かしわ記念の惜しくも何ともないカフェファラオの残念な結果もある。

序盤勝ちすぎると、おかしなほどに全部自分の味方になるシーンを身をもって経験しているからこそ、4月まではダメだったという結果が多かったが、このハナ勝ちは騎手の実力もある。

動き出すところで、前との差をどう詰めるかは問題であり、ハイペースの経験などないシュネルマイスターだから、いくら血統が好走をアシストする要素に溢れていたとはいえ、難しい挑戦的選択を続けるより他なかった。

現に、サドラーズウェルズ<母父系>らしい勝負所の渋さもあり、牝馬らしい反応のソングラインに完全に置かれたが、鞍上も予測の範囲内の反応であったということだろう。

残り100Mを切ったところから、本質的なハイレベルのマイラーの底力を見せつけた。

シュネルマイスターは言わずもがな、天才だったことになる。

中段の前にいたグレナディアガーズと、自信を完全に取り戻していたソングラインがちょっと頑張った流れに合わせる以上の走りをしたが、しかし、ズブくらいでも本能的反応でG1を勝てる才能を持っていたシュネルマイスターは、縁もあったのか、欧州圏の競馬に親しんだルメール騎手が鞍上としてずっといたという幸運も味方に、最後の最後に弾けた。

単なる底力勝負でも、なたない。

もし、タイムトゥヘヴンのデムーロ騎手が、直線で外に出そうとせず、池添騎手にもう半間くらい追い出す余裕を与えていたなら…。

もし、これも隠れて自信を取り戻していたランドオブリバティが三浦騎手のまま、丁寧に慎重に出していたなら…。

これも含めて、ようやくルメール騎手の無念のメインの呪縛からの解放の時が、ようやく訪れたということなのだろう。

やるべきことを尽くしていれば、結果はついてくる。

奇しくも、上位を競った3騎手は、近10年のダービージョッキーであった。

違った結果があってもいいわけだが、これしか歴史に残らないからこそ、競馬は尊いのかもしれない。

アクシデントこそ

多かったが、大半の馬は力を出し切れたのも良かった。それは先週も同じだ。

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