2023年秋華賞予想 過去10年間のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

秋華賞の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第28回秋華賞(G1)
グレード重賞(G1)
日程2023年10月15日(日)
発走時間15時40分
開催場所京都競馬場
距離芝2000m
コース右回り
賞金1億1000万円
レコードタイム1:56.8

秋華賞2023の予想オッズ/出走馬(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

秋華賞2023の予想オッズと登録馬

枠番馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11フェステスバント酒井 学牝355.0206.421栗東・坂路・良(助手)
800m 53.5-38.9-25.1-12.5(一杯)
栗東・CW・良(助手)
6F 82.3-65.6-51.0-36.3-11.5(強め)
12ハーパーC.ルメール牝355.010.12栗東・CW・良(調教師)
6F 82.6-67.2-52.7-37.5-12.0(一杯)
栗東・CW・良(助手)
7F 99.8-83.8-69.1-54.2-38.5-11.6(馬なり)
23マラキナイア池添 謙一牝355.039.28栗東・坂路・稍重(池添)
800m 59.4-43.1-28.1-13.8(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.1-39.8-25.8-12.8(馬なり)
24コナコースト鮫島 克駿牝355.029.57栗東・CW・稍重(鮫島駿)
7F 93.0-63.6-49.9-36.1-11.7(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 51.2-37.0-24.2-12.1(馬なり)
35ドゥーラ斎藤 新牝355.019.55栗東・CW・良(斎藤)
6F 82.0-66.3-51.6-37.1-11.5(一杯)
栗東・坂路・良(斎藤)
800m 55.4-40.3-24.9-12.0(馬なり)
36リバティアイランド川田 将雅牝355.01.41栗東・CW・良(川田)
6F 81.5-65.9-51.1-35.5-11.0(強め)
栗東・CW・良(川田)
7F 98.8-82.1-67.1-52.2-37.2-11.7(馬なり)
47マスクトディーヴァ岩田 望来牝355.014.13栗東・CW・良(助手)
6F 85.0-68.5-53.9-38.8-12.6(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.5-39.8-25.4-12.1(馬なり)
48モリアーナ横山 典弘牝355.014.64美浦・南W・稍重(武藤)
6F 82.6-67.1-51.9-37.6-11.5(馬なり)
美浦・南W・稍重(助手)
6F 82.6-67.0-51.5-36.6-11.4(馬なり)
59ミシシッピテソーロ石川 裕紀人牝355.0130.917美浦・南W・稍重(石川裕)
5F 69.5-54.0-38.3-11.1(馬なり)
美浦・南W・稍重(石川裕)
6F 82.1-65.7-51.5-37.5-11.6(馬なり)
510グランベルナデット松山 弘平牝355.040.39美浦・南W・稍重(助手)
7F 97.4-68.6-52.9-37.7-11.3(G前仕掛け)
美浦・南W・稍重(助手)
6F 86.4-69.7-52.7-37.9-11.3(馬なり)
611キタウイング江田 照男牝355.0239.822栗東・CW・稍重(調教師)
6F 85.2-69.1-53.7-37.9-11.4(末強め)
栗東・坂路・良(調教師)
800m 52.8-39.0-25.7-13.2(馬なり)
612ドゥアイズ西村 淳也牝355.053.810栗東・CW・良(西村淳)
7F 96.5-65.4-51.9-37.8-12.4(馬なり)
栗東・CW・良(西村淳)
5F 68.7-52.6-36.9-11.3(馬なり)
713ラヴェル坂井 瑠星牝355.072.113栗東・CW・良(坂井瑠)
6F 81.4-65.7-50.8-36.4-11.8(一杯)
栗東・坂路・良(坂井瑠)
800m 54.0-38.5-24.7-12.0(馬なり)
714コンクシェル幸 英明牝355.098.815栗東・坂路・稍重(助手)
7F 93.1-63.6-50.0-35.9-11.7(一杯)
栗東・CW・良(調教師)
6F 82.8-67.2-52.7-37.7-11.6(馬なり)
715ヒップホップソウル横山 武史牝355.027.56美浦・南W・稍重(助手)
7F 99.2-68.2-52.5-37.6-11.4(馬なり)
美浦・南W・稍重(助手)
6F 85.8-69.3-53.8-39.3-11.7(馬なり)
816ピピオラ藤岡 康太牝355.066.611栗東・CW・良(藤岡康)
6F 83.9-67.7-52.2-36.9-11.4(末強め)
栗東・CW・良(助手)
4F 52.1-36.9-11.8(強め)
817ソレイユヴィータ武豊 牝355.0111.116栗東・CW・良(服部寿)
6F 84.4-68.0-52.4-37.9-11.5(末強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.7-39.1-25.2-12.3(馬なり)
818エミューM.デムーロ牝355.0136.818美浦・南W・稍重(助手)
5F 67.9-51.7-36.9-11.8(直強め)
美浦・坂路・良(助手)
800m 55.1-39.9-25.8-12.9(末強め)
人気1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気5回3回4回8回25.0%40.0%60.0%
2番人気7回5回1回7回35.0%60.0%50.0%
3番人気5回1回2回12回25.0%30.0%40.0%
4番人気2回2回2回14回10.0%20.0%30.0%
5番人気0回4回2回14回0.0%20.0%30.0%
6~9番人気0回4回5回71回0.0%5.0%11.3%
10番人気以下1回1回4回167回0.0%1.2%3.5%
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬1回2回1回20回4.2%12.5%16.7%
先行馬3回4回4回57回4.4%10.3%16.2%
差し馬15回10回13回118回9.6%16.0%24.4%
追い込み馬1回4回2回98回1.0%4.8%6.7%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠0回4回2回33回0.0%10.3%15.4%
2枠2回2回3回32回5.1%10.3%17.9%
3枠3回1回3回33回7.5%10.0%17.5%
4枠2回3回1回34回5.0%12.5%15.0%
5枠1回3回2回34回2.5%10.0%15.0%
6枠4回2回3回31回10.0%15.0%22.5%
7枠5回2回5回45回8.8%12.3%21.1%
8枠3回3回1回51回5.2%10.3%12.1%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト19回22回15回70回15.1%32.5%44.4%
ハーツクライ13回6回6回71回13.5%19.8%26.0%
ハービンジャー11回10回12回50回13.3%25.3%39.8%
キズナ9回4回5回31回18.4%26.5%36.7%
キングカメハメハ7回4回6回26回16.3%25.6%39.5%
ロードカナロア5回3回2回27回13.5%21.6%27.0%
オルフェーブル4回6回5回47回6.5%16.1%24.2%
ジャスタウェイ4回3回4回24回11.4%20.0%31.4%
ヴィクトワールピサ3回6回2回19回10.0%30.0%36.7%
エピファネイア3回4回1回26回8.8%20.6%23.5%

