大阪杯2024予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

大阪杯の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第68回大阪杯 (G1)
グレード重賞(G1)
日程2024年3月31日(日)
発走時間15時40分
開催場所阪神競馬場
距離芝2,000m
コース右回り
賞金2億円
レコードタイム1:57.2

大阪杯2024予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

大阪杯2024の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11ミッキーゴージャスM.デムーロ牝456.010.66栗東・CW・良(調教師)
6F 84.4-68.1-52.0-36.7-11.3(馬なり)
栗東・CW・不良(調教師)
6F 85.1-68.1-52.4-37.5-11.5(馬なり)
12ローシャムパーク戸崎 圭太牡558.0 5.32美浦・ウッド・良(戸崎)
6F 82.1-66.5-51.4-37.0-11.2(馬なり)
美浦・ウッド・稍重(上野翔)
6F 80.6-64.9-50.5-36.2-11.2(馬なり)
23タスティエーラ松山 弘平牡458.0 4.21美浦・ウッド・稍重(助手)
6F 82.2-65.4-51.0-35.8-11.2(馬なり)
美浦・ウッド・稍重(助手)
6F 84.0-68.3-52.7-37.5-11.9(馬なり)
24ハヤヤッコ幸 英明牡858.0 66.115-栗東・CW・不良(助手)
6F 83.4-69.1-54.6-39.4-12.7(稍一杯)
35スタニングローズ○○牝556.042.814栗東・坂路・良(西村淳)
800m 53.7-38.4-24.3-11.9(一杯)
栗東・坂路・不良(助手)
800m 56.1-40.8-25.5-11.9(馬なり)
36ジオグリフ北村 宏司牡558.0 30.213栗東・CW・良(北村宏)
7F 97.7-67.6-52.9-38.4-12.2(馬なり)
栗東・CW・不良(北村宏)
6F 82.0-66.5-52.5-37.9-11.5(引張りきり)
47ハーパー岩田 望来牝456.021.88栗東・CW・良(岩田望)
6F 85.3-69.0-53.2-37.3-11.3(一杯)
栗東・CW・不良(助手)
6F 81.9-66.4-51.4-37.0-11.7(馬なり)
48プラダリア池添 謙一牡558.0 8.14栗東・CW・良(池添)
6F 83.5-68.3-53.3-37.7-11.3(一杯)
栗東・坂路・不良(調教師)
800m 53.2-38.7-25.0-12.4(馬なり
59ステラヴェローチェ酒井 学牡658.0 26.612栗東・CW・良(酒井学)
6F 78.5-62.9-48.8-35.1-11.3(一杯)
栗東・坂路・不良(酒井学)
800m 55.2-38.7-24.7-12.3(末強め)
510ソールオリエンス横山 武史牡458.0 8.251週前追い切り
美浦・ウッド・良(横山武)
6F 84.5-68.2-53.1-38.4-11.3(馬なり)
美浦・ウッド・稍重(嶋田)
6F 81.1-65.7-51.8-37.3-11.2(馬なり)
611ベラジオオペラ横山 和生牡458.0 6.83栗東・CW・良(調教師)
7F 97.3-66.3-51.6-36.6-11.2(一杯)
-
612キラーアビリティ北村 友一牡558.0 24.210-阪神競馬場・芝・稍重(助手)
4F 59.1-41.6-12.0(馬なり)
713ルージュエヴァイユ菅原 明良牝556.024.911美浦・ウッド・良(菅原明)
6F 80.8-66.1-52.0-37.8-11.6(G前仕掛け)
栗東・CW・不良(助手)
6F 82.6-67.7-53.2-38.2-11.3(馬なり)
714エピファニー杉原 誠人牡558.0 20.271週前追い切り
美浦・ウッド・良(杉原)
5F 65.2-49.9-36.5-12.2(馬なり)
最終追い切り
栗東・CW・不良(杉原)
6F 80.0-63.4-49.0-36.3-12.6(馬なり)
815リカンカブール津村 明秀牡558.0 23.39栗東・CW・良(団野)
6F 82.1-67.3-52.8-37.6-11.8(強め)
栗東・坂路・不良(高倉)
800m 52.5-38.7-25.2-12.5(馬なり)
816カテドラル藤岡 康太牡858.0 121.0161週前追い切り
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.4-38.4-24.7-12.2(末強め)
最終追い切り
栗東・坂路・不良(助手)
800m 53.3-38.5-24.9-12.3(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬4回3回3回11回19.0%33.3%47.6%
先行馬8回8回7回50回11.0%21.9%31.5%
差し馬5回5回8回70回5.7%11.4%20.5%
追い込み馬3回4回2回62回4.2%9.9%12.7%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠0回1回0回22回0.0%4.3%4.3%
2枠0回0回3回21回0.0%0.0%12.5%
3枠3回6回1回18回10.7%32.1%35.7%
4枠3回1回3回22回10.3%13.8%24.1%
5枠6回3回3回22回17.6%26.5%35.3%
6枠2回2回4回30回5.3%10.5%21.1%
7枠3回3回2回30回7.9%15.8%21.1%
8枠3回4回4回28回7.7%17.9%28.2%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト31回27回29回141回13.6%25.4%38.2%
ドゥラメンテ17回12回9回63回16.8%28.7%37.6%
キズナ16回19回13回92回11.4%25.0%34.3%
ハーツクライ16回15回18回138回8.6%16.6%26.2%
ルーラーシップ16回13回16回89回11.9%21.6%33.6%
キングカメハメハ15回14回6回50回17.6%34.1%41.2%
ハービンジャー10回9回22回113回6.5%12.3%26.6%
エピファネイア9回13回10回88回7.5%18.3%26.7%
オルフェーヴル9回5回12回71回9.3%14.4%26.8%
ロードカナロア8回7回8回52回10.7%20.0%30.7%

