ヴィクトリアマイル2016 展望

JCは不完全燃焼に終わったミッキークイーンが、マイルに戻った阪神牝馬Sに登場。

内容を吟味すると、妙に手控えた騎乗の目立ったルメール騎手の言わば外れの週に当たってしまった印象だけが残って、そこまで悪い競馬ではないという感じの差し損ねであった。

即ち、彼女に運がなく出られなかった桜花賞は、結果的に破壊的スローペースであったことで、出られたとしても見えてこない本質的なマイル適性について、重賞に限れば、平均ペースから少し遅い流れで、時計のまずまず出たレースでの2着2回という記録から、推理していくことになる。

それは、東京マイルで行われるGⅠの適性を推し量る材料として、根拠が弱いのは事実だが、よく知られるところ、1800以上の距離に適性を感じさせる狙い目のミッキークイーンには、京都2000M・1:56.9の記録があって、それから24秒引けば、1:33.0前後で走れるという単純な計算が成り立つ。

ここまではそんな時計でも勝負になったが、体調面に不安がない以上、それを死角とみなすか、はたまた可能性の明示された必然の好時計勝負での台頭はあるとするのか、単純には判断できない。

シュンドルボンが充実している。

京都牝馬Sで道悪をモノともしなかったクイーンズリングも、相変わらず強力なライバル。

スマートレイアー、ルージュバック、マジックタイムなど、油断ならない好敵手の他にも、昨年とは持っている箔がまるで違うショウナンパンドラも登場する一戦。

年齢に関係なく、いかにこの未体験ゾーンを戦い抜くかが鍵となる特殊な条件「東京マイル」は、クラシックを戦ってきた、特にマイラーとされる馬に厳しいレース。

桜花賞連対馬でも好走したという例は、必然的に多くなるわけだが、桜花賞馬となると、ダンスインザムード、ブエナビスタ、アパパネなど、男勝りで、距離もこなせるような馬でないと苦しい。

今年は、そのタイプが少ないので、阪神牝馬Sの結果は重要であったのだが、人気馬が好走。

本番でも上位入線馬の好走確率は高い。

ストレイトガールだけが、まさかの一変がある以外、近走で強いと感じた馬から狙うレースだろう。