秋華賞 予想
目次
1996年に、それまで3歳限定の牝馬GⅠとして長く定着していたエリザベス女王杯を古馬に開放した関係で、最初、10月の京都開催の3週目に新設されたのが芝2000Mの秋華賞です。
桜花賞が1600Mというスタンダードな条件であるために、オークスがしばらく浮いた存在になっていましたが、強い牝馬にとってはこれの上なく走りやすい条件である秋華賞が歴史を積み重ねていった結果、2003年のスティルインラブを初めに、
エリザベス女王杯が最終戦だった時代は1頭だけだった牝馬三冠は、近10年で急増し、2019年までに秋華賞での三冠達成者は計4頭となり、2020年にはついに、デアリングタクト無敗での三冠を達成しました。
ちなみに、2021年と2022年は京都競馬場で改修工事が行われていた関係で、阪神競馬場で開催されたため、データを集める際には慎重にしておきたいところです。
馬名 | 年度 |
---|---|
スティルインラブ | 2003年 |
アパパネ | 2010年 |
ジェンティルドンナ | 2012年 |
アーモンドアイ | 2018年 |
デアリングタクト | 2020年 |
リバティアイランド | 2023年 |
秋華賞の特徴
距離設定はオーソドックスでも、コーナー4つで、またタイトな小回りコースであるために、締まった展開になれば先行勢の粘り込みは望み薄で、逆に遅くなると、まず差し追い込みは物理的に届かない展開になるなど、当初から爆発的な波乱が頻発するレースとして、穴党には挑みがいのあるレースでした。
しかし、三冠馬が続々誕生する昨今は、レースの質もメンバーのクオリティにしても、高水準で安定化したため、断然支持の馬がよもやの敗北という結果にはならない、本来あるべき根幹距離GⅠの姿を見せています。
秋華賞の歴代優勝馬
開催年 | 1着馬 | 騎手 | 人気 | 前走 | 父名 | 2着馬 | 騎手 | 人気 | 前走 | 父名 | 3着馬 | 騎手 | 人気 | 前走 | 父名 |
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2010年 | アパパネ | 蛯名正義 | 1 | ローズS④ | キングカメハメハ | アニメイトバイオ | 後藤浩輝 | 6 | ローズS① | ゼンノロブロイ | アプリコットフィズ | 武豊 | 2 | クイーンS① | ジャングルポケット |
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<2011年> | アヴェンチュラ | 岩田康誠 | 2 | クイーンS① | ジャングルポケット | キョウワジャンヌ | 飯田祐史 | 7 | ローズS③ | ハーツクライ | ホエールキャプチャ | 池添謙一 | 1 | ローズS① | クロフネ |
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2012年 | ジェンティルドンナ | 岩田康誠 | 1 | ローズS① | ディープインパクト | ヴィルシーナ | 内田博幸 | 2 | ローズS② | ディープインパクト | アロマティコ | 佐藤哲三 | 6 | 1600万③ | キングカメハメハ |
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2013年 | メイショウマンボ | 武幸四郎 | 3 | ローズS「4」 | スズカマンボ | スマートレイアー | 武豊 | 2 | 1000万① | ディープインパクト | リラコサージュ | 池添謙一 | 15 | ローズS「18」 | ブライアンズタイム |
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2014年 | ショウナンパンドラ | 浜中俊 | 3 | 紫苑S【2】 | ディープインパクト | ヌーヴォレコルト | 岩田康誠 | 1 | ローズS① | ハーツクライ | タガノエトワール | 小牧太 | 4 | ローズS② | キングカメハメハ |
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2015年 | ミッキークイーン | 浜中俊 | 1 | ローズS② | ディープインパクト | クイーンズリング | M.デムーロ | 5 | ローズS⑤ | マンハッタンカフェ | マキシマムドパリ | 幸英明 | 7 | 1000万① | キングカメハメハ |
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2016年 | ヴィブロス | 福永祐一 | 3 | 紫苑S② | ディープインパクト | パールコード | 川田将雅 | 4 | 紫苑S⑤ | ヴィクトワールピサ | カイザーバル | 四位洋文 | 8 | ローズS「3」 | エンパイアメーカー |
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「2017年」 | ディアドラ | C.ルメール | 3 | 紫苑S① | ハービンジャー | リスグラシュー | 武豊 | 4 | ローズS③ | ハーツクライ | モズカッチャン | M.デムーロ | 5 | ローズS⑦ | ハービンジャー |
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2018年 | アーモンドアイ | C.ルメール | 1 | 優駿牝馬① | ロードカナロア | ミッキーチャーム | 川田将雅 | 5 | 1000万① | ディープインパクト | カンタービレ | 武豊 | 3 | ローズS① | ディープインパクト |
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<2019年> | クロノジェネシス | 北村友一 | 4 | 優駿牝馬③ | バゴ | カレンブーケドール | 津村明秀 | 2 | 紫苑S③ | ディープインパクト | シゲルピンクダイヤ | 和田竜二 | 10 | ローズS④ | ダイワメジャー |
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<2020年> | デアリングタクト | 松山弘平 | 1 | 優駿牝馬① | エピファネイア | マジックキャッスル | 大野拓弥 | 10 | 紫苑S<4> | ディープインパクト | ソフトフルート | 藤岡康太 | 9 | 2勝① | ディープインパクト |
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2021年 | アカイトリノムスメ | 戸崎圭太 | 4 | 優駿牝馬② | ディープインパクト | ファインルージュ | C.ルメール | 2 | 紫苑S① | キズナ | アンドヴァラナウト | 福永祐一 | 3 | ローズS① | キングカメハメハ |
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2022年 | スタニングローズ | 坂井瑠星 | 3 | 紫苑S① | キングカメハメハ | ナミュール | 横山武史 | 2 | 優駿牝馬③ | ハービンジャー | スターズオンアース | C.ルメール | 1 | 優駿牝馬① | ドゥラメンテ | |
2023年 | リバティアイランド | 川田将雅 | 1 | 優駿牝馬① | ドゥラメンテ | マスクトディーヴァ | 岩田望来 | 3 | ローズS① | ルーラーシップ | ハーパー | C.ルメール | 2 | 優駿牝馬② | ハーツクライ | |
2024年 | チェルヴィニア | C.ルメール | 1 | 優駿牝馬① | ハービンジャー | ボンドガール | 武豊 | 5 | 紫苑S③ | ダイワメジャー | ステレンボッシュ | 戸崎 圭太 | 2 | 優駿牝馬② | エピファネイア |
<良は無印/着順○・<稍>「重」【不良】
オークス出走馬が年を追うごとに優勢の傾向です。
過去10年をとっても、優駿牝馬<オークス>→ローズS、紫苑S、直行のいずれかの馬が、実に6頭勝利していて、残る4頭も、春の牝馬重賞やトライアルに参戦していた馬で、例外のアヴェンチュラは古馬混合のクイーンSを勝ってから参戦、オークスの後に自己条件を勝って紫苑S経由のディアドラ以外は、紫苑Sの2着馬ということで、実質、勝ちパターンは固定化されつつあります。
単穴の紫苑S、本流のローズS、才能あるなら直行という感じでしょうか。
また、桜花賞連対馬は前走好走の差し馬が良い傾向にあります。
先行して快勝の桜花賞の再現を、この秋華賞でもできたという馬は強烈なメンツばかりで、
- 1997年 2着 キョウエイマーチ
