ヴィクトリアマイル2016 予想
GⅠ馬が7頭。今週も面白いメンバーが揃った。
5走続けて2000M以上の競馬を使われて、ハイレベル戦ばかりなのに、全て掲示板に載っているショウナンパンドラの取捨が大変難しいのと同様に、似たような傾向を示しつつ、ローズSやその前のクイーンCも好時計決着で両方2着しているミッキークイーンも狙い方は難しい。
が、両者とも桜花賞に縁がなかったのは、単に、早熟タイプではなかったから、という見方もできる。
カワカミプリンセスやスイープトウショウが、距離が合わないというより、牝馬同士のマイル戦が有利な条件でなかったことで、かなり格下の相手に完敗したという記録が残っている。
ジェンティルドンナだって、本当は、そういう可能性のあった馬だろうが、それを知ってか知らずか、陣営はここをパスし続けた。
リズムが崩れることを嫌ったのだろう。
ウオッカはスピード型、ブエナは万能。理由もなく、金看板を持ったA級牝馬が挑むべきレースではないのである。
ルージュバックは、そのA級評価をクラシック戦が始まるその瞬間までは受けていたわけだが、今はただの重賞1勝馬。
苦手なのだろう中山2戦で、結果を求めるのは、桜花賞に至る過程を考えたら、むしろ、ここへ向けての再調整の場であったと言えなくもない。
戸崎騎手がずっと乗ってきたