オークス(優駿牝馬)2019 予想
内枠に有力馬が集中し、ウィクトーリアとラヴズオンリーユーが12、3番枠。
3番コントラチェックはスタートで悪かったということがこれまで一度もないから、ジョディーがガッツを出して最内から猛ダッシュを決めても、不利なことはない。
ウィクトーリアも今度は真ん中から外だし、行きたければ途中から先行勢に加わることは可能。
故に、超スローの展開は今年もない。
近年は、ダービー的というか、テレビ馬は登場しないまでも、このオークスも軽いレースになることはない。
スローでも追い込みは決まることで知られる、道中の消耗も激しいオークスに、楽な展開はない。
速い馬は強いが、有利ではない。
逃げ切りの形をとったイソノルーブル然り、スロー逃げのダイワエルシエーロでも、際どく、世代のトップクラスの牝馬に追い詰められている。
通常、差し馬に有利。
グランアレグリアにいいようにやられてしまったダノンファンタジー以下、路線のトップホースには、今回は巻き返しのチャンスというか、通常の走りをできる舞台になる。
だから、ジュベナイルフィリーズの力関係をここは重視したい。
2歳女王・ダノンファンタジーの末脚に期待する。
正攻法ながら、上がりのスピードはグランアレグリアの方が遥かに速いので、バランスの取れた競馬が得意なダノンファンタジーは、彼女の出てくるレースでは、2度とも、破壊的な時計勝負に持ち込まれ、いずれも完敗。
しかし、それ以外は4戦4勝だ。
それも、自在性を見せながらの快勝。
特殊過ぎる特性のライバルがいるがために、その良さが見事に殺されてきただけのことなのだ。
そんなグランアレグリアとて、牡馬混合のGⅠは2度とも鮮やかなレースをできずに、アドマイヤマーズに完敗。
ディープには色々いるが、ダノンファンタジー今や、南半球の血を有効活用する、北米主観的論理で言う逆輸入の流れは、日本の例外に漏れずの、絶賛採用中の流れに乗った配合。
しかし、その血の中身は、欧米の主要レースにおける名血の集合体であり、主流系統の袋小路化を防ぐ意味合いにおいて、それは重要なファクターとなっている。
サンデーサイレンスもその類で、ファンタジーの母・ライフフォーセールも父ノットフォーセールもアルゼンチンの活躍馬だったが、その組み合わせはカロ系×ニアークティック系なのだ。
ただ癖が強いのは、サンデーサイレンス・ノットフォーセールの中には、5代血統表から外れたところにハイペリオンのクロスが入っている。
ハイペリオンはどこにでも入っているから、ニアークティックの母父であり、ノットフォーセールもカロ以外の主要系は全てハイペリオンの流れ。
サンデーサイレンスはその祖母がハイペリオン同系の3×4を持っている。
ハイペリオンとその仔カーレッドは本家英国の活躍馬。3歳時に輝いた。
ただ、カーレッドのイメージには、その代表産駒であるスワップスと似たようなパワフルなダート系のイメージが強く、日本ではその印象しかないという面もある。
ノットフォーセールはスワップスの4×3。
ナスルーラとハイペリオンは似たような感じのスピード優先型の馬は生き残ってきたから、両方の血をフル活用したセイウンスカイが入ったニシノデイジーがダービーに登場するくらいで、決して、古臭い配合ではない。
地味に母系に入って存在感を示す、21世紀のハイペリオンの在り方は、ノーザンダンサーが絡むクロスが無限の存在することで自然発生する激薄のそのクロスが、全体のバランスを整える役目を果たしているように思う。
実は、ディープの3代母ハイライトはその3×2がある。
ヘイルトゥリーズン系とカロのラインとの組み合わせは、グレイソヴリン系とまで幅を広げると、タニノギムレットもアドマイヤベガもダービー馬であり、代表産駒も牝馬のクラシックホースだ。
ハーツクライだってヌーヴォレコルトとワンアンドオンリーを同年に送り出した。
もっと大きな括りで、ヘイルトゥリーズン系×ナスルーラ系のグランアレグリアが活躍する今年。
そちらはネイティヴダンサーが多く入ったスピード型と出たが、裏に隠し持つエプソムダービー馬・ハイペリオンのクロスによる底上げ効果は、12Fのビッグレースでこそ、主流系統との組み合わせで爆発するはずだ。
◎ダノンファンタジー
○クロノジェネシス
▲ビーチサンバ
注シェーングランツ
△コントラチェック、ウィクトーリア、ラヴズオンリーユー、ノーワン