- 2001年 1着 テイエムオーシャン
- 2007年 1着 ダイワスカーレット
一方、差し脚質で秋華賞馬となった桜花賞連対馬はというと、
- メジロドーベル
- ファレノプシス
- ジェンティルドンナ
- アーモンドアイ
スティルインラブは3角5番手でそこから押し上げていって、直線は楽々抜け出し。
アパパネだと⑤−④という通過順位でほとんど同じ。
ただ、三冠馬がトライアルで崩れたのに対し、差しの4頭は皆前走も勝っているので、意外と、桜花賞で差してきた馬の方が安心な面はありそうです。
秋華賞 過去10年のデータベース
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気が優勝 | 4回 | 1回 | 1回 | 4回 | 40% | 50% | 60% |
優駿牝馬1~3着の馬 | 5回 | 1回 | 2回 | 3回 | 45% | 55% | 73% |
優駿牝馬4~8着の馬 | 0回 | 0回 | 0回 | 5回 | 0% | 0% | 0% |
優駿牝馬9着以下の馬 | 0回 | 0回 | 0回 | 8回 | 0% | 0% | 0% |
紫苑Sの連対馬 | 3回 | 1回 | 0回 | 13回 | 18% | 24% | 24% |
紫苑Sで3着以下の馬 | 0回 | 0回 | 0回 | 13回 | 0% | 0% | 0% |
オープン本賞金獲得馬 | 0回 | 3回 | 0回 | 20回 | 0% | 13% | 13% |
ローズS1~3着 | 1回 | 3回 | 4回 | 17回 | 4% | 16% | 32% |
前々走がオークス | 0回 | 1回 | 2回 | 18回 | 0% | 5% | 14% |
札幌開催の重賞 | 0回 | 0回 | 0回 | 6回 | 0% | 0% | 0% |
2勝クラス/関西圏特別戦 | 0回 | 0回 | 2回 | 8回 | 0% | 0% | 20% |
2勝クラス/関東圏特別戦 | 0回 | 0回 | 0回 | 5回 | 0% | 0% | 0% |
2勝クラス/北海道戦 | 0回 | 1回 | 0回 | 1回 | 0% | 50% | 50% |
秋華賞 攻略のポイント
春の開催からは半年近く未使用期間があり、1分58秒台で決着するのが当たり前で、相当な道悪になっても、2分は切っていますから、牝馬の重賞としては極めて高水準のレベル。
過去の勝ち馬全てに共通することは、1800M以上の芝での実績というより、ハイペースをマイル以上の距離で経験済みか否かがポイント。
2000M以上に実績集中の上り馬を除けば、本流組が強いわけで、必ずどこかでハイレベルの重賞や古馬との厳しい戦いを経験しているはず。
これにスローの経験しかないショウナンパンドラように極悪馬場での好走実績が加われば、まず堅いでしょう。
スプリンターズステークス2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り
スプリンターズステークス2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切りの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!
歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。
レース名 | 第29回秋華賞(G1) |
グレード | 重賞(G1) |
日程 | 2024年10月13日(日) |
発走時間 | 15時40分 |
開催場所 | 京都競馬場 |
距離 | 芝2,000m |
コース | 右回り |
賞金 | 1億1000万円 |
レコードタイム | 1:56.8 |
秋華賞2024予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)
秋華賞2024の予想オッズと登録馬
枠順 | 馬番 | 出走予定馬 | 騎手 | 性齢 | 斤量 | 予想オッズ | 人気 | 1週前追い切り | 最終追い切り |
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1 | 1 | ホーエリート | 北村友一 | 牝3 | 55.0 | 56.3 | 14 | 美浦・ウッド・良(助手) 6F 80.9-64.9-51.0-36.9-11.2(馬なり) | 美浦・ウッド・不良(助手) 6F 85.2-68.8-53.4-38.6-12.4(馬なり) |
