皐月賞2015 予想

今年の皐月賞は15頭立て。79年以降、こんな頭数の皐月賞は行われてない。

有力馬が減ったのではなく、能力馬が走りやすい条件が整ったという側面を重視したら、先週の恥辱にまみれた驕り高い推理の失敗に学ぶというだけでは、きっとまた勝利の女神には見放されてしまうと考えた。反省のない者に、未来へ繋がる道があるとも思わないが…。

この悪酔い覚ましのもう一杯に期待したいのがドゥラメンテである。極めて危険な上位人気馬だとは思う。

散々引き合いに出して、自ら墓穴にハマったエアグルーヴを頂点にするパロクサイド系の晩成傾向は、トニービンというキーホースがその影響を強めたわけではない。

ドゥラメンテの母アドマイヤグルーヴもそうだったが、ただひたすらに消耗をするだけの道中での気の悪さは、エアグルーヴを形成する上で重要なファクターとなったトニービン×ノーザンテーストというハイグレードニックス配合で同時に生じたホーンビーム<トニービンの母父>のBMSとパロクサイド<ドゥラメンテの5代母>の父父ナスルーラのクロスが誘発した、シャダイフェザー<同4代母>の父ガーサントの気性難の系譜によるところが大きい。

結局、これがほとんど全ての晩成化の要因となっている。

完成が遅いのは、エアグルーヴを経てなくても同じだが、早くから結果を出したアイムユアーズ<3代母が共通>に執拗なノーザンダンサーのクロスが掛けられていたりして、叔父で配合も似ているルーラーシップと性向を異にする場合もある。

叔父はいかにもという血の継承者という競馬ぶり。一族の異端児たるアイムユアーズは、明らかに適性外のオークスでさえ4着と好走している。

完成期が違ったのは、トニービンの血のあるなしの差もあるだろうが、キングマンボ系種牡馬と密接な関係の構築を求められる時期に、この差異をどう捉えるべきか。

エルコンドルパサー<アイムユアーズの母父>、キングカメハメハ<ルーラーシップとドゥラメンテの父>は、配合次第の成長曲線を描くが、各々牝系に重厚な欧州血統が入っているせいか、軽薄な早熟馬は出さない。

ただ…。祖母も新馬で負けている。そこからきっちり勝ち星を重ね、暮れのGⅠ2着にまで漕ぎつけた。

母は、桜花賞の前に若葉Sを僅かの差で勝って、秋にはGⅠ馬になっている。

牡馬の方が概ね完成期は遅れるが、休み明け圧勝後の中1週の初重賞で、本当の力を出せるタイプには思えない。共同通信杯で先着を許したリアルスティールは、仕掛け遅れながらGⅠ馬はきっちり封じ込め、連対は外さなかった。

母父マーベラスサンデーのカメハメハ産駒が桜花賞を勝てるわけだから…。調子落ちがなければ、まず力上位だろうとみる。

ディープ産駒の勝機と読めなくもないが、粗削りでも才気にあふれる馬の二択で、同厩の賞金ギリギリの方を選択したわけだから、間にディープを挟んでこれをつまみにする。

適性順に決まる皐月賞という見解。だからこそ、余程のことがない限りは、今週の波乱は望めないと考えたのだが、甘いかもしれない。(笑)