大阪杯 予想

大阪杯を予想!

古馬の芝中距離戦線に適性のある馬向けのG1になったのは、つい最近のこと。
G2競走として、春の天皇賞の前哨戦として、その後行われる安田記念や宝塚記念に向けた足ならしのレースとして、様々な目標を設定している陣営に重宝がられていた主要競走が、
出走馬のレベルアップとアジア圏を中心とした中距離G1の需要拡大に伴う空洞化を防ぐ目的で、G1にとりあえずしてみたというのが、真相なのだろうと思います。
また、ドバイの芝G1と丸被りの開催時期と距離設定であるので、アレはいないけれど、コレはいるのかという状況になりがちですね。

G1昇格後の大阪杯の主な勝ち馬

開催年馬名備考
2017年キタサンブラック顕彰馬に選出
2018年スワーヴリチャード翌年にジャパンC制覇
2019年アルアイン前年は3着で2017年の皐月賞優勝馬
2020年ラッキーライラック2017年の2歳女王、前年のエリザベス女王杯勝ち馬

大阪杯の特徴

コーナー4つの2000mという古馬にはライトな条件であることから、仕掛けのタイミングが自在の先行型に有利な面は、直線の短さも影響してか、G1昇格後はことさら強調されている面があります。
3コーナーでいつでも先頭を伺えるポジションの馬しか勝っていないので、そろそろ差し馬が来そうな気配もしないわけではないですが、
G2時代より明らかに出走頭数が増えているので、例外がない限り、この傾向は定番化して不思議ではありません。

大阪杯の歴代優勝馬

 1着馬性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 3着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2011年
ヒルノダムール
牡4
57
藤田伸二
1京都記念③
マンハッタンカフェ
ダークシャドウ
牡4
57
福永祐一
81000万<1>
ダンスインザダーク
エイシンフラッシュ
牡4
59
内田博幸
3有馬記念⑦
キングズベスト
<2012年>
ショウナンマイティ
牡4
57
浜中俊
7大阪城S②
マンハッタンカフェ
フェデラリスト
牡5
57
横山典弘
1中山記念「1」
エンパイアメーカー
トーセンジョーダン
牡6
58
岩田康誠
2有馬記念⑤
ジャングルポケット
2013
オルフェーヴル
牡5
58
池添謙一
1ジャパンC②
ステイゴールド
ショウナンマイティ
牡5
57
浜中俊
2京都記念③
マンハッタンカフェ
エイシンフラッシュ
牡6
58
C.デムーロ
5有馬記念④
キングズベスト
2014
キズナ
牡4
58
武豊
2凱旋門賞「4」
ディープインパクト
トウカイパラダイス
牡7
56
柴山雄一
6中日新聞杯⑤
ゴールドアリュール
エピファネイア
牡4
58
福永祐一
1菊花賞【1】
シンボリクリスエス
【2015年】
ラキシス
牝5
55
C.ルメール
4有馬記念⑥
ディープインパクト
キズナ
牡5
57
武豊
1京都記念③
ディープインパクト
エアソミュール
牡6
57
M.デムーロ
6アメリカジョッキークラブC③
ジャングルポケット
2016年<ここまでG2産経大阪杯>
アンビシャス
牡4
56
横山典弘
2中山記念②
ディープインパクト
キタサンブラック
牡4
58
武豊
5有馬記念③
ブラックタイド
ショウナンパンドラ
牝5
55
池添謙一
4ジャパンC①
ディープインパクト
2017年<ここからG1>
キタサンブラック
牡5
57
武豊
1有馬記念②
ブラックタイド
ステファノス
牡6
57
川田将雅
7金鯱賞⑥
ディープインパクト
ヤマカツエース
牡5
57
池添謙一
4金鯱賞①
キングカメハメハ
2018年
スワーヴリチャード
牡4
57
M.デムーロ
1金鯱賞<1>
ハーツクライ
ペルシアンナイト
牡4
57
福永祐一
6中山記念⑤
ハービンジャー
アルアイン
牡4
57
川田将雅
2京都記念「2」
ディープインパクト
2019
アルアイン
牡5
57
北村友一
9金鯱賞<5>
ディープインパクト
キセキ
牡5
57
川田将雅
2有馬記念<5>
ルーラーシップ
ワグネリアン
牡4
57
福永祐一
4神戸新聞杯
ディープインパクト
2020年
ラッキーライラック
牝5
55
M.デムーロ
2中山記念②
オルフェーヴル
クロノジェネシス
牝4
55
北村友一
5京都記念「1」
バゴ
ダノンキングリー
牡4
57
横山典弘
1中山記念
ディープインパクト
「2021」レイパパレ牝455川田将雅4チャレンジC①ディープインパクトモズベッロ牡557池添謙一6京都記念⑧ディープブリランテコントレイル牡4
57
福永祐一
1
ジャパンC②
ディープインパクト
2022年ポタジェ牡557
吉田隼人1金鯱賞(G2)ディープインパクトレイパパレ牝555
川田将雅3金鯱賞(G2)ディープインパクトアリーヴォ牡457
武豊7小倉大賞典(G3)ドゥラメンテ
2023年ジャックドール牡558武豊2香港C⑦モーリススターズオンアース牝556C.ルメール1秋華賞③・阪神ドゥラメンテダノンザキッド牡558横山和生10中山記念⑪ジャスタウェイ
2024年ベラジオオペラ牡4
58横山和生2京都記念②ロードカナロアローシャムパーク牡558戸崎圭太3香港カップ⑧ハービンジャールージュエヴァイユ牝556菅原明良11京都記念⑧ジャスタウェイ