大阪杯2024予想 - 過去10年のデータ傾向

お化けというか魔物が棲んでいるとでも思えば、人気馬の敗因の分析は可能なハイレベルG1

終わった瞬間を皆が寂しそうに眺めた2022年の当レース、即ち、断然の主役であったはずのエフフォーリアが、実に哀れな姿を晒した衝撃のシーンの前後にも、思わず、これは一体…、というレースが何度も眼前で展開されてきたG1競走でもある。

遠い昔には、無敗を継続したトウカイテイオーであり、メジロマックイーンの華麗なる復活というシーンが、平成初期のレース史を彩ったが、すぐ後に、完調に戻ることのなかったベガが散り、また少し経つと、エフフォーリアと似たような事情を抱えたテイエムオペラオーが、高速競馬の罠に見事引っかかり、未勝利戦以来となる3着外しをした。

何も、エフフォーリアだけが無残に散ったわけではない。

テイエムオペラオーだって、さすがに連までは外すわけがない…、と皆思っていた。

G2最後の年にノリスペシャルに屈したキタサンブラックは、翌年G1昇格初年度に完勝。

やけに強いと思ったら、結局、G1を4つも勝ってしまうのだから、納得せざるを得ない。

以降、そうした大きな支持に応えきれたのは、大分強引に、力技で相手をねじ伏せたデムーロ騎手のスワーヴリチャードだけであり、コントレイルもスターズオンアースも負けている。

一応、ダノンキングリーは例によって、プレップで走りすぎて…、のパターンで逃げて敗れたが、この馬も翌年は安田記念を制し、これに先着のラッキーライラックとクロノジェネシスの後の活躍も、説明不要のレベル。