秋華賞2023 - 過去10年のデータ傾向

安パイは単勝5番人気以内のオークス出走馬で、関西馬ならまず確実

安全な捨て牌という言い回しをしたくらいだから、外れないというか、貧乏くじを引かないための賢明な策という点で、1番人気馬で5頭絡んできたということから、しっかりと分析を加えることが重要と考える。
三冠馬に、桜花賞回避でオークスから路線に乗ったミッキークイーンらが人気に応え、ヌーヴォレコルトと三冠濃厚とされたスターズオンアースがそれぞれ好走。
ザックリ言うと、オークス馬だけ人気に応えたというか、ひどい結果に終わらなかったという話。
残りの4着以下に関し、オークス連対馬は皆無で、全てオークス3着以下。

こうした背景から、秋華賞でひどい評価を受けることのなかったオークス出走馬が、ここまで6連勝中。
ヴィブロスでその流れは止まるが、一応、クラシックを目指して、チューリップ賞もフラワーCも頑張って挑戦したくらいで、似たような感じで全部賞金加算失敗のショウナンパンドラもおり、あとはメイショウマンボを筆頭に、オークス上位入線馬。
逆張りしたくなる気持ちもわからないではないが、時計の速いオークスほど、信用できる結果はないというのは、真理にも等しい競馬の核心をついたものがあると言える。
レコードホルダーであるラヴズオンリーユーは、復活後にしばらくすると大分立派になられたが、勝ち馬がどうこうではなく、それに等しい結果を残せれば、クロノジェネシスやスタニングローズのように誰でもなれるというレースレベルが堅持されているから、秋華賞でも破綻は生じないのである。

