秋華賞2014 予想
今週は小牧太が狙い目かもしれない。調子も悪くない。
つまり、秋華賞はタガノエトワールでいくということだ。
先行馬に乗る機会があまり多くないように思うのも、小柄なボディーでゴール前まで必死に追い続ける姿が皆の印象に強く残っているからなのかもしれない。
タガノエトワールで急に前に行く策へと転じるのは、相当なリスクとバッシングの的となる可能性を秘める。
アギーレにあれだけケチをつけるマスコミが、キャリア5戦目の牝馬に騎手が無理強いさせて、万が一、故障でもさせようものなら…。
世界のスターにコテンパンにやられれば、批判対象が身内に向かうのは致し方ないのだが、その吊し上げ方は少し考え物である。己を磨き直すことも忘れないでもらいたい。
脱線した。追い込みを鮮やかに決めるイメージは、公営所属時から目をかけていた橋口調教師の管理馬であるローズバドやその息子ローズキングダム、ペールギュントといった当時の厩舎の一番馬に必ず小牧騎手が跨っていたことによる影響が大きい。
そして、その初重賞制覇時に騎乗していた彼は、古馬GⅠの大舞台で輝く瞬間には別の馬に乗っているか、その場所にいなかったりということばかり。ローズキングダムにダービーで乗れなかった悲運もある。何を失ってでも取り返したい人生におけるこの空白は、簡単には埋められない。
中央に腰を据えて、あまりその存在感が目立たなくなってきた頃、桜花賞で大穴をあけたのが08年。
そのレジネッタも、いつの間にやら別の騎手に替わっていた。
先週の毎日王冠で唇を噛んで、首も傾げているだろうことが想像できるあまりにも空しいワールドエースの敗走。かつて、縁あって最初の重賞タイトルをモノにした時のイメージはもうそこにはなく、ひたすらに?のつく結果だった。
縁にまつわるサクセスストーリーが感動を与えることは多いが、この男、なかなかに勝負運をモノにできない。
振り返れば振り返るほど、泣き虫ふとしの嬉し涙が見たくなってきた。
今週はGⅠ馬の陰で競馬ができる。
牝馬のことならお任せの松田博資厩舎の馬。どういう経緯で前回お鉢が回ってきたのかはよくわからないが、1勝馬に厩舎の主戦クラスを乗せることは考えづらい。縁があったということだろう。
タガノエトワールには、血統的背景の中に異様なほどお膳立て血脈のきらいがある。
伯父にローゼンカバリーがいる。春の天皇賞3着の実績を持つ重賞4勝馬。長距離実績は文句なしだったが、何となく関東のセカンドクラスの悲哀がその印象の大部分を占めている。あの充実の時代に活躍した馬だからなあ。
見方を変えると、スーパーヒロイン・ハープスターがいないのであれば、3歳の手駒が豊富な厩舎の傾向からも、勢いで一番のこの馬にはチャンスが十分ある、とも言えなくはない。その辺りが、小牧騎手とマッチしそうな気がしてならない。
来そうなときは来ない。でも、勢いは欲しい。トライアル2着は、どことなくレジネッタとも共通しているような。
京都の高速馬場。内回りは展開次第のところもあるが、ヌーヴォレコルトも何かきっかけがないと復活しそうにないレッドリヴェールにしても、阪神外回りの方が持続力のある末脚をフルに発揮するのに適している気がする。割引きは必要か。
よって、対抗には好位抜け出しができるブランネージュ。秋山騎手にも奮起を期待したい。案外、この馬にはベストの条件に思う。