良は無印・○は着順/<稍>「重」【不良】

大阪杯の過去10年データベース

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気4回2回2回2回33%50%67%
関西馬10回8回9回65回12%22%33%
関東馬0回2回1回29回0%6%9%
1着(有馬記念組)0回0回0回1回0%0%0%
2着(有馬記念組)1回0回0回0回100%100%100%
3着(有馬記念組)0回1回0回1回0%50%50%
4~8着(有馬記念組)2回1回4回3回20%30%70%
9着以下(有馬記念組)0回0回0回8回0%0%0%
1着(ジャパンC組)1回0回1回1回33%33%67%
2~3着(ジャパンC組)1回1回1回3回17%33%50%
4~7着(ジャパンC組)0回0回0回4回0%0%0%
8着以下(ジャパンC組)0回0回2回4回0%0%33%
前走が金鯱賞1回0回0回2回33%33%33%
前走が中山記念0回1回1回2回0%25%50%
前走が京都記念0回2回0回4回0%33%33%

はっきりした傾向で、馬券になった関東馬が2020年に久々登場という有り様。
理屈は単純で、並行して開催の中山で中山記念も前週には日経賞もあって、ドバイ・香港・安田記念か宝塚記念、
この4つのレースを目指すための適鞍でもなく、春の天皇賞に関東馬のステップには不適当という理由も加わって、使いたいレースになっていないからです。

やんわりとした傾向であって、当然、秋の天皇賞やマイルチャンピオンシップを使っていた馬が主役になるレースではあるのですが、
コース形態が似ている有馬記念の実績で買うくらいなら、スピードレースの側面も持つジャパンCの好走馬の方が、幾らか買えるというだけのこと。
G1馬の始動戦にもなるレースなので、本気度と実力の兼ね合いで、今後は色々な展開が待っているでしょうから、これは話半分でよろしいかと。

大阪杯 攻略のポイント

簡単に言うと、G1馬しか勝っていないということ。
そうじゃない馬も、G1で何度も上位人気推されて、惜しいシーンくらいは見せていることが条件であるから、G12着が最高のスワーヴリチャードも1番人気で強い勝ち方をしています。
いずれ、そんなスワーヴよりキャリアも浅く、期待以上に走る馬が登場するでしょうが、強烈な時計勝負にはなりづらいコース形態なので、
実力のあるこうしたレイアウトの重賞レースの活躍馬から狙う以外、お勧めできる方法を挙げることはできません。

大阪杯2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

大阪杯2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切りの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第69回大阪杯 (G1)
グレード重賞(G1)
日程2024年4月6日(日)
発走時間15時40分
開催場所阪神競馬場
距離芝2,000m
コース右回り
賞金2億円
レコードタイム1:57.2

2025予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定前)

大阪杯2025の予想オッズと登録馬

出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気
シックスペンス横山武史牡458.04.71
ステレンボッシュJ.モレイラ牝456.04.82
ベラジオオペラ横山和生牡558.05.53
ロードデルレイ西村淳也牡558.06.94
ジャスティンパレス鮫島克駿牡658.013.8 5
エコロヴァルツM.デムーロ牡458.013.96
ヨーホーレイク岩田望来牡758.014.67
ホウオウビスケッツ岩田康誠牡558.016.78
デシエルト○○牡658.019.59
ソールオリエンス松山弘平 牡558.023.710
ボルドグフーシュ吉田隼人牡658.032.7 11
コスモキュランダ丹内祐次牡458.037.312
キングズパレス浜中俊牡658.043.1 13
アルナシーム横山典弘牡658.048.414
ラヴェル北村友一牝556.057.115
バビット○○牡858.084.816
カラテ和田竜二牡958.0269.617
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬4回2回3回12回19.0%28.6%42.9%
先行馬8回9回7回50回10.8%23.0%32.4%
差し馬5回5回8回73回5.5%11.0%19.8%
追い込み馬5回4回2回63回4.2%9.7%12.5%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠0回2回0回22回0.0%8.3%8.3%
2枠0回0回3回22回0.0%0.0%12.0%
3枠3回5回1回20回10.3%27.6%31.0%
4枠3回1回2回24回10.0%13.3%20.0%
5枠5回3回3回24回14.3%22.9%31.4%
6枠3回2回4回29回7.9%13.2%23.7%
7枠3回3回3回29回7.9%15.8%23.7%
8枠3回4回4回28回7.7%17.9%28.2%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト25回21回22回119回13.4%24.6%36.4%
ドゥラメンテ18回12回10回66回17.0%28.3%37.7%
キズナ17回12回13回76回14.4%24.6%35.6%
ハーツクライ16回19回13回85回12.0%26.3%36.1%
ルーラーシップ12回13回15回116回7.7%16.0%25.6%
キングカメハメハ12回12回4回43回16.9%33.8%39.4%
ハービンジャー10回12回10回95回7.9%17.3%25.2%
エピファネイア8回4回6回47回12.3%18.5%27.7%
オルフェーヴル8回1回6回46回13.1%14.8%24.6%
ロードカナロア7回8回22回98回5.2%11.1%27.4%

大阪杯2025 - 過去10年のデータ傾向

未だ、キタサンブラックに続いたものはほとんどいない

武豊贔屓ではないことを示すように? 2017年からG1に昇格したこのレースを最初に制したのは、前年、モーリスとの争いに少し遺恨を残す形での年度代表馬への選出となったキタサンブラックの5歳春緒戦を勝ったとも言い換えられる、武豊騎手であった。
以降、有馬記念でキタサンブラックの引退レースに挑戦していたスワーヴリチャードに伝えられた帝王学のようなものは、少しだけ通用したという捲りでの異例の勝ち方はあったものの、コントレイルやスターズオンアースといった、秋も活躍する大物が見事なまでの不発に終わり、謎めいた結果を演出などもあったが、エフフォーリアやその前のブラストワンピースなどのように、大型のグランプリホースは見事に粉砕される傾向だから、この手の馬が今年はいないということでも、適性に着目するのが筋。
ただ、皐月賞でも好走していたタスティエーラの惨敗など、年明け初戦特有の難解さは、どうしても結果に大きな影響を与える。 年明け2戦目の1番人気馬は、1、3着と、2例とも馬券内。 調子がどうしても2戦目で狂いがちだったダノンキングリーは、翌年に安田記念をぶっつけで勝利している。 が、それでも3着。 速く走れる馬に有利なレースの性質はあっても、それが繰り出せないと苦しい。 無難なローテを取った組が、せめて、前走勝ち馬に肩入れするのが、本命党の役割だが、成功率は低い。