キャリアと本質的な距離適性で…、という納得の力負けであり、決して行ったことがまずかったということでもなかった。

今年は普段以上に、1番人気は貧乏くじであるはずだから、少し警戒しておきたい。

もし、それがロードデルレイであったなら、G1昇格の意義を問われかねないので、その点もよく考えておきたい。

勝手なことを言っているか。

本来、金鯱賞組を買わないという手段を講ずる意味はない

ここ4年で、エフフォーリアは動き鈍く、それなのにジャックドールは無駄に伏兵に絡まれ…、という本命党撃沈の前出のレースを除き、ちょっと縁がないのだが、その時はワンツー。

2017年からの3年間は、必ず連絡み。

いずれもどこかに穴馬が食い込んでいるので、差し馬が逃げたのに、ブラストワンピースだけ爆死した2020年以外は、3連単にはおまけの配当が加わっている感じで、おかげで外しました…、という激走馬に要注意状態なのだが、今年はさすがに芝の王道G1で通用するとまでは思えないハヤヤッコしか出てこない。

ドゥレッツァ回避は当然としても、ローテーションからして大阪杯狙いのはずがないプログノーシス参戦にも期待感はなかったが、中京が大好きです状態の白毛の仕事人が4着だったことと、慎重なスタートであるはずのヨーホーレイクがこれに先着の結果から見えるのは、上がり馬がいたとしても別のレースから…、京都記念も中山記念もそういう感じではなかったし、このG2群は、人気だった組を狙う基本形を崩せないのだから、好走したかどうかは重要ではない傾向は提示しておきたい。

良馬場の主要前哨戦の勝ち馬は、未だ連絡みなしで、あのジャックドールがその典型である。

中山記念を使ってくると、少し疲れるのが定番だから…

中山記念は歴史の古いレースであるから、旧産経大阪杯とのコネクションもないわけではないのだが、G1級のメンバーも多く集まる、古馬の重要戦であることも関係し、昔から連勝する馬が出てこない。

大阪杯というG1に生まれ変わると、金鯱賞も含めて、重要なステップレースというポジションチェンジが図られたわけだが、G2的なものを未だ引きずるこのレースは、良馬場での重賞連勝馬がタガノマイバッハ<春の2000M戦だった中京記念からの連勝・安藤勝己3連覇>以来20年出ていないことからも、中山記念に限ったことではないとはいえ、連対馬はそれなりの数いるのに、勝ち切っていると極端にダメなのはこのレースだから、かえって、人気で不発のソールオリエンスはチャンスなのかもしれない。

上位勢は、僚馬が突然いなくなってから、少しだけ活力が戻ってきた感じのジオグリフしか出てこないので、総合的な記録面の評価なら、両者互角のザックリとしたイメージであっても、少しは叩いた効果が出そうな、勝ち馬だけ別の競馬をしていた展開の影響で、人気ガタ落ちの可能性を踏まえると、タスティエーラに人気が少しでも集まれば、かえって有利。

いつも一緒にという馬だけに、いつでも逆転はある妙なコンビでもあるから、同レベルの評価を常に与えるべきであろう。

前走勝ち馬に驚かされるばかりでなく、そのイメージから外れた所からやってくる、そこそこ人気の馬こそ軸で狙いたいレース

チャレンジCからの参戦で、無敗馬であったレイパパレだけは例外という扱いだが、その前には、神戸新聞杯を勝って以来のワグネリアンも好走している。

武豊のアリーヴォ<小倉大賞典勝ち>もびっくらぽん<違う意味になってしまうか…>であったが、わけのわからないローテで来る馬が一頭出てくるのは、阪神芝2000M重賞の恒例であるから、どうせ張るなら、この組であるのだが…。

コントレイル、グランアレグリア、サリオスに続く人気であったレイパパレが制し、雑多な印象の2019年はワグネリアンは当然上位人気。

アリーヴォだって、鞍上の根強い高評価も影響してのことだろうが、エフフォーリアとジャックドール以外は一緒…、くらいの感じで、上位支持のレイパパレとは離れされたオッズでも7番人気だった。

