スプリンターズステークス2015 予想

ビッグアーサーが出られなくなってしまったのは残念だが、春の覇者・エアロヴェロシティ以外はみんな出てきた。

豪華といえば豪華だが、一方で、夏のスプリントチャンピオンを競った2頭が出てこなかったら、などと変に勘繰ってしまいたくなるくらいのメンバー構成。

オッズは割れるだろうが、やはり中心視すべきはウリウリとベルカントか。

調子落ちも考慮に入れないといけないとはいえ、そんなに無理に使い込まれたわけではないから、中山のハードな消耗戦への対応力だけが、実質的な焦点になってくるはずだ。

その他、実績でなら上回るものがある牡馬連合も、侮れないといえば確かにそうなのだが、ミッキーアイル以外は、年齢の影響か、近走でのパフォーマンスで、いくら有利になる面がある馬場状態だろうとも、少々時計面に物足りなさがある。

渋った馬場でも力を発揮し、かつ時計勝負で確かな結果を残している牝馬には、比較的与しやすくの相手関係に思う。

久々に牝馬がほぼジャックした夏の路線の流れをそのまま受け継いだ結果になると考えて、多少の迷いはあったが、ウリウリを引き続き本命にすることに決めた。

どのように長所を書き連ねるべきか、ちょっと迷ってしまうようなまさかの出遅れの影響もあって敗れた前走のセントウルSのこともあるから、当然、相手強化のGⅠ戦でガンガン強気に攻めていけるほど、楽勝という雰囲気はない。

ただし、アクティブミノル<前回負けた相手>とハナ差に迫るまでは、能力が出走馬の中で上位でなければできないような、外枠からの発走→出負け→インからの追い上げ→揉まれながら外に持ち出し→ゴール前強襲という工程を、何か必然性の中でやってのけた2着であったかようにも映ったから、贔屓目抜きでも、若い頃のスマートな競馬を好むイメージからは大分タフさを身に着けた頼れる女性に成長した印象を受ける。

レインボウクエスト産駒のレインボウコーナーと南米のトップサイアー・サザンヘイローが配されたアルゼンチン産牝馬にフレンチデピュティをつけられ誕生した母ウィキウィキは、その血統の字面通りに、短期間ながらダートで活躍した馬だったが、逃げて結果を出せず、4月のデビュー戦で出脚つかず中団待機から直線豪快に伸びて勝ち上がった馬。

ウリウリの全姉にあたるエンドレスノットは、ちょっと単調な気質を血統構成通りに見せる部分があるものの、カネヒキリをつけられた半弟のレレマーマには、その単調さを解消できた時の期待感がある。

舞台こそ違えど、ウリウリのような引き出しの多いダートのトップホースになれる可能性を秘める。

故に、この馬はディープっぽさも乏しいし、揉まれて力を発揮できないなどというヤワな馬の言い訳も不要なのである。

速さを競う場面で、それは不利が直接的に敗因に繋がることは確かだが、この手の馬は、格が上がるに連れてより堅実さが光るタイプだろう。

一瞬のキレは、他のスプリンターのあまり持ちえない武器。

外に持ち出そうがそうならない展開に追い込まれても、一番狙いやすいタイプの馬と言える。

混戦ムードでも、このウリウリと同厩のストレイトガールには、大舞台を戦うために必要なしなやかさが備わっている。

後者にしても、やや低調とされた昨年のこのレースの組の中で、唯一と言っていいほど上がり目を示した馬。即軽視とまでならない、路線の牽引者だ。

その次の評価は、出来れば厳しすぎず、それでも一定以上のペースを作ってもらえれば勝手に伸びてくるベルカント。

こちらは、まだ単調さに危険性を感じるからこの評価だが、周りに馬がいない展開に持ち込めれば、きっと鞍上の重賞300勝も鮮やかに決めてしまうかもしれない。

リトルゲルダ、ハクサンムーンなど、ちょっと不調だったにしても、何かのきっかけで一変しそうな馬は、こういう舞台では怖いので押さえる。