中山記念はこのレースの前哨戦に向いていない

コース形態は西の本流のトライアル的一戦とできる金鯱賞よりも、ずっと、小回り適性をより求められるという点で、一見すると、かなり有利なのだが、ドバイや香港、場合によってはオーストラリアなども見据えた馬もいれば、安田記念もヴィクトリアマイルも…、という、いかにもアイリッシュチャンピオンSに似た、総合的な観点で、その後の進展が望めるという上級のG2であるがために、必ずしも、その中から、本物が出てくるという保証がない。
ダービー2着も、1800重賞3勝のダノンキングリーは、鞍上の手腕も含め、かなり期待はされたものの、あっさりとラッキーライラックに逆転を許し、本物になれる機会を失ったまま、一旦、低迷期に入る。 そのラッキーライラック以外は勝っていない。
間隔も中4週でベストに近いが、不安材料の多いシックスペンスには、ダノンキングリー以上の死角がある。 そもそも、叩き2戦目の経験がない上に、初の関西圏への輸送。 わざわざ、ここから狙う気がしない上に、ルメール騎手が乗ることはほぼあり得ない日程であったから、当然の鞍上変更。 武史よ、父を超えてみろよ、などと言っても、馬が走らなければ意味がないのである。 評価に困る。 負けていても案外という結果も多く、勝ち馬のみ評価される今年は、別路線組を買いたいとなる。

本流の金鯱賞も連勝は至難の業

スワーヴリチャード、アルアイン、ポタジェなど、そこそこのメンバーが集まった年の金鯱賞の組は、かなり強い。 一方で、ディープ産駒の2頭は、いいレースができなかった後に、回りも展開も違う本番で一変という感じ。 確かに、いくらか左回り向きと感じさせない雰囲気があったので、スワーヴリチャードが強引に連勝したのとは対照的に、少し、キャラの選定もしておきたい。
かなり特殊な展開で、ホウオウビスケッツが最先着馬とされる今回、例によって、消耗しすぎると、ローテの間隔問題がもろに影響して、連チャンはまず苦しいという傾向。 連続連対馬は、スワーヴリチャードとレイパパレしかいないので、敢えて買うなら、逃げたデシエルトか、結局、小回りが合いそうな小倉デビューのラヴェル<諸々かみ合わず、走り切れなかった印象>などが面白い。 ホウオウビスケッツやキングスパレスは、行ったら、もう少しそれらよりもローカル指向が強いように思う。 本場でのG1だけに、ここらは意外なほど、結果に大きく関わることはある。

ダメ元で押さえたい、まるでここまで縁のなかった中山2000超重賞組

有馬記念の組は菊花賞馬が2頭絡むという怪しいところも手伝って、もっと適性のありそうだったブラストワンピース<夏に札幌記念を制して渡仏>、エフフォーリア<ついに完調に戻らず、3歳で燃え尽きた天才>らが消えたことの方が、インパクトがあったので、その調子に見ていくと、中山記念の組が狙いづらいのであれば、アメリカジョッキークラブCも金杯も、当然、ステイヤーズSなんて当たり前で…。
こうした組は、京都記念や阪神大賞典、日経賞などの持ち場で力を見せることはあっても、次が安田記念という馬にも、本流の宝塚記念へ向けたステップにも重宝されるレースだからこそ、天皇賞に適していそうなキャラはあまり来ないというのが定説で、距離はフィットしそうでも、アメリカジョッキークラブC組は、ミッキースワローも追い込んできただけの結果に終わり、これが負けていたのに好走だったからこそ、完敗に終わったダンビュライトを本番で逆転した点に着目し、繋がらないということであるなら、その相手が同の程度の馬であり…。
賞金で弾かれたマテンロウレオが僅差の2着、勝ったのはダービー馬のダノンデサイル、4着のボルドグフーシュは長期休養明け2戦とも好走で、それに続いたライラックは、雨馬場得意もペース合わずの金鯱賞を除けば、いつでも穴で走りそうだし、60を背負ったのにサウジで圧勝だったビザンチンドリームは菊花賞の好走馬…。 ここ最近の中で、一番力を見せたレースが、不完全燃焼だったところで、相手も強く…。 正直、中山記念も京都記念も、何なら金鯱賞もそこまで強力な組み合わせではなかったは、あのアメリカジョッキークラブCは妙に好メンバーが集まって、極めて順当な結果となったG1前哨戦に相応しい内容。 その最先着馬に人気がないのなら、鞍上再変更も、ここが狙い目になってくるはずだ。