今年はエピファニーや何となく鞍上でやってくれそう評を集めそうなミッキーゴージャスらが登場の模様であるが、G1連対馬のステラヴェローチェやロードデルレイもそれなりに買われるレース。

キャラ的にリカンカブールは変な人気になる事はないだろうが、レーン騎手が普通に乗ってもダメダメだったローシャムパークに、元主戦級の戸崎騎手が乗るということは、つまりは修正の段階であり…、という読みが働くと、有馬組は買わなきゃ損だし、G2組は負けている馬有利だし…、デインドリームの孫娘であるルージュエヴァイユの叩き一変を除き、荒れそうという期待以上には波乱にならないだけに、普通に過剰人気の馬の中から、無難すぎないロードデルレイみたいな馬を買うのが正しいように思うのだが、今年は評価が割れても構わないほど、鞍上もキャラ立ちの名馬もいないから、楽しく組み立てるのがいいように思う。

西村淳也に一票、ということで、大目に見てもらいたい。

大阪杯2024予想 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

低レベルであることはクラシックの前から分かっていた4歳世代の牡馬軍団が、千載一遇のチャンスをものにするはず⁉

ミッキーゴージャスの血統

母ミッキークイーンはオークス馬であると同時に、秋華賞を1:56.9で快勝した牝馬二冠の名牝。

道悪の宝塚記念を2:11.6で制し、その他使われた5歳シーズンのG1は4、5、4着と、実に充実した結果を残したミッキーロケットの産駒。

ヌレイエフの5・5×5は、ミスタープロスペクターの継続クロスも隠し持つ中でも、何か特徴を持ったインブリードと評するには弱い気もするが、少しずつ明らかになってきた母譲りのロングスパート向きという本質が、そのまま受け継がれているような面に、このクロスの効果というか、直線の長いコースの瞬発力勝負は合わないという見立てが可能となる。

エリザベス女王杯に適性がないとは思えないが、母は4、5歳時に連続の3着。

右回りの中距離戦で5勝の馬を、ロードデルレイに代わって、伏兵ならではの強気のスパートで狙うのは悪いこともないだろう。

大阪杯2024予想 - レース展開と最終予想

大レースの高揚感を心行くまで味わいながらも、坂井瑠星騎手<UAEダービーのフォーエバーヤング>、川田将雅騎手<ワールドCのウシュバテソーロ、シーマクラシックのリバティアイランド>らには、人気に応える仕事をしてもらわねば困るのだが、それによって、見事に割を食った中内田厩舎の<当然、調教師もいない>ロードデルレイは、バブルガムフェロー<1996年の天皇賞・秋優勝馬、3歳馬として距離短縮後初制覇、藤沢和雄厩舎所属も、ウッドバインのブリーダーズCクラシックにタイキブリザードを送り込んだ関係で、主戦の岡部騎手なども不在となり、当時G1未勝利の蛯名騎手が騎乗し、一発回答で魅せた、4強対決で盛り上がった至極の名勝負>のようになれるだろうか。

もっと言えば、西村淳也は蛯名正義になれるのか、でもある。

何となく、バブルのような感じがする…、という筆者の見立てをロードデルレイに当てはめることは、中らずと雖も遠からずの部類で、必ずしも完全合致するものではないが、キーワードは東京、なのであろうと思う。

東京の経験しかなかったバブルガムフェローが、中山の朝日杯当時3歳Sを快勝した1995年のレースで、ひどいモタれ方をしている、武豊のエイシンガイモンにしてやられる捲りを決められたかと思った後、猛然と斜めに走りながら差し切ったことで、クラシックを意識したと同時に、このままでは大変なことになってしまうという懸念とその対策は、骨折によるクラシック不参戦で、結論持ち越しになっていた。

