エリザベス女王杯2019 予想

ようやく天候も落ち着いて、このレース当日、いよいよ新天皇の祝賀パレードが執り行われることになった。

よって、地上波での生中継はなくなった今年。

様々な予定が狂ったという面では、このレースの変更事項は意外なほど多い。

まず、デットーリがメルボルンCで降着処分を下され、ほぼ世界中で実効性のある騎乗停止処分を食らい、どうも参戦意欲が殺がれた模様。

これにより、穴人気しそうだったゴージャスランチが、どういうわけだか牝馬には縁のある幸騎手に手綱が渡ることになった。

もう一頭、堀厩舎に縁のあるムーアが来なくなって、最初は騎乗予定とされていた土曜東京のタイムフライヤーと日曜の女王杯は前走圧勝のポンデザールが、実質的には乗り替わりのような状況になった。

口約束は反故にされても致し方なしというのは、そういうものは守って当然という不文律にある種縛られている日本では、ちょっとあり得ないことのようで、契約が実効的でない限り、この場合は自分自身が不利になるわけで、こちらがどうこう言えることでもない。

ただし、ムーア騎手にだって言い分はある。

一時期ほど濃密ではなくなっても、しっかりと契りを交わすオブライエン厩舎の馬に、GⅠで騎乗する機会があれば、それに騎乗しなければならないのだ。

オーストラリアの春シーズンにおける総決算のGⅠが、現在絶賛開催中。

日本馬もオーストラリアの競馬には、最近はかなりお世話になっている。その点でも、文句を言うのは筋違いだろう。

そんな死角はあるが、前々走では派手な競馬で勝ち切っている藤岡康太騎手との2度目のコンビに期待し、ポンデザールの破壊力を本命の推挙理由としたい。

前走の50kg・石川騎手とのコンビで見えた底知れない魅力というのは、見た目の派手さというより、本来斤量の利が活きるだろう勝負所の反応ではなく、勝負を決める最後の突き放す瞬間に凝縮されていた。

早くから仕掛けるタイプというより、もたつきがある分をどう補っていくかを斤量でカバーしたようで、丹頂Sはいつもの感じで牝馬らしからぬいい意味での鈍さがあった。

強烈な脚を平坦で使えたという直線ではない。あれは、充実の4歳秋を迎えたハーツクライの覚醒ではないか。

父は有馬記念で爆発したが、その前のJCも素晴らしい追い込みでレコードタイ。

代表産駒のジャスタウェイも、ずっと勝てなかったのに、スローの毎日王冠で久々に普通の差しでダービー馬に肉薄した直後から、怒涛の4連勝で最後は古馬チャンピオン路線に挑んだ。昨年の覇者の似たようなもの。

坂があっても問題ない中で、加速装置のある京都外回りのレース。

歴代、休み明けの馬など3歳戦時代のタケノベルベットやトゥザヴィクトリーくらいしか勝っていないこのレース。

しかし、北海道に縁があり、近走で使っていた馬は、エリモシックの頃から何度も馬券になっている。

札幌記念から直行のファレノプシスもいれば、京都を挟んで衝撃の逃げ切りを決めたクィーンスプマンテのような例もある。

兄はあのサトノクラウン。凱旋門賞2着馬を香港で負かしたあの天才である。

あのというと、キタサンブラックが完全不発の宝塚記念も彼が制した。

ピントがズレたところで、大きな仕事をするタイプ。

母系にレイズアネイティヴクロスがあるというのは、昨年期待したコルコバード<丹頂S2着>と共通で、晩成型も多いステイゴールド産駒ということで相似形に近い。

彼女はうまくスパートできなかったが、リスグラシューしか差せなかった競馬だから、縁がなかったという感じ。

ある意味、もう少し強引に動こうとすることのある康太騎手騎乗だと、少し工夫の必要な血統の馬にはピタリ合うスパイスがある。

順調ではないオークス馬、順調すぎた秋華賞馬。

3歳馬は信用できるようで、過去オークスを勝っていた場合は、古馬に限られるという傾向がある。

メイショウマンボは古馬が手薄な年に、道悪になった好機を逃さなかった。

道悪秋華賞組も、あまり信用ならない。稍重勝ちのアヴェンチュラは2着だったが、秋華賞のタイムは今年より2秒弱速かった。

先行型もそこまで強烈ではないので、うまく仕掛けられた馬に幸運が訪れるだろう。

行ける馬では、すっかり立て直された感もある叩き2戦目のラッキーライラックが魅力も、ちょっと長いか。

何かが残るレースなので、これが相手筆頭になりそう。

◎ポンデザール

○ラッキーライラック

▲スカーレットカラー

注クロコスミア

△ラヴズオンリーユー、クロノジェネシス、サラキア、シャドウディーヴァ