桜花賞2017 展望
チューリップ賞を見て、これで終わったと思った人、大多数といったところか。
今更ながら、ワールドワイドな活躍を期待させる世界的血統馬・ソウルスターリングは、故障や道中の接触や不利でもない限り、基本的に桜花賞で負けることは想定しづらい状況にある。
完全ドイツ血統ながら、フランスの牝馬主要競走で立て続けに勝ち星を重ねていった母スタセリタは、父モンズーンの祖先スウィンフォードの流れを再度重要戦における価値ある血統とする役目を担い、当たり外れの多い血脈ながら、10勝することでその地位を確固たるものにして見せた。
父はよく知られる、快速フランケル。
デインヒル血を受けてスピード化に成功したサドラーズウェルズ系は多いものの、ヨーロッパのマイラーは鈍足が多く…、のイメージを主要競走が多く組まれた2000M路線への転戦で、ついに負け知らずのまま現役を退いたことに、今のソウルスターリングの勢いがそのまま転写されているようにも感じる。
父のようでもあり、母の良さも受け継いだこの才能は、早くも牡牝の壁を遥かに超えてしまったところにまで昇華し、英・仏へのご恩返しをする段取りを考え始める時期に差し掛かったと、陣営を急かすほどに成長を遂げた。
話題の大半がスケールの大きすぎる話になっているから、ちょっと前のハープスター現象のような使い減りの懸念は、穴党のチャンスともなり得るのだが、その時の失望たるや、前例の比にあらず、である。
真っ向潰すのも手だが、猛ペースでは馬が勝手に正しい好位置を選択して走る可能性もあり、協力体制は不可欠だ。
アドマイヤミヤビには競り落とせる能力を唯一感じさせるが、父ハーツクライは彼の日のキングジョージで、仕掛けを遅らせて追い込むも、ソウルスターリングと同系のハリケーンランの有り得ない差し返しに、その壁の高さを感じる敗戦を喫している。
ジュエラーのような、もはや死んだふりの策によってのみ、逆転の芽はある。
スピード勝負でいけそうなのはフィリーズレビュー組。カラクレナイは当然として、意外と貧弱ではないとそこで証明したジューヌエコールか。時計勝負で。