2 | 2 | ミアネーロ | 津村 明秀 | 牝3 | 55.0 | 13.0 | 4 | 栗東・CW・良(助手) 6F 85.2-68.8-52.2-36.9-11.4(馬なり) | 栗東・CW・稍重(津村明) 7F 97.9-65.6-50.0-35.7-11.3(馬なり) |
2 | 3 | クイーンズウォーク | 川田 将雅 | 牝3 | 55.0 | 4.9 | 3 | 栗東・CW・良(川田将) 6F 83.3-67.5-52.5-37.4-11.2(直強め) | 栗東・CW・稍重(助手) 800m 57.0-41.3-26.3-12.8(馬なり) |
3 | 4 | タガノエルピーダ | 団野大成 | 牝3 | 55.0 | 25.1 | 9 | 栗東・坂路・良(助手) 800m 55.3-39.3-24.8-11.9(強め) | 栗東・坂路・稍重(団野大) 800m 56.4-39.9-24.9-12.0(強め) |
3 | 5 | チェルヴィニア | C.ルメール | 牝3 | 55.0 | 3.9 | 2 | 美浦・ウッド・良(助手) 7F 96.4-65.4-50.9-37.0-11.4(馬なり) | 美浦・ウッド・不良(助手) 6F 83.6-67.8-53.0-38.1-11.7(馬なり) |
4 | 6 | ラビットアイ | 横山典弘 | 牝3 | 55.0 | 80.1 | 15 | 栗東・CW・良(助手) 6F 84.4-68.1-52.4-37.2-11.7(強め) | 栗東・CW・稍重(助手) 6F 86.0-69.7-54.2-38.4-11.3(馬なり) |
4 | 7 | チルカーノ | 鮫島克駿 | 牝3 | 55.0 | 34.5 | 12 | 栗東・坂路・良(鮫島駿) 800m 56.4-40.3-25.6-12.2(一杯) | 栗東・坂路・良(助手) 800m 56.8-40.9-26.0-12.2(馬なり) |
5 | 8 | コガネノソラ | 丹内祐次 | 牝3 | 55.0 | 27.7 | 11 | 美浦・ウッド・重(丹内祐) 6F 82.5-66.5-51.3-36.9-11.3(末一杯) | 美浦・ポリ・不良(助手) 5F 73.0-57.1-41.9-12.1(馬なり) |
5 | 9 | アドマイヤベル | 横山武史 | 牝3 | 55.0 | 25.2 | 10 | 美浦・ウッド・良(横山武) 6F 82.6-66.2-51.0-36.7-11.0(強め) | 美浦・ウッド・不良(助手) 5F 69.5-54.2-39.3-12.6(馬なり) |
6 | 10 | ボンドガール | 武豊 | 牝3 | 55.0 | 17.3 | 6 | 美浦・ウッド・良(助手) 6F 82.7-66.8-52.3-38.4-12.0(強め) | 美浦・坂路・不良(助手) 800m 54.0-40.0-27.1-13.9(一杯) |
6 | 11 | ランスオブクイーン | 松山弘平 | 牝3 | 55.0 | 17.9 | 7 | 栗東・CW・良(松山弘) 6F 81.9-66.1-51.8-37.5-12.1(馬なり) | 栗東・ポリ・良(松山弘) 6F 84.3-67.2-51.8-38.2-11.7(馬なり) |
7 | 12 | ラヴァンダ | 岩田望来 | 牝3 | 55.0 | 49.3 | 13 | 栗東・CW・良(田中健) 7F 96.6-65.0-50.1-36.4-11.7(馬なり) | 栗東・CW・稍重(助手) 800m 54.4-38.6-24.3-11.8(強め) |
7 | 13 | クリスマスパレード | 石川 裕紀人 | 牝3 | 55.0 | 16.7 | 5 | 栗東・坂路・良(助手) 800m 56.4-41.8-28.6-14.4(馬なり) | 栗東・坂路・稍重(助手) 800m 53.2-38.7-25.7-12.7(馬なり) |
8 | 14 | ステレンボッシュ | 戸崎 圭太 | 牝3 | 55.0 | 3.4 | 1 | 栗東・坂路・良(助手) 800m 52.2-38.0-25.2-12.9(一杯) | 栗東・CW・稍重(戸崎圭) 6F 81.3-66.1-50.6-36.3-11.4(稍一杯) |