紫苑S組の成否は、オークスの前に桜花賞を使っていたら、まず着順が上がっていないとダメで…

ディアドラと昨年のスタニングローズは、オークスに至る過程こそ違えど、オークスの前に勝ち星を挙げていた上位入線馬。
2着に終わったファインルージュの場合、桜花賞は3着で、オークスは適性相応に、激しい消耗戦にもなって見せ場なし。
このあたり、オークスの結果が大きな影響を及ぼす。
そもそも、オークス未出走の重賞・紫苑Sのウイナーが、1回しか出てきていないので、ジュベナイルフィリーズとマイルCに出走のモリアーナの場合、回避したノームコアや見せ場を作れず終わったパッシングスルーなどよりは、ずっと上ではあるけれども、紫苑S2着以下の馬は、主要レースでの2着の実績があったような馬ばかりで、ヒップホップソウルやグランベルナデットに、勝ち馬以上のスケール感があるのか…、というところで、力通りの結果であったとも思えなくもないから、シランケドにもうちょっと頑張ってもらいましょう。(笑)

本流ではなくなったローズS組こそ、穴の巣窟

オークス未出走の馬が、近年で馬券に絡んだ例というのは、中京2000の変則9月開催で、イケイケな内容で買ってきたアンドヴァラナウトや条件馬として躍進のソフトフルートだとか、近年ではめっきり減った、札幌の2勝クラスを勝って、行けるところまでやってみたという三冠阻止寸前まで力の限り頑張ったミッキーチャームなど。
頭までは来ないというのは、ローズSの高速レース頻発と本番も軽いレースではないことでガス欠による敗戦が濃厚のワンパッケージによる、ある種出来レースの側面があるところで、ローズSの勝ち馬は、ついに11年前のジェンティルドンナまで遡らないと勝てていないという残念過ぎる傾向も…。
それでもオークス組が頑張ってきたが、今年はその牙城がついに崩れた。

高速ローズSが大復活の影響もある。
ローズSで好走した中で、特定の3頭が、夏の上がり馬。
穴馬ばかりで、アンドヴァラナウトだけは、勝ったことで勢いが止まったという内容であった。
タガノエトワールやカイザーバルなどは、社台牝系の血統馬だったから、今年の該当馬2頭がいずれも適度にいい線いってる感じでも、買うなら、ここはマラキナイアだろうか。
関東にもう3度も行っているようなところが、箱入り娘のマスクトディーヴァと少し違うところ。
共倒れも既定路線のようなところはあるが、来るならギリギリ権利獲りの馬の方がいい。

思ったより少ない完全連対馬は、言わずもがな、大体強い

エアグルーヴから始まり、昨年はいなかったが、その直系であるアンドヴァラナウトも該当。
いずれも連外しだったが、いずれにしても、異例のローテをとってきた中で、人気にもなったのだから、その血統は素晴らしいとなる。
また今年も、昨年のドゥラメンテ産駒・スターズオンアースが呪われているような流れを汲んで、同産駒のリバティアイランドが呪縛を解くために、やや力を抜いた中で勝つための作戦を実行する。<無論、大目標はこの先にある>

内回りコースを使われたことはなく、のびのび走れる競馬だけを経験してきたリバティには、道悪の経験さえないから、意外と、歴代三冠馬とは完全に違う一面もあったりするが、スティルインラブがトライアルで大きな不利を受けながら、本番では阪神開催での桜花賞レコード勝ちだったことからも、時計面で特筆すべきものがあり、リバティもアルテミスSは自身のミスというよりも、経験を積む中でプレッシャーの大きなレースをしたところで負けてしまったというだけのことで、その際に学習したことは、人馬のパフォーマンスに大きな好影響を与えたというここ3戦の内容。
無駄はないというのが、クラシック制覇をする者に共通するキャリア形成であるとされる。