年明けのそれこそ、名馬キタサンブラックと同じ1回東京1週目デビューの関西馬であるロードデルレイは、ロードカナロアの産駒であり、ほぼ僚馬ですでに競走馬登録を抹消されてしまったパールロードに、川田騎手が騎乗する関係で、人気にはなっていたが、付き添いも半分という形で連れてこられた坂井騎手騎乗で初陣を迎えたのではあるが、あえて、課題を与えながら、年明けデビューの不利を一気の進化で縮めようという馬込み抜け出しの方向で策が固まったパールロードに対し、普通に手応えがいいから、外に出して楽勝したロードデルレイの強さが際立つ結果に終わった。

苦しいながらも、2番手には上がったパールロードには4馬身差。

能力差は歴然だった。

以降、無理をさせない中内田流の言わば、プログノーシスの成功パターンを当てはめたかような<まだ金鯱賞は勝っていなかったが、重賞制覇目前という段階にあった>慎重なレース選択で、新潟で決めた3勝目は無傷のモノで、また、外から被されるような経験のない馬にははじめてに近い接近戦を経験も、ついに交わさせないという強い内容で、菊花賞というよりも、実力試しに神戸新聞杯に挑んだのが、坂井騎手らしい正攻法がハマらず、高速決着の大接戦を落として、4着に甘んじる結果に。

力はある程度ついたという判断で、ジャパンC直前の3勝クラス・ウェルカムSに向かうと、真の決戦直前の勇敢な挑戦者となった川田将雅を背に、スパートのタイミングを慎重に見極める中で、鮮やかに外から伸びきって完勝。

同じ東京2000の白富士Sも、ほとんどもらったようなレースという評価だったが、ルメール騎手に手が戻った、七夕賞4着のバトルボーンにいかにもクリストフらしい抵抗を見せられるも、しっかりといなしきって、鮮やかにこれも勝ち切った。

勝ちタイムは前々走の走破タイムに自身が大差をつける1:57.2だった。

準オープンの方が60.9-58.1のラップで、前走であるとそれは、59.4-57.8と一気にレベルアップ。

川田将雅が優秀というよりは、明らかにロードデルレイが聡明であり、有能な競走馬であること示す証左に違いはない。

さて、ここまで上り詰めようという段階に入ったところで、まだ実戦に乗ったことのない騎手に乗り代わるリスク。

しかし、今後を見据えた戦いの中で、どの道、川田、坂井両騎手がいないシーン、もっと実績のある馬や乗り替わりがあり得ない馬などに騎乗する場面に、このロードデルレイが挑むのだとすれば、西村騎手に託された意味は、かなりの重みを含むことになる。

もう、若手という括りからは脱しつつある、乗れるジョッキーへの評価に切り替わった西村淳也騎手は、ルガルという大切にしなければいけないパートナーと共に、高松宮記念を戦うことになるが、この時点ではまだ結果が知れぬ状況。

そこで勝ってしまえば、イケイケドンドンでまた買っちまいな!なのであるが、岩田望来騎手も一昨年盛岡で行われたJBCレディスクラシックで、師匠である藤原調教師の管理するヴァレーデラルナで初戴冠をするものの、JRAでのタイトルはまだで、もう少し修業は必要という感じになってきていたところで魅せた、中山牝馬Sでのコンクシェルの性格を完全に手のうちに入れた上での完勝劇は、必ず今後に活かされる経験になったはず。

エルトンバローズとのコンビで挑戦を重ねるエース級との対戦で得た経験と、それ以上に重みのある、敗戦から学ぶことの大切さを、いよいよ深層部分で理解しなければいけない段階へとステージが上がってきた西村騎手に、結果というよりも、どう戦ったかというその内容が求められる舞台。

師と仰ぐ人が増えすぎている感もあるが、少なくとも、最も自分にとって糧になる知識を提供してくれると信じる身近な先輩である川田、坂井両騎手から受け継いだバトンは、力んで汗ばんだ状況で受けとってはならぬと他人が言ったところで、それは土台無理な注文。

