天皇賞(春)2017 展望
阪神大賞典が、久々に機能したことを証明する春の天皇賞になる気がする。
少なくとも、日経賞上位組よりは力は上だろう。
正気ではいられないほどの一本被りで、しかしながら、相手を見ながらの競馬で楽々ステップレースを制した、現状断然の支持を集めること必至のサトノダイヤモンド。
加えて、前年のひと捲りから圧巻の楽勝で次点評価のシュヴァルグランも、期待よりはずっと中身の濃い2番手の競馬に徹し、前年より遥かに内容のある好時計で、ある意味こちらも人気に応えた。
その昔。
ナリタブライアンがマヤノトップガンを勝負どころから追い回して、最後の最後に競り落とすという名勝負が行われたことがあった。
その2年後は、シルクジャスティスとメジロブライトが鼻面を合わせてゴール。
また翌年は、連覇を懸けたメジロブライトがスペシャルウィークに押し切られて、雨中決戦は淀での良馬場で勝負づけすることを誓うも…。
その翌年は3強の対戦でテイエムオペラオー、そのまた翌年はナリタトップロードが久々に勝ったと思えば…。
90年代後期に活躍した馬にとっての第一目標は、阪神大賞典を勝つことであった。
この勝ち馬が本番で連を外すとしたら…、それは力が及ばなかったという意味とイコール。
その後の活躍も期待できない。
オルフェーヴルは両方で敗れ、ゴールドシップは三度目の正直で連勝して見せた。
彼らは宝塚記念では圧勝している。
今は、それほど重要な繋がりを生む「王道路線の始動戦」ではない。
少なくとも長距離カテゴリーのレースで、実績と時計で圧倒することができることを証明したのであれば、普通は関連性のあるGⅠに直結する。
ただ、ブライアン-トップガンは本番でサクラローレルにプライドをズタズタにされ、世界レコードで独走のナリタトップロードは阪神大賞典を翌年も制したものの3着しか獲れなかった。
相手がいちいちトップホースという悲運も重なっているが、こういう勝ちタイムが速い年は、消耗を考慮しないといけないというシグナルとも言える。
大阪杯のキタサンブラック、日経賞組のタフさも侮れないが、現状は彼らの自滅待ち。
隙を付くには、好位差ししかないだろう。