桜花賞2016 展望
考え方は二つ。
順調に2歳女王が調整されたと仮定して、その相手を探すのか、飽くなき挑戦意欲を駆り立てられて、最高のパフォーマンスを発揮するだろう刺客Xを選び出すのかの選択。
前者を選べば、五指に余るとかではなく、同格、もしくはそれに準ずる力のある馬がいたのであれば、ただそれを選べばいいわけで、もしそれがいなかった場合の方がずっと難しい馬券検討になるといった具合か。
一方、最初から狙い目の限られる後者の場合、血統なりここまでのレースぶりなりに、本当の意味での能力発揮が桜花賞であったり、今後にその可能性を秘めている未知の魅力が問われることになる。
未知と限定するのは、
「メジャーエンブレムのスピードとの比較」
というファクターが、他の馬には到底及ばないそれであることを既に実証されてしまったからだ。
クイーンCの1:32.5は、春の東京で5月ごろから発生する高速決着が頻発する様な馬場状態の中で出てきた標準サイズの数的根拠ではない。
数多のGⅠ馬が駆け抜けた舞台でありながら、レースレコードが1:34.0のレースで打ち立てられた異常な時計である。
それも、歴代の名牝たちのように、ゴール前は余裕を残しての勝利。
「過去にもいない馬を負かすことの意味」
重大なことである。
考えもしないような怪我をする可能性もあれば、最近よく見かける、大一番でいつも出遅れる馬になってしまう可能性ももちろん否定はしない。
ただ、見えてしまったものがある以上、かつてのウオッカのようなマイルでこその馬のポカに期待するほど、ダイワスカーレットのような隙のないライバルはいないと分かってしまったのだから…。
チューリップ賞の結果は、人気にほぼ沿った形。ジュエラーが普通の競馬をすると、他のディープとも互角くらいだとわかったから、戦法は差し一手で確定だろう。
シンハライトも似た感じ。逆転は3着のラベンダーヴァレイとか、体重V時回復時のレッドアヴァンセ。週末のトライアルは期待薄で、あとはフラワーC連対馬くらいだろう。
チューリップ賞の1:32.8は強烈でも、反動の出やすい接戦の好時計決着で要注意だ。