大阪杯2025- 出走予定馬の血統/成績/タイム

おい、丹内よ、ここでマジックマンをギャフンを言わせてみせろと思うワイ

コスモキュランダの血統

ここ3戦連続で本命の筆者は、毎度めまいを起こしそうな結果に気が滅入りそうなのだが、ここも無駄に空ぶかしで、燃費効率の悪い執念の一本釣りを再度敢行する。
この馬の配合は、サンデーサイレンス直系×非サンデー系のヘイロー直系という組み合わせで、ヘイローは4×4とかかる。 お馴染みの相馬眼を持つ天才と言われた誇り高きホースマン・岡田繫幸氏の夫人名義に、このコスモの冠号がついた馬が多かったが、これに関しては、マイネルの総本山たるビッグレッドファーム<伝説の名牝・ラフィアンの愛称に因んで名付けられた>の生産、持ち馬ということらしい。
最近は、ブローザホーンを生産した弟の牧雄氏が、まだフルスロットル状態であるというのもあるが、続々と活躍馬を送り込んで、ターフを賑わせる。 とはいえ、ライバルの社台グループの吉田家に何かがあったというわけではない。 全体的に、世界の競馬界のトレンドが日本競馬の関わる確率の向上に伴い、活性化しているからこそ、様々なグループにチャンスがあり、一時期よりも、外国産馬の活躍を目にする機会が増えた。
ヘイローの血と言えば、サンデーサイレンスの父ということもあって、吉田家に完全なる主導権を渡した運命の使者ともなったわけだが、殊の外、それにあてつけたかのようにヘイローの血に固執する繫幸氏は、ロベルト系のブライアンズタイム、オーストラリアの名血・サートリストラムの入ったサーゲイロードの血まで含めた、かつて、シンボリルドルフの母父であるスピードシンボリに強烈な才能を与えたロイヤルチャージャーから流れる、日本の競馬にあったターントゥの血を、かなり強く掛け合わせる手法を、晩年まで続けてこられた。
その頂点はオークス勝ちのユーバーレーベンであるが、ダービー制覇に並々ならぬ執念を燃やしていたから、昨年も出番まではなかったが、皐月賞で好走のコスモキュランダには、おそらく、天国の岡田繫幸さんも及第点を与えていることだろう。 ヘイロー直系で4×4は、ここにも、ノーザンファーム産のラヴェルがいるわけだが、ご存じの通り、こちらはいずれもサンデーサイレンスを経ているので、その3×3が優先。
一方、デヴィルズバッグ<顕彰馬・タイキシャトルの父>も、その孫ロージズインメイも、また、名前は似ているけど関係ないサザンヘイロー<南米のサンデーサイレンスの異名>も、サンデー系に加えなかった母父は、6.5~10Fまでの北米ダートでの勝ち星があるG1馬・サザンイメージであり、母はオーストラリア産馬として、うまく隙間を突いたような勝ち方でコーフィールドCを制したサザンスピードと、スピード偏重の北米系に彩られた父アルアインの特長と、とてもよく似た組み合わせ。
大型馬で、弟のシャフリヤールとタフさだけ同じで、フィールドも若干違えたアルアインが、初年度でいきなり、ここまでの活躍馬を出し、自身と同じように、レコードの皐月賞で活躍し、今度は大阪杯へ、4歳の時から参戦し…。 土着性と本質的な10Fへの相性からも、いくらか、非根幹距離向きの性質を示し切れなかった前回の負け方で、日本には個性的な2000MG1しか存在しない点で、これも特殊な阪神の当該距離G1に最も適性のある馬として、まずはこの馬を推しておきたいのである。

