オークス(優駿牝馬)2024【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧
【レース結果速報】1着チェルヴィニア(4.6倍)2着ステレンボッシュ(2.3倍)3着ライトバック(7.9倍)
レース名 | 第85回オークス(優駿牝馬) |
日程 | 2024年5月19日 |
優勝馬 | チエルヴィニア |
優勝騎手 | C.ルメール |
勝ちタイム | 2:24.0 |
馬場 | 良 |
3連単配当 | 8,060円 |
オークス(優駿牝馬)2024 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ
着順 | 馬番 | 馬名 | タイム | 着差 |
---|---|---|---|---|
1 | 12 | チェルヴィニア | 2:24.0 | - |
2 | 7 | ステレンボッシュ | 2:24.1 | 1/2 |
3 | 14 | ライトバック | 2:24.4 | 1.3/4 |
4 | 2 | クイーンズウォーク | 2:24.4 | クビ |
5 | 18 | ランスオブクイーン | 2:24.4 | ハナ |
単勝 | 12 | 460円 |
複勝 | 12 | 140円 |
複勝 | 7 | 110円 |
複勝 | 14 | 190円 |
枠連 | 4-6 | 640円 |
ワイド | 7-12 | 260円 |
ワイド | 12-14 | 760円 |
ワイド | 7-14 | 380円 |
馬連 | 7-12 | 590円 |
馬単 | 12-7 | 1,300円 |
3連複 | 7-12-14 | 1,690円 |
3連単 | 12-7-14 | 8,060円 |
オークス(優駿牝馬)2024 - レース後コメント(騎手/厩舎)
「ただいま! 今日はもちろんすごくうれしく思います。皐月賞と桜花賞はミスした(間に合わなかった)ので、オークスとダービーは頑張りたかったです。チェルヴィニアで勝つ自信はありました。
前走での彼女の競馬はあまり良くなかったですが、彼女のポテンシャルは高いと思って、自信を持って乗りました。1600mで優勝していましたし、今回は2400mだったので、最初は『軽い騎乗』がしたかったです。3、4コーナーまで我慢したかったです。直線はすごく良い脚で伸びてくれて、本当のチェルヴィニアを見せてくれました。
(自身は)怪我をしましたが、関係ないですね。騎手の生活にはあることです。藤岡康太騎手と、康太騎手の家族はもっと大変でした。僕の怪我は関係ないです。
今日応援をしてくれた、多くのファンの皆さん、ありがとうございました。自信がありました。すごく良い結果を出すことが出来ました。また、来週のダービーも応援してください」
※優勝したC.ルメール騎手のコメント(チェルヴィニア)
オークス(優駿牝馬)2024 - レース結果動画(YouTube)
オークス(優駿牝馬)2024 - 回顧
ハービンジャーの娘は最近よく走っていたが、前日のメインを、同じ木村厩舎の馬で制していたルメール騎手=オークスでは戸崎騎手と組んで5着だったプレサージュリフト であるから、何とも、予祝も派手な具合に決めていたことになる。
母チェッキーノもその母であるハッピーパスもオークスに出ている良血。
ハッピーパスは名牝10勝馬のシンコウラブリイの半妹であり、これが外国産馬であるために、2歳女王決定戦では対戦できたニシノフラワーとのクラシックでの名勝負は演じること叶わずとも、30年も経て、自分の子孫は大繁栄とまで行かずも、ハッピートレイルズを経た一大勢力が、悲願を叶えたことになる。
サンデーサイレンスの入った馬は、毎年のようにクラシックを勝っているが、母母父のラインに入った馬が、ワンツーを決めた。
エピファネイア産駒のデアリングタクトと同じで、キングカメハメハ×サンデーサイレンスの良血牝馬がオークスを制したというのも、前途が再び開けたようなところもある。
母になれば、確実にいい産駒を出すと思われていたチェルヴィニアは、名牝として、新たなるオークス伝説をこの2024年の優勝から、長い時間をかけて繰り広げていくのかもしれない。
ハービンジャー産駒がクラシックを制したという喜ばしい展開。
木村厩舎もシンコウラブリイ一族も、G1を勝って不思議はない背景を備えていたが、あの桜花賞がある。
というよりも、阪神ジュベナイルフィリーズに出られなかったところから、ドバイでの大けがで、ルメール騎手が乗れないことが、ドバイワールドCの前に決まってしまったところで、全体的な不安が厩舎内を覆っていたかのように、レガレイラにも影響が出てしまったような部分もあった。
その翌週が、あの阪神の事故である。
ルメール騎手は、知り得る限りの語彙をフルに活用し、自分が合同葬に出られなかったこともあって、敢えて、自身の事故にも触れられることを逆手に取るように、藤岡康太騎手を悼んでいる。
あくまでも、日常の中の出来事である、とでも言いたそうな口ぶりで、自らに降りかかった不幸については、そこまで大げさにリアクションをしなかった。
NHKマイルCの日に復活で、皆は喜んだのだが、どことなく、よくある悪い空気がサークル内を包み込む状況も理解したのか、どの騎手も抱える漠然とした不安の中で、これほどの名手でも呑み込まれたかのようなところもあった。