8 | 15 | セキトバイースト | 藤岡佑介 | 牝3 | 55.0 | 21.3 | 8 | 栗東・CW・良(藤岡佑) 6F 83.1-67.9-52.5-37.1-11.3(一杯) | 栗東・CW・稍重(藤岡佑) 4F 50.3-35.9-11.4(馬なり) |
脚質 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
逃げ馬 | 1回 | 2回 | 1回 | 20回 | 4.2% | 12.5% | 16.7% |
先行馬 | 4回 | 4回 | 3回 | 56回 | 6.0% | 11.9% | 16.4% |
差し馬 | 14回 | 10回 | 14回 | 119回 | 8.9% | 15.3% | 24.2% |
追い込み馬 | 1回 | 4回 | 2回 | 98回 | 1.0% | 4.8% | 6.7% |
枠順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0回 | 4回 | 3回 | 32回 | 0.0% | 10.3% | 17.9% |
2枠 | 2回 | 2回 | 3回 | 32回 | 5.1% | 10.3% | 17.9% |
3枠 | 4回 | 1回 | 3回 | 32回 | 10.0% | 12.5% | 20.0% |
4枠 | 2回 | 4回 | 1回 | 32回 | 5.0% | 15.0% | 17.5% |
5枠 | 2回 | 4回 | 1回 | 33回 | 2.5% | 7.5% | 12.5% |
6枠 | 4回 | 2回 | 3回 | 31回 | 10.0% | 15.0% | 22.5% |
7枠 | 5回 | 2回 | 4回 | 46回 | 8.8% | 12.3% | 19.3% |
8枠 | 2回 | 3回 | 1回 | 52回 | 3.4% | 8.6% | 10.3% |
種牡馬 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
キズナ | 16回 | 6回 | 5回 | 63回 | 17.8% | 24.4% | 30.0% |
ディープインパクト | 13回 | 17回 | 11回 | 53回 | 13.8% | 31.9% | 43.6% |
ハーツクライ | 11回 | 6回 | 9回 | 59回 | 12.9% | 20.0% | 30.6% |
ハービンジャー | 7回 | 15回 | 6回 | 52回 | 8.8% | 27.5% | 35.0% |
ロードカナロア | 7回 | 1回 | 3回 | 26回 | 18.9% | 21.6% | 29.7% |
オルフェーヴル | 5回 | 6回 | 4回 | 32回 | 10.6% | 23.4% | 31.9% |
エピファネイア | 4回 | 8回 | 4回 | 55回 | 5.6% | 16.9% | 22.5% |
ジャスタウェイ | 4回 | 4回 | 4回 | 20回 | 12.5% | 25.0% | 37.5% |
ルーラーシップ | 4回 | 2回 | 6回 | 47回 | 6.8% | 10.2% | 20.3% |
ゴールドシップ | 4回 | 1回 | 2回 | 30回 | 10.8% | 13.5% | 18.9% |
秋華賞2024 - 過去10年のデータ傾向
三冠達成が当たり前になりすぎて見逃されがちな、やはり、人気馬には少し苦しいという一般傾向
三冠期待の4頭が、いずれも馬券内に入り、3着は1度だけ。
その他にも二冠期待の馬が3頭いて、【1・1・0・1】だった。
NHKマイルCとの変則二冠に失敗のアエロリット、ビッシュとダノンファンタジーは期待に応えられる条件ではなかったと同時に、メンタルにもこの頃から不安を抱えるようになっていたから、春までの激走が大きく内面を変容させたという部分も否めない。
つまり、いい加減な理由で本命視されると、案外厳しいというもの。
エアグルーヴやダンスインザムードが人気になるのは、武豊人気もあるから仕方ないにしても、結果的に、どこかピントがズレていた部分もある。
勝ったのはそれぞれ、ファビラスラフィンとスイープトウショウ。
登場するそのいずれもが、歴史的な働きを見せた男勝りの名牝であると気がつく。
騎手の力だけで操作できない何かが働いた時、その対にいる、まさに対抗馬的存在の能力が全開になるのである。