ゾッとするような経験を重ねるうちに、哲学的な表現をする騎手になるのが、名手の通常モデルともなっているが、そうなるかならないかとは別に、西村騎手にもロードデルレイにも、経験がもっと必要である。

出られるかも分からない登録段階から、無事出走にこぎつけ、そこからは結果も求められるような馬に乗れるようになった。

ロードデルレイが挑む大阪杯は、バブルガムフェローが3歳時に挑んだ秋の天皇賞と同じで、G1級競走としての位置づけや重要度の差はあっても、シーズントップの伝統重賞であるから、大きな価値を持つチャレンジにもなる。

奇しくもキャリア6戦での参戦は同じで、勝ち星こそ1つ違いだが、古馬オープン馬相手に2戦目ということは同じ。

勝ち星に関しても、バブルガムフェローはすでにG1は勝っていたから、格ではロードデルレイが下となるが、リバティアイランドと同期で、男馬連中がだらしない…、などと言われないためにも、クラシックウイナーを引き連れて、大挙参戦の4歳世代を買わないわけにはいかないという組み合わせにはなった。

金が全てではないが、須らく相応の格というものは、そうした順位に応じた配当の多寡に絡んで、その挑戦意欲も大いに左右されるというのは当たり前のこと。

誰かがいないことが問題ではない。

自分は何ができるかを、しっかりとつき詰めて結果を出した藤岡佑介&ペプチドナイルが大レースを制したという事実に、皆は大いに学ぶべきである。

今度は自分がそちらに挑む番になる、それだけのことである。

ロードデルレイが西村淳也騎乗で、少なくともアジア圏を行脚する来シーズンとなれば、川田騎手のフラストレーションはたまる一方でも、兄貴分の坂井騎手はきっと、内心では褒めてくれるはずだが、そうなるようにするための2024シーズンとせねばならない人馬は、挑戦を続けることをやめてはならない。

ここは小さな障壁とし、より高いジャンプをするための助走としないと、面白くないわけだが、バブルガムフェローはその後のG1は勝てなかったので、まずはここでの勝ち星よりも、今後の見通しを立てるための攻めのレースを展開しておきたい。

結果は二の次ではあるが…、やはり勝ちたい。

このクラスの中距離G1で、この辺りのレベルのメンバーの争いになる事は、しばらくの間ないはずだ。

*〔追記〕

代わりに推すには、少しタイプが異なるということで、ほぼ不戦敗を受け入れつつある筆者ながら、どの道、乗り替わり必至の中で、父隆行元師から息子の翔伍調教師へとバトンが渡った経緯は色々あったとしても、川田騎手が乗れないことは分かっていながら、デムーロ騎手で挑んできた<G1昇格後2勝、G2時代もネオユニヴァースで勝利>というのは、決して、無駄な挑戦にならない可能性がある。

序盤の57.4秒というのは、いくら向こう流しが下りになっている小倉でも猛烈に過ぎた前走愛知杯で、強気スパートでも、自分が詰め甘になることを防ぐような、久々に川田将雅っぽさを見せた内容で、今度はその手の策がほぼ恒常的に繰り出されるデムーロ騎手へとスイッチし、コスモキュランダには乗れないが<自分自身にサンライズアースというお手馬がいることで、そちらはまさかのモレイラ替わり>、それを最重要トライアルで勝たせたことは、サンライズホークが不可解な内容で失速した黒船賞を経て、鞍上も少し気持ちが揺れる面はあっても、絶対に勝たねばならないというほど、責任が重たいという立場でもない。

いつものミルコならば、見せ場を作れる。

前夜にリバティアイランドが駆けた後に、このレースは行われるわけだが、強い男馬に期待するなら、新顔と思っていた手前、古馬も狙いづらいとなれば、ベラジオオペラとの二択で、軸にするのはファンタスティックな方で? というよくわからない理屈で、前走の再現を期待する。