大阪杯2025 - レース展開と最終予想

普通なら、前走は勝っていても不思議ないほど、絶妙な仕掛けで捲り切れたはずなのだが、中山競馬場を知り尽くす横山典弘騎手のマテンロウレオがかなり復調してきたことに加え、能力桁違いで圧勝も不思議なかったダービー馬のダノンデサイル登場で、これがしっかりと、力の違いを見せつけたことで、元より、接戦にそこまで強くないけれども、大体のレースで接戦でゴールする時に勝ち負けの勝負になっているコスモキュランダにとって、二重三重に勝ち運が向かなかった印象を残した。
早くから活躍したタイプではなく、丹内騎手と挑んだ新潟内回りの2000Mを勝った時が4戦目という馬。 すぐに格上挑戦の京都2歳Sに挑んだが、人気のシンエンペラーや完全に場慣れを目的としていた参戦意義と今ならば断言できる伏兵のダノンデサイルの他、ディスペランツァ、ホウオウプロサンゲ、パワーホール、ルカランフィーストなど、目ぼしいトライアルまでなら健闘できそうだった組は、軒並み、その通りに3歳重賞好走馬になったかと思えば、先着を許したキープカルム、オールナットは、今度が上がり目で怖い4勝してオープン入りの出世の遅れた組と、たかがG3がとんでもないレベルだった。 現に、レースは消耗戦に転じ、シンエンペラーも不完全な状態だったとして、辛うじての僅差優勝は、しかし、レースレコードであった。
ダノンデサイルは気分が乗らないことが内容に影響を及ぼす典型で、また、いくらか爪に不安を抱える面もあるとされ<皐月賞の発見は、このことを鞍上が知っていたからこそのファインプレーであったとも言われる>、にも拘らず、真面目に走ろうとしていない割には、3着外しは京都2歳Sとあの内枠総崩れの菊花賞だけというのだから、当然のドバイ遠征となった。 シンエンペラーは、秋の欧州遠征も半分以上は成功であり、今季初戦の適距離に近いネオムターフCは、ほぼ相手を見ずに勝ったというほどの圧勝劇。 言わずもがな、芝の世界であるなら、好メンバーのアイリッシュチャンピオンS3着馬はどこの国に行っても、高評価を受けるもの。 その中で凱旋門賞以外崩れていないシンエンペラーが、ダノンデサイルに再度の挑戦権を自ら得て、異国で、強い前年覇者のレベルスロマンスらとの激しい攻防へと赴く。
ここに桜花賞以外は崩れていなかったチェルヴィニアが加わるが、京都記念惨敗からの復調は、同じような敗戦であったジェンティルドンナ以上に厳しいものがあるものの、適性さえあれば、日本の牝馬がどこでも活躍する。 森厩舎のシーキングザパール然り、矢作厩舎マルシュロレーヌや見事蘇ってくれたラヴズオンリーユーもそう。 日本調教馬の所謂一番乗りに、牝馬というキーワードは常套句ともなっている。ほどほどに頑張ってほしい。
すでに、これらと接戦の経験や先着の実績があるステレンボッシュやこのコスモキュランダなどを、同一線上において格下とはなりえない接戦必至の大阪杯で、評価を下げる理由はない上に、ステレンボッシュはもう香港で、ある程度この路線で戦えるという目途も立っている。 無理に仕掛けて3着の香港ヴァーズは、正直、今のチェルヴィニアよりも強力なパンチ力を見せたということでも、モレイラさん招聘で、陣営の鼻息も荒くなるところ。 ただ、そんなマジックマンでも勝てなかった皐月賞のジャスティンミラノは、少なくとも遠征予定、無事なら、ドバイの結果を知った上で、この大阪杯を迎える状況で、世代のエース級であるダノンデサイルやチェルヴィニア、レガレイラなどとも、双璧以上であり、あの秋の天皇賞に出ていたなら、その評価はより揺るぎないものになっていたはずだ。
激しい結果で敗れたから、以降は未勝利ながら、それは燃え尽きかけた若き日の父アルアインが、ここで好走したように、適条件のG1に来て、スワーヴリチャードに敗れはしたものの、翌年の優勝に繋げたということでも、コスモキュランダには今後のためだけでなく、今年の好走も求められる。
一介のトライアルホースなどではなく、歴史的名馬世代であって不思議ない同期たちに囲まれ、隙間を狙って、大きな獲物をゲットするということは、機会が限られるからこそ、ステレンボッシュ同様に、ここはかなり力が入るところ。