アエロリットが道悪に苦しむ中、明快な回答を見せたのは、勝ち切ったディアドラだけでなく、リスグラシュー、モズカッチャンといた猛獣クラスの女傑ばかり。
層が厚い今年は、そうした逆転の構図がいくらでも隠されている。
人気馬に囚われる二冠達成プランなどの、無駄に出資が求められる安定株に即座に飛びつくのは、よした方がいい。
パドックを見て、明らかに1強と思わせたサトノレーヴだって、何かがかみ合わないとあっさりの着外敗退だったのであるわけだから。
簡単に手に入るコンビニ感覚のオークス直行組は、オリジナルブランド=世代内優良品でも、出来合いのもののみが買いで定番化
ここ3度の三冠は、いずれもオークスからの直行で達成されたので、牧場も血統もちょっとブランドに差があるにしても、社台ブランドやその関連血統とキングカメハメハで共通の3頭、未だにやる気満々であろう二冠馬・スターズオンアースまで含めて、ある程度の推奨ブランドが定番化している部分がある。
少し前までだと、ディープが乱立していた時代で、ある種の混戦であったのだが、少し整理されたことで、見える化が進んだ。
そういう中にあって、ハービンジャー<ディアドラ>、エピファネイア<デアリングタクト>という、旧知の国内良血牝馬との相性抜群の重厚な種牡馬の娘が、今年の主役候補に挙がる。
買うならこのいずれか、つまりは、チェルヴィニアとステレンボッシュとほぼ確定的だった部分に加えて、全体傾向でも、ほぼ負けている馬は用なし状態であるから、傾向分析の端緒として、アドマイヤベル軸という縛りで入るのは、ほぼノー感じで三振覚悟のホームラン狙いになってくる。
序列も案外はっきりしているから、ルメールがどれに乗るクイズの回答が出ているところで、軸はもうすでに最初から、チェルヴィニアであると言い切れるのである。
これ以外について、よく思考を巡らせていくべきなのではないだろうか。
王道のトライアルになった紫苑S組もまた、下手な買い方は出来ないほど、立派に成長を遂げてきた
ショウナンパンドラ、ヴィブロス、ディアドラ、スタニングローズなど、春の実績に関わらず、紫苑S連対馬の好走が、トライアル組ではかなり出色の傾向を示し、実質、2パターン化が確立とも評せるわけだが、オークス直行の組がハマる確率は、意外なほど厳密な審査基準があるだから、本来は、ローズSになり代わって、こちらが秋の本流組という形で定番化していくはずだ。
ローズSは阪神1800では高速にすぎて、中京2000変則だとタフすぎるきらいがある。
3着馬はあまり来たことはないが、ボンドガールといえば、新馬でチェルヴィニアを競り負かしたという金看板がひとつの売り。
それだけで買うならまだしも、過剰にチェルヴィニアが売れるならば…。
武豊人気が落ちる理由もないので、いずれも中途半端に売れるとみて、ここは軽く見ているが、十二分にワンツーして不思議ないほど、才能に溢れる2頭ではある。
他方、連対を果たしたクリスマスパレードとミアネーロは、超高速決着ながら、故に、土着適性が活かされたかのような、中山内回りに縁のある才能。
その点で、勝ち切ったクリスマスパレードを評価しつつ、昨年のびっくり箱を全開にしたかのようなモリアーナほどの迫力は、さすがにないと見て、相対的なプラスを持ったトライアル組はいないという観点からも、秋の王道から進んだ組でこの馬を別格扱いにする、マスクトディーヴァ方式での単穴推奨とする。
トライアル組が全部馬券外という年は、ローズSとの濃密なコネクションがあったことで、それこそ、第1回のエアグルーヴとともに消えた宝塚記念4着後に重賞連勝のヒシナタリーが、秋のデビューから使い詰めで粉砕された時に、旧トライアルのクイーンSもろとも消え去った、超例外があるのみ。
時代は大きく移り変わり、今年で29回目。
その再現もあるという見立てで、クロに留めるアクドイ筆者なのである。
いつの時代も定期的に穴を開ける、前走2勝クラス勝ち馬
前走2勝クラス<旧900、1000万下条件>を勝ってきた馬の連勝は、実は、武幸四郎=ティコティコタックの大万馬券連続年発生の2000年一例のみ。
武豊にしてやられるところだった、現調教師の弟にとって2勝目のメイショウマンボの2着スマートレイアーが、王道に近い、関西圏の2勝クラス勝ちからの最後の連続連対馬。
アーモンドアイのポジショニングの妙を突いた川田の楽々逃げ切り未遂のミッキーチャームは、横山典弘専属エスコートの特別仕様化を、完全コピーしながら、2000M向きにカスタマイズし直した、見事な先行策だったが、これは今のトレンドに近い、札幌からの2か月以上開いたローテ。
