桜花賞2021【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着ソダシ(3.6倍)2着サトノレイナス(3.3倍)3着ファインルージュ(15.3倍)

レース名第81回桜花賞
日程2021年4月11日(日曜)
優勝馬ソダシ
優勝騎手吉田 隼人
勝ちタイム1:31.1(レコード)
馬場
3連単配当10,400円

桜花賞2021 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
14ソダシ1:31.1 -
218サトノレイナス1:31.1クビ
32ファインルージュ1:31.21/2
45アカイトリノムスメ1:31.3 クビ
510アールドヴィーヴル1:31.83
単勝4360円
複勝4140円
複勝18130円
複勝2350円
枠連2-8520円
ワイド4-18290円
ワイド2-41,030円
ワイド2-18950円
馬連4-18670円
馬単4-181,280円
3連複2-4-18 2,660円
3連単4-18-210,400円

桜花賞2021 - レース後コメント(騎手/厩舎

「最高に気持ちいいです。プレッシャーはありました。話題だけで本当に強いのか?と見られていたので、見返してやろうと思っていましたし、実力をつけて馬が成長してくれていると思います。おりこうさんに競馬ができていて、今後のローテは未定ですが、先は無限大にあると思います。(クラシックは)ジョッキーになって挑戦することはありましたが、これだけの馬で挑めたのは光栄ですし、結果を出せたのは財産になります。これからも期待を裏切らないよう、人馬ともにがんばります」

※吉田 隼人騎手のコメント(ソダシ)

桜花賞2021 - レース結果動画(YouTube)

※実況レース映像

桜花賞2021 - 回顧

 

「勝ちタイム:1:31.1」

「白毛馬によるクラシック制覇<空前絶後の無敗での達成>」

「3か月以上の休養明けとなった3頭の上位独占」

その他のファクターも限りなく多く、勝ち馬と同じ一族のステークスウイナーと共に覇を競うクラシックとなった点でも、超メジャー牝系とまではいかないシラユキヒメの一族だったから、その評価も再度大きく跳ね上がるのような一戦となった。

ちなみに、その相方であったメイケイエールは、前走の敗因になりかけた馬に囲まれる環境への対応力の課題が、恐らくは、隣の馬の動きで進路を最初塞がれたことで、接触でもあったかのような反応で、自身の燃えやすい性質に火に油を注ぐような格好で、悪い面ばかりが出てしまった印象。

セパレートにレースをすることをルールづけられていないから、そういう環境は新潟の1000Mコースにもないとしたら、もっとロケットスタート決めるしかないとなる。

色々と解決しなければならないことは分かったが、課題を見つけることと、それを明確化することに対する理解があった横山騎手は、その後の展開を予期して、今日はよく頑張ったと途中棄権の形をとった。

まだ可能性は残されている。無論、それはクラシックレースではないが。

同族のソダシは、それに対して己への過信は全くない。

ゲート難はあったとしても、スタートも決め、決して3歳牝馬には楽ではない、

45.2-45.9→1:31.1

という激しい継続ラップを正攻法で乗り切り、直線半ばでは完全独走の妄想まで抱かせたから、人気馬とて、これは痛快。

誰よりも目立つことで、大一番ではマークの対象となりやすい色が白い芦毛や稀に登場の白毛のトップホースたちは、きっと、その形を嫌う人間の側が走らないと決め付けたことに対し、ずっと反発の機会を窺っていたのかもしれない。

そうしたところで、正攻法の桜花賞制覇。その価値は別格だ。

吉田隼人も然り、ソダシもまた同様。

昨年のデアリングタクトの派手さとは異なる、まるで対極の優等生的競馬は、自身の能力だけでなく、その育った環境も影響しているのだろう。

デアリングタクトとはその点は同じ。素晴らしい仕事をした結果、然るべき舞台に立ち、結果まで残したソダシを、もう誰も客寄せパンダだとは言わなくなった。

ここ数年の桜花賞は、異常レベルの才能を誇った天才少女たちのフェスティバルだったわけだが、最も安心してみていられる競馬に、誰もがアンチであることを恥ずかしく思ったのである。

人間の業は、変な形で授かった国民の税金のおかしな再配分を見れば、とても他人の罪を責められないとなる己たちを見れば火を見るよりも明らかだが、そういう関係者こそが、このソダシに学ぶべきである。

彼女にこそ、持続化給付金をあげたい。

きっと、豊かな発展を遂げるだろうシラユキヒメ系の基礎繫殖牝馬として、メイケイエールと共に大いなる遺産を作ってもらうための投資金には足らないが、勧善懲悪の視点からとらえた時、そこに正義は存在する。