そういうところにきて、ここまで完全連対で来たのは、重賞勝ち馬に限り、無敗馬は3頭すべて勝利、三冠馬は1敗のアーモンドアイも入って、これだけでも大いにパワーワード化しているが、ここに更に、ダイワスカーレット、レッドディザイア、ミッキークイーンといった2敗以上のクラシック好走馬が出てくる。
連勝馬はまず崩れず、エアグルーヴ以外のクラシックホースは全勝。
牝系ではなく、父に深く関わる血とはいえ、逆の言い方をすれば、エアグルーヴが遠くなればなるほど、正常化するはずなのであろうと、ここは好意的に受け止めておきたいところだ。

秋華賞2023- 出走予定馬の血統/成績/タイム

スプリンターズSに至る1週間の川田将雅を見て、本命対抗を入れ替えるしかないと思わせた、人馬の圧倒的実績

リバティアイランドの血統

組み合わせのバランスでは、ファミリーがラフショッドを経ないサイモンズシューズで共通する、ラフショッド系ヌレイエフの5×3がインパクト大の三冠・アーモンドアイに近く、キングカメハメハ、サンデーサイレンス、セックスアピールに加わる、この底力で世界レベルの牝系を取り込んだことで、ここ2例の、いや、ノーザンダンサーが入り組んだディープ産駒・ジェンティルドンナまでの近3頭分に関し、それらとの差は歴然というほど、別個の存在感を示すのが、このリバティアイランドである。
ヘイルトゥリーズン系の2大血脈で、同クロスを有する馬とすれば、ノーザンダンサーそのものではなく、直仔であるトライマイベスト・エルグランセニョールの母セックスアピールで共通<アーモンドアイの3代母>の全兄弟が、あまり濃くない5×4というのは、実に健全な形。
ただ、このファミリーのクロスは、セックスアピールの母であるベストインショーが3×4となる、リバティアイランドの祖母・コンデサールの存在も隠れ、実に、構造的な美しさも並行した高度な配合のテクニックを併せ持つ。
どの道、キングマンボ×ロベルト直系の配合で、軽い馬が出るわけがないのだが、新馬戦で見せた31.4秒の戦慄は、オークスでの歴史的独走劇で上乗せされる結果となり、今なお、進化の途上。
まさに今、天下取り間近のグッドルッキングフィリーなのだ。

リバティアイランドにとっての前走・オークスにおける、ド派手なパフォーマンスは、グレード制導入後最大となる、勝ち馬と2着以降との着差である6馬身差=推定タイムの基準通りにちょうど、2着ハーパーとは1秒差だった というのは、相手が伏兵ではなく、2番人気馬であったということでも、かつて、川田騎手が騎乗停止の岩田父に代わって手綱を執ったジェンティルドンナと共に築いた、2着ヴィルシーナに対する5馬身差の大勝以上に、遥かに中身は濃い。
ハイペースというほどではないにせよ、60秒くらいで序盤は展開し、それを好位の後ろから、それも対抗がギリギリ可能とされた面々に総マークされる中、とりわけ、勝負所でのハーパーとの手応えの差に、ほぼ馬なり完勝に等しいダービー3馬身差のトウカイテイオーやコントレイルと似たような雰囲気が醸し出されていた。
そんなハーパーが上がり時計では、個人記録の3位タイ。
3着で復活なった、とは次走を見たから言い切れるドゥーラの34.1秒には大きく見劣り、その上を行ったのが、有力の差し馬勢を引き連れ、ほぼレースをリードしていたリバティアイランド。
34秒ちょうどの上がりでは、数字を見ただけでも、後続との着差がグングン開く直線は容易に想像できる。
勝ちタイムの2:23.1というのは、奇しくも、同じように春二冠の父ドゥラメンテがレースレコードで完勝した2015年ダービーのタイムを、わずかに0.1秒上回った歴代2位のタイム。
桜花賞も2位。皐月賞がそうだったドゥラメンテと、ここまでほとんど同じ。
秋に順調に使えそうなだけ、娘は昨年のスターズオンアース同様、確実な進化を遂げているとできる。