今にして思うと、中内田厩舎の馬に野田みづきオーナー所有とはいえ、横山典弘騎乗というのも珍妙であるが、その意図を理解した川田騎手は、しっかりと重賞を2つ、好位抜け出しで勝たせている。
あとは幸英明、藤岡康太など、見どころのある牝馬を委ねると心強い名手を背に、強い馬に隠れてよく頑張った3着があるくらいで、実際は、買えるかどうかとなると押さえ止まりが関の山といった塩梅なのだが、やはりというか、傾向分析で来ないという全般のトレンドに反してくるくらいで、来たのなら、一定のリターンを期待できる。
近年で買える、その他路線組の筆頭に上がるこの2勝クラス勝ちの馬は、チルカーノのみだから、はっきりとしたスタンスをとれる。
いい加減な理由で、後述する血統的事情と合わせ、オークス馬と同格という妄想を盾に、今度は、鮫島克駿騎手の栄冠に期待するG1ということで、引き続きの穴狙いを出来る限り長伸ばしさせようという魂胆が、何とも卑しい筆者なのである。
秋華賞2024- 出走予定馬の血統/成績/タイム
逆襲のハービンジャーが送り込む、あの惜敗女王の娘が、何だか面白そうな存在になっている
チルカーノの血統
2012年、このレースで三冠の懸かるジェンティルドンナが、積極策のヴィルシーナに一泡吹かされそうな状況に追い込まれ、ギリギリの攻防になったことで、結果的に、名勝負へと転じていった死闘の裏で、上がり馬として快走の3着をしてみせたのが、母のアロマティコ。
結果として、重賞は勝ち切れなかったものの、禍を転じて福と為すと言わんばかりに、ここまで唯一となるG1タイトルを、ドレフォン産駒のジオグリフによる皐月賞制覇で得たのは、大舞台で勝ち切れないことの多かった一族の中では吉報となった。
桜花賞になども強い馬を送り込みながら、ずっと勝ち切れずにいたハービンジャーの娘たちも、ようやく、その舞台で粉砕された直後のチェルヴィニアの大逆襲により、オークス制覇を果たす。
産駒のクラシック初制覇には、長い時間がかかってしまったということでは、チルカーノが抱える課題は、少しずつ周りが克服していったことにもなる。
同時に、同期生にはついこの間のマリーンCで自爆してしまったものの、関東オークスでは、颯爽と後続に大差をつける独走劇で重賞初制覇を果たしているアンデスビエントもいる。
近年、突如として、アロマティコの周辺にいるシャダイチャッターを経ないレディチャッター系の傍流が少し元気になっている。
トレンドとして、だいたい7、8年周期で活躍のみられる、台風だが地震だとかの調子によく似たリズムを作るこのファミリーには、今、絶好の勝機が訪れようとしている。
母も重賞初挑戦がこのレースだった。
昇級初戦は小休止のリズムもよく似ているが、G1となると、いきなりの好走というところも似ていてもらいたいところだ。
かなり競走馬としての個性が酷似している点は、やはり、母娘だけに見逃せないところだ。
よく考えてみたら、ハービンジャー×キンカメ×サンデーという組み合わせ…、チェルヴィニアと全く同じである。
秋華賞2024 - レース展開と最終予想
母アロマティコとこのチルカーノは、初勝利のタイミングこそ、3戦目と初戦、距離も若干違うところで、暮れの阪神、450kg台前半の馬体重と、共通する点も多く見られるから、内面からしてそっくりなのだろう。
偉大なる母にまではまだなっていないものの、チルカーノの半兄には、僚馬イクイノックス、ダービーを勝つ2歳チャンプのドウデュース、菊花賞快時計勝ちを後に決めるアスクビクターモアに、この後強くなる天皇賞快走のジャスティンパレスなども一気に皐月賞で負かしたジオグリフがいる。
ジェンティルドンナとヴィルシーナによるハナ差の決闘に加え、メイショウマンボとラキシスで決まった雨のエリザベス女王杯での各3着の実績を持つアロマティコも、強敵を待つという謎の強気すぎるメンタリティーがあった。
決め手は一級品でも、使える脚には限りがあるという典型。
故に、新潟の佐渡Sを除くあとの5勝は、その全てが右回りの直線が短いコースで挙げたものであった。
府中牝馬Sで人気を裏切った後に、人気ガタ落ちの本番で3着に突っ込んでくるあたり、典型的な二番の利かないキャラクターが、そっくりそのまま、デビューからの1、10、1、8、1着という浮き沈みの激しい、それも着順を落としたレースが比較的少頭数で、尚更悪目立ちするという、チルカーノの性格分析から、ローテは決まって、詰めて使われることはないという流れで来ているところで、普通に考えると、上位進出が考えづらいのだが…。
