天皇賞(春)2016 予想

今年人気が予想されるメンバーは、それぞれにコーナー6つの長距離重賞での好走実績がある。

未完成のレーヴミストラルだけは、脚質もあるのだろうが、適性や体調面に不安があって東京の2500Mを一回経験しているだけだが、2400M重賞を2勝。

そして、2500Mのアルゼンチン共和国杯も、ダービー以来の厳しいローテーションではあったが、3着と好走している。

あとの4歳の3頭は、例年なら厳しいとされる3000M重賞・GⅠの連対馬だ。

それぞれ中距離実績もあり、流石にここまで来れば人気の一角を形成するだろうキタサンブラックも、同期の強いところと戦っているアンビシャスに、2000Mの休み明けのレースで負けた前走の内容は、皆口を揃えて、次に繋がる好内容と評された。

ステイゴールド産駒が、今年はダイヤモンドS圧勝のトゥインクルの一頭のみ。

散々ファン、関係者を振り回してきた「奴ら」はもういない。

ただ、トゥインクルにしたら、ゴールドシップと似たような仕掛けで勝った前回以上の内容を、こちらでまた求められるのは厳しいだろう。

中山で相手にしてもらえなかったアルバートを、まずは負かさないといけない。

そのアルバートを、2戦とも格下扱いにした14菊花賞上位2頭が、トーホウジャッカルとの再戦の時を迎えた。

菊花賞以降の成績は、

トーホウジャッカル【0003】

サウンズオブアース【0303】

ゴールドアクター【5000】

…。

テイエムオペラオーとその他となった99クラシック組と似たような構図か。ダービーまでと秋以降の立ち位置は、古馬との戦いが始まると一変することはままある。

同様、敗者としてもがく、アジアエクスプレス、イスラボニータ、ワンアンドオンリー、たまには勝つが2着の多いヌーヴォレコルト。

スクリーンヒーロー産駒というジョーカーが、この世代のメンツを何とか保っているものの、実は、主役には物足りないというサインは、2年前の秋からもう出されていたのかもしれない。

軸にはしたくない。

自ずと、古馬中長距離GⅡで圧倒的な存在感をここまで示している4歳世代からの狙いとなる。

京都適性では、人気面で上回るだろう5歳勢との比較で、菊花賞1、2着馬の持つ奇跡的な数的根拠では劣る部分はあっても、やはり勢いは互角なので、そこまで差はないだろう。

最近、ハイペースになりそうもない時に速く流れて、そうじゃない時ほど、何だか不満の残る展開になったりと、流れは読みづらい。

ジャパンCから逃げ出したカレンミロティックが、ハイペースを作ることはない。

ただ、この長距離カテゴリーの競馬でのそれは、ほどほどに走りやすい、言うなれば、どの馬にも有利不利のない展開だ。

前2年の菊花賞も、序盤は同じような平均ペース。

が、昔から、天皇賞の方が、いくらか時計が速くなるので、中距離馬でも対応可能。

その点でも、互角同士の対決構図が見られそうな感じもする。

少し怖い阪神大賞典の勝者だが、前走があまりにも楽だった割に人気は分散しそうなので、シュヴァルグランの爽快な勝ちっぷりを期待する。

前走から手の戻った福永騎手は、ここまで6戦して連対は一度も外していない。

京都2歳Sで、陣営には縁の深い内田騎手への乗り替わりとなったが、昨秋から落馬事故までの期間は再度の騎乗機会を得ている。

ハーツクライの産駒の割には、前記のヌーヴォレコルトのようなまたかよというような惜敗の多い馬のような印象は、前々走の日経新春杯まではあったが、3000Mでそのイメージが一変。

新記録に、こちらはフランス語で偉大な馬という和訳の彼らには、ノーザンダンサーやヘイローの意識的なクロスが配されているが、爆発的な何かを得たというようなパフォーマンスはここまでなかった。

それが変わったというのも、大きな強調材料。

ヘイローのクロスは、速さの補強には繋がっても、キレにはマイナス。本質的なワンペースの性質がより強く出て、芝向きの馬は軽快さが消える。

ある意味、高速馬場の距離延長には適した配合だろう。シュヴァルグランには、ヘイローが3本入っている。

鞍上も、三度目はないと思っていたらしく、オーナー、調教師への恩義は相当に感じていると聞く。

元来、義理堅い男のこと。ビッグアーサーの時とは違う、燃えるものがあるだろう。

春天制覇も機は熟している。

キタサンブラック、サウンズオブアースが対抗の筆頭株。

実績は言わずもがなであるから、論拠の提示は控えるが、このレースの実績馬ややけに競馬がうまくなってきたサトノノブレスなども、案外侮れないだろう。

穴で期待はアルバートだけと考えていたが、タンタアレグリアの成績表にここの出走馬が多いので、土曜日の結果如何では、3連勝馬券の買い目には迷いそうだ。