秋華賞2023 - レース展開と最終予想

オークス上位入線組が、巧みなレースプランを要求される阪神や京都の内回りに挑み、しかし、時計勝負になりやすい下地がある、開幕2週目の日曜メインという点だけ不動だから、雨が降ったところで、今は2分前後では決着する。
そうした総合力を、オークスで大証明のリバティアイランドには、そもそも、死角などないのかもしれない。
アパパネは雨馬場の同着優勝で2分30秒にわずかに届かないくらいのタフなオークスから、トライアルを挟み、秋華賞を1分58秒中盤で乗り切り、実にあっさりと、他との違いを見せつけるような三冠達成。
それ以降の三冠馬は、皆、良馬場のオークスで2分25秒を切って勝っている馬ばかり。
ジェンティルドンナやラヴズオンリーユーというレコードホルダーよりも、タイムリーな突き抜け方ではなく、いつもどこでも強い勝ち方をするタイプに、既走条件に等しい2000Mが、死角とする視点とさえならないほど、すでに理論武装は完了しているリバティアイランド。

問題は、モリアーナやマスクトディーヴァの上昇力なのだが、その辺りを封じ込めそうな神戸新聞杯より始まった、サマーキャンプの鍛錬具合が判然とする、オープン戦がてら挑んだ大レース前哨戦群で圧倒的安定感を示した、パートナー・川田将雅の充実ぶりは圧巻。
思考の迷いなどみじんも感じさせず、断然人気のウシュバテソーロ・船橋、ウィルソンテソーロ・金沢など、後手後手に回って不思議ない展開も、ズブさが出すぎないような押し上げ方で、ほぼパーフェクトに勝たせたという完璧さ。
加えて、超高速戦を予期した神戸新聞杯では、苦しいところからゴール前だけ出てくる、ライアンもどきと評して差し支えないほど、頭もコントロールする技術そのものでも、熟達していることまで見せつけた上で、誰にでもチャンスのあったスプリンターズSも制し…。
思えば、昨年の桜花賞は、阪神のサトノグランツとよく似た、揉まれる展開にも耐えさせるだけの駆け引きで、自分を殺さない騎乗というのは同じようなものがあったし、リバティアイランドのドンケツ強襲は、普段以上にオルフェーヴルっぽさを全開にさせる意味で、もう一度追い込みの型に戻して、自由なウシュバテソーロの長所を最大限引き出したドバイで得た自信を、少しだけ結果に還元しただけとも思えた。
これ以上のパートナーなど、望むべくもなく、近年の三冠総なめを達成したルメール、松山、福永現調教師らに肖りながら、三冠の一翼を担ったジェンティルドンナとのコンビで得た経験などを合わせると、マスクトディーヴァが逃げられたら少し怖いとしても、何度か対戦したモリアーナだと、限界のポイントに加え、見たことある奴…、と思わせることができるだけでも、かなりのアドヴァンテージ。
反動等の危険性を除去するなら、勝った方より、負け癖がついていても、どこかでハマると強烈なパフォーマンスをみせるハーツクライの直系・マラキナイア<前走のローズSは川田騎手が騎乗>に、底力での連続好走を期待した方が、妙味もあっていいと考えた。

いずれにせよ、レースを見た後に考えるべきものがあるか、またそうではないと、皆が思った通りの結果となるのか。
内回りの問題は時計で解決してくれるわけだが、雨馬場だけが怪しいのは事実。
しかし、ブエナビスタなどは、古馬になるまで渋馬場の経験はなかったものの、宝塚と秋天は連続して連に絡んだ。
ここで負けている馬、それも降着処分により、もう一つ着順を落とした馬を引き合いに出すのは筋違いのようではあるが、持っている馬というのは、自分が中心なので、決まって、いい方に取れるケースが遥かに多い。
雨が原因で負けるなら、ちょうどいい調整の時間とできるし、パワーアップせざるを得ないから、故障以外のアクシデントで、スケールダウンのきっかけにはまずならない。
どう転んでも…、そう思わせることで始まる、自身が主導権を握った争いに、今最も強いイクイノックス・ルメールへと挑む前に、神が意地悪なことをするようにはとても思えない。
精一杯復帰を目指し闘ったデアリングタクトが、必ずアシストしてくれる一戦にもなりそうだ。