とは、勝手な意見だが。

妙に詰め甘の性質が出つつあるサトノレイナスは、期待以上に走っているが、きっと、阪神のマイルで総合力勝負は歓迎でも、血統の構成からして、根幹距離の時計勝負はあまり得意ではないはず。

そのディープインパクト産駒らしいフォルムが可能にする、末の持続力は、前日のデゼルや同厩のマジックキャッスルと同じなのだが、ギアが軽すぎるのか本当はもっと鈍重なのか、よくわからない。

後述の血統比較でその顕在化を試みてみるが、みんな思っているほど、南米育ちの牝系は単純ではないのだろう。

後に寸胴さが際立っていったダノンファンタジーが敗れたレース。

同じ配合の母父ノットフォーセイルだから、勝てなかった理由はきっと同じである。

出来はともかく、ソダシよりもいい意味で調子にメリハリをつけられそうだから、高速決着になりすぎないオークスであれば、まず崩れない。

ここはダノンファンタジーと違うだろう。

ファインルージュも内から伸びて、流石に細いと思ったアカイトリノムスメも、本格化はまだずっと先のように思えたアールドヴィーヴルも突っ込んできていた。

ただ、大外を突くしか策のないサトノレイナスと、もっと理想の形にハメ込めた面々とでは、少しキャリア構築の中でギャンブルがここまでなかったからこそ、真の底力を繰り出せたかと言えば、きっとそれはない。

伸びしろはあるが、桜花賞は翌週の皐月賞同様、世代の力関係を如実に示すことが常の基準競走。

ここで力を出せないならば、もっとイレギュラーな場面だとか、もっと先にその在るべき舞台が存在するとなるが、3番手から上がり33.8秒を繰り出す現女王に、迫力の違いを見せるにはうってつけの舞台で、それを退けたのだから、オークスの候補を違うところから探すのが、穴党の責務。

こういうハードな展開の時ほど、負けている方が反動が出ることはよく見られる傾向。

傷口に塩を塗るのが、高速馬場の死角であり、最大の欠点なのだ。

見た目にもよく知られ、また一族の発展が手に取るようにわかる良血の2頭だが、本質はスピード勝負歓迎のソダシと、サンデーサイレンス系らしい運動能力で多部門のタイトル争いに加わる才能に長けたサトノレイナスとで分かれるだろう。

見た目のフォルムも、それぞれの血の中では完璧に近い形で、ある意味ではらしくないが、馬体の専門家らの意見を交えても、ケチをつける評論など一度も聞いたことはない。

最初からある程度のところまでできていたのは事実だが、スピードベースの本質を地で行くソダシは、見た目が真っ白でよくわからない点もあるのだが、サンデーサイレンスを母母父に持つことをここまで出せるヴァイスリージェント系<ノーザンダンサー>×キングカメハメハ<キングマンボ系>というのは、違うラインながら、ハービンジャー×キングカメハメハ×フジキセキのブラストワンピースとは、その本質から何から何まで違う。

馬体がもっと大きく出ても不思議はないが、バランスが整って、牝馬らしさも決して備えていないわけではない、理想に近い加速後の持続力も中距離対応可のものがあるソダシは、ダート型のようで全くそう見せない芝でのレース振りで、完全に一昨年の覇者・グランアレグリアとそっくり。

血統的解釈は分かれるはずでも、突き詰めていくと北米圏のダート型をスピードを凝縮して、サンデーサイレンスで爆発させた血統構造からも、総合力の価値観は人それぞれとしても、バランスのサトノレイナスに対し、スピード勝負での台頭が存在価値に関わるソダシには、この2戦は運もあったのだろうと思う。

見た目は何となく大丈夫そうな血統構成でも、先週の大阪杯のような馬場だともっと苦戦だったか。

サトノレイナスはスピード比べよりも、末脚で他を切り捨てる中距離仕様の見た目にも性質的に、オークス<3歳の中距離戦向きの意>に合うタイプなのは間違いない。

しかし、連敗癖は母母父にテディ系でダマスカスの血の入った現種牡馬のキズナと似ているから、軌道に乗っているようで、適鞍探しにまだ奔走中のような雰囲気。

南半球はチリもアルゼンチンも快速決着が多いとされるが、北米血統が買いたたかれたような血の影響が、オセアニアや南アフリカの構造とやや違うからとも言える。

単純なスピードで北米型のソダシにはなかなか敵わない。

差せるディープらしさを体現したいサトノレイナスは、久々の東京で本気を出した時、輝けるかどうかが、本当のこの配合の価値と関わってくる。

短い距離に合いそうな気配だが、サトノレイナス自身、ソダシが繰り出すスピード能力についていくのでやっとだったように思える。