そこで元主戦級、京都2歳S当日は東京で乗っていた丹内騎手へ手が戻った。 陣営の流儀と、ローカルでの活躍からも、一旦はオーナーサイドの評価も高い鞍上なので、再度固定化も想定されるだけに、結果が求められる。 皐月賞の時だけは、ざわつく環境を結果的に味方につけたような早々のモレイラ起用で結果も出せたが、今回は同じ頃に乗っていたステレンボッシュへの騎乗が早々に決まったため、強いこだわりで鞍上の固定をしないキャラという位置づけであることも影響したのか、鞍上が元に戻った。 当然、ドバイとの兼ね合いもあるが、これも時の運。
丹内祐次騎手が恵まれた環境ではないところで、数多くの調教をこなしながら、凄まじいレース騎乗数を重ねて、苦節20年で、大きな事故に見舞われた際の落馬での負傷などもありながら、早くも小倉リーディングが現実味を帯びているという無双ぶりは、東西の関係者から、分け隔てなく、期待されている状況を明確に表したとできる、実力の証そのものであろう。
騎手として大成は出来なかったものの、彼と同世代の加藤士津八調教師は、最近、少し早くから予約を入れないと乗ってもらえなくなった元主戦を、再度、このマイネル軍団のエース騎手として起用してもらう機会とすべく、力を込めることであろう。
血統的な底力が、ノーザンファームを中心とした勢力図に反映された、圧倒的な時代を経て、コントレイルやイクイノックス、同じような無限の可能性を秘めるドウデュースなどの産駒がどの牧場からより多くの活躍馬を出すのかによって、再び、この図式が変化する可能性を持っている。 無論、社台スタリオンステーションの種牡馬であるから、基本的には、種付け数を管理しながらでも、期待の繁殖牝馬と交配することを優先して行える社台グループが有利なのは明らかだが、イクイノックスがそこまで期待された血統であったのか言われれば、またその父は日高の生まれであり、コントレイルもまた然り…。
社台発信のサンデーサイレンス系に関し、意外なほど、日高でお客さんとして花嫁を連れていくグループに、活気があるからこそ、こういう図式になるのだ。 種牡馬に関しては、吉田兄弟の息が掛ったというと語弊があるが、社台の種馬を好んで交配することは多くなかった岡田繫幸氏でも、サンデーサイレンス系種牡馬は自身が手に入れることもあったし、ステイゴールドは成功している。 公私とも妙なライバル心で関係がこじれることまではなかったとされる、繁幸氏の実弟で、吉田照哉、勝己氏らより年下の岡田牧雄氏は、エピファネイアの最初の活躍馬であるデアリングタクトを手にすると、社台グループの夢の結晶であるドゥラメンテ産駒からタイトルホルダーを生み出し、日高で種牡馬入りさせるのと並行して、今度はエピファネイアの牡駒・ブローザホーンを作って見せた。
コスモキュランダに近い関係の中にも、こうした著名な生産者たちの絡みで、絶妙なトレンドが新たに生まれつつあり、力関係にも変化が生じつつある。 昔ほど、外国産馬の大物はいなくなったが、シンエンペラーを負かすのがダービー馬やその2着馬の仔であるということでも、売り買いの世界で、日本産馬の売り手として手腕が今度は問われてくるのだろう。
いつも、亜流のようで、常にゲームチェンジャーになるための戦いをするための武器にと、変わった場所の風変りの血統の馬を連れてきた岡田繫幸氏の中では、平凡なレベルのターントゥ3代連続配合プラスデインヒルという血統のコスモキュランダは、一度取り損ねた大タイトルを、今度こそ勝ち取れるだろうか。 また同期のキズナ産駒・シックスペンスが高い壁となる組み合わせだが、マイネル軍団には、こうした地味めの配合がよく似合う。
社台の馬では些か重すぎる配合のステレンボッシュが人気にもなる中で、いかにも小回りの10F戦に適した北米的なトレンドを抱えるスピード配合のコスモキュランダが、現場サイドのG1戴冠へ向けた狙い<デビュー同期の川田、吉田隼人両騎手は勝っている>の通りに、今まで以上に勝負強くなって、本格化をアピールするような走りをしてくれるのではないかと、勝手に期待するのである。
重い血との組み合わせには限界があり、速いもの同士の配合で距離をどうこなしていくのかというトレンドを、恐らくはキズナやコントレイルが牽引していく。 その先駆けになれるような好素材であるこの馬が、非天才型であるからこそ、古馬になってからの戴冠に意味深いものが足されるのである。 前年覇者もいれば、中山記念負け組も気になったりするが、本流の中長距離部門で最も価値ある高速の実績を持つこの馬をここは買いたい。

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