ライバル・川田将雅に完全に封じ込まれたあのマイルCは、騎手心理や本質的な進路取りのスタンスを逆手に取られた、見事なまでの負け試合の流れであったから、あわやの大事故になりかけてしまったようなところがある。
蘇るのはもう少しかと思われたが、先週は見せ場十分のヴィクトリアマイルだった。
勝ち星も絶望的な差を川田騎手につけられてはいない。
不安がある時こそ、危ないだろうと思える場面は除き、変に退いては、かえって危険であることを改めて知らしめられた、ライバルからの刺激十分なプレッシャーが、願えば叶うというように、絶対に乗りたかったオークス、ダービーでの騎乗へと繋がり、その中で、加速的に思い出されることとなった様々な勝利のプロセスに関するあれやこれやを、完全復元させていったのだろう。
もう、いつも通りに憎たらしいほどにスマートの馬を駆るクリストフそのものだった。
ライバルはいの一番に、まずは自分も乗っていたステレンボッシュが挙がる。
この馬よりもスパートするタイミングを後ろにずらしても大丈夫という確信があったかのような、直線での大外進行は、57.7→63.4という少し乱暴な前傾が、想像よりも少し偏りのある形で発生したので、終いのレース上がりは、一騎打ちとなったトップフィリー同士の脚と同義で、11.5→11.4秒で、レースそのものが上がっている。
極端な上がり勝負でもないが、いずれも、例によって、後方待機グループによる上位争い。
掛かる懸念しかなかったライトバックにちょうどいい感じの流れになったような末脚比べは、ほぼ人気順の結果を演出。
やけに粘ったランスオブクイーンは、桜花賞を前にクラシック断念のダート馬として輝きを放つことになるチェリーコウマンの孫娘らしい根性を見せて、これと正攻法のクイーンズウォーク、スウィープフィートなどとの4頭ほどの掲示板争いに加わるのが精いっぱいだが、結局、終いで決め手を繰り出せない馬は苦しいレースで、この脚は本物。
秋華賞では面白いが、正攻法で今度は戦いたい。
そうした中で、実質、2強の展開を決するシーンが、そうしたレース特性を理解した上で、それぞれの個性がどういう形で結果に影響を及ぼすのか、名手が考えつくした上で、戸崎騎手はインを進行した。
何も悪くはない。前は相変わらず残りやすいし、差しも極端に決まる6月のような東京の馬場状態ではなかった。
ただ、ダービーもそうなのだが、勝っている者とそうでない者とでは、大きな差が出やすい舞台でもある。
いくらか前走ほどの迫力まではなかったステレンボッシュに対し、上がり目ばかりだったチェッキーノは、ルメール復活を祝うためでもあったかのように、出来る限りの策を尽くし、ベストまでは至ってないのだろうが、状況的には最高のリカバリーは果たせたようなところがある。
そうしたところで、これでオークス4勝目となるルメールと、チェッキーノテン乗りでも主戦だった前年のルージュバックでも2着だった戸崎…、という部分が、わずかな勝負運の面の差として、結果を左右した部分がある。
ハイペースをロスなく捌くというような上がりの掛かる勝負ではないが、必ず、前に馬がいるケースがある。
一方、少しズブなところもあったりするチェルヴィニアは、外から動かしていけば、自分が手綱を執って圧勝したフローラSのチェッキーノのような脚を使える。
両者、思惑通りに事を運べたようにも思えたが、結果は、外から脚を使わせる、オークスらしい、これがこのレースの正攻法という直線一気策が、普段通りに決まったのである。
武豊も下げる以外の理由はないから、下げたのだが、桜花賞ほどの弾け方ではなかった。
強かったと思わるような結果が、オッズの配分という感じで、数字面で事前に明らかになっていたようなこのレースも、桜花賞やその前のジュベナイルフィリーズから続く、ステレンボッシュ中心のクラシック王道戦線の底力勝負を物語るような結果。
一方、攻めの手で成功した伏兵好走の型を持っていたデムーロ騎手のタガノエルピーダは、小柄な割に、胴が詰まった体型の特性通りというか、策は正しかったが、ペースがあまりにも流れ過ぎたことで、川田騎手あたりに利用されてしまったようなところもあった。
16着。
潰したのは間違いなく、前のペースを無視しながら、レース展望を参加者の中でいち早く読み取った川田将雅である。
溜めたいところで動かしていくような圧をかけていた。
勝負はその時点で、人気2頭のためのオークスになる事が決まっていた。
揉まれる結果で終わるのだけはやめておきたかったクイーンズウォークも、力は見せている。
秋を見据えた力技…。
川田騎手はもう、目の前のレースのことだけを考えるような、焦りが無駄に馬のダメージを与えるような乗り方は絶対にしない。
桜花賞上位人気馬は4番人気まで、その次のレースでG1掲示板の乗ったことになる。
ライトバックは連続3着。
上位は揺るがないが、ハイレベルがあるが故、ステレンボッシュにわずかな隙が生まれたように、ライトバック以下、キズナの娘などにもチャンスが出てくるだろう。
ああ、忘れていた。
ルメさん、おかえりなさい。
今日も素晴らしい、イージーライドでしたね。
本当は難しいことをいとも簡単にやりこなしているだけなのに、それをまた見せませんでしたね。
木村厩舎の復元力も含め、日本競馬の中心にあるものがよく見えてきたオークスでもあった。