アロマティコも準オープンで負けた後、同じ着順、だいたい同じタイムで、それも鞍上が替わって結果を出した秋華賞でもあった。
娘の方がテン乗りというのは違うが、お互いに、矢車賞を勝って、夏の関西ローカルで力をつけてきたことは同じで、一緒にここまで3勝というキャリア。
通常通りに京都でやるのだから、狙わない手はない。
阪神マイルのデビュー戦は圧巻で、かなり手間取ったという感じというより、ムルザバエフ騎手が慎重に乗った結果、外へ回していくしかないほど、序盤は遅れたのだが、超スローのおかげでそこまで置かれず、直線一気で初陣を勝利で飾った。
それと似たような3戦目の矢車賞<母は秋華賞と同じ2000で娘は外回りの2200>も、一気の距離延長で、鞍上も西村騎手が初めて実戦騎乗だから、似た感じのスパートが、結果功を奏した印象。
ただし、合間に挟まる、ルメートルのエルフィンSも、普通に乗った内回り2000意識の前々走・西村継続騎乗の稲荷特別は、モタモタしたのと、普通の競馬のリズムが合わないというのと、とてもちぐはぐな感じで、どうにも掴めないところは、佐々木晶三厩舎主戦級の佐藤哲三元騎手がポツポツ騎乗を継続するなどしつつ、次に勝つ騎手は大体違う…、何とも男たらしで、憎めない性質が愛らしい顔立ち共に、ファンも多かったアロマティコの遺伝子をもろに受け継いでいるようにも感じる。
しかし、この間のスプリンターズを無心で制した西村淳也は、一味違った。
狙いに見合った実績を残しつつある中で、まだ死角に多いこの馬に対し、少頭数を利して、中団で抑え、直線で末を引き出す内容。
似たようなキャラにも映るひとつお姉さんのイトカワサクラに、数字上でも迫られるというゴール前ではあったが、流れを見て、正しいポイントから動き出していくことができて、全く危なげない勝ち上がり方だった。
牝馬限定レースばかり選んできたせいで、本番想定のよくわからないスピードで飛ばす伏兵出現の際に、対処能力の方がどうかという話にもなってくるが、古馬と複数対戦していれば、そうした牡馬とも走ったこともあるチルカーノにも、クラシック激闘の経験があるメンツとやり合えるだけの武器は備わっているというのは、母が実際に証明したことでもある。
新馬戦で17頭立ても経験し、キャラもしっかりと確立され、他に流されないことで己の良いところを最大限に見せつけるとき、結果が残せるタイプ。
鞍上変更の効果がてきめんということでは、鮫島克駿騎手への手替わりはマイナスではない。
ダービーへの騎乗も、今年はトライアル微差の2着でチケットを手に入れたショウナンラプンタで果たし、一応、賞金では問題なくいけた菊花賞への出走権も得ているものの、昨年はジャスティンパレスを手に入れかけたところで、僅差の激闘3着に見切りをつけられたような菊花賞でもあって、宝塚再騎乗でも十分な仕事をした3着だったが、不完全燃焼でもあった。
スルーセブンシーズがあわや勝ったかというところで、影が薄くなるという悲運も重なった。
エトヴプレへの悲しい別れに繋がっていく代打騎乗の桜花賞も素晴らしかったが、三浦皇成がまだ中央のタイトルに届かないように、この男にも、待ちわびた春の訪れを望む声がやむことはない。
実力勝負の世界とはいえ、一旦の同期や前後近い世代との棲み分けや競争を整理した後に待ち受ける、本当の意味での淘汰の危機を、まだ乗り越えることができていない克駿騎手には、仔出しがよく、ジオグリフの兄であるアルビージャが6歳にして重賞初挑戦となったオールカマーで、大健闘の5着<=G1好走馬やそこで人気になった馬に先着>だから、息を吹き返しつつある皐月賞馬に続き、一気にスターダムにのし上がって不思議ないほど、このファミリーは元気さを取り戻しているという、ささやかながらも、大きな支えが後を押してくれそうだ。
明らかに中距離の差し馬タイプで、血統背景からも、秋の長雨がひと月遅れでトップシーズンに入ったとすると、このファミリーの実績からも、高速馬場ではいくらか割り引きの傾向に対し、一気に買い材料へと変化する部分もあって、稍重最強説もあるハービンジャーの産駒のこと、こうした運を引き寄せられたら、好走の確率は格段に引き上げられることにもなる。
まだ走ったことのない道悪適性を語ることは難しいが、豊かな語彙力が要求されるような、表現に困る馬場状態だった皐月賞をジオグリフが制していることからも、広い馬場得意の雰囲気は、このレースで一気にイメージチェンジされるだろうことを期待し、チルカーノの秘める才能にここは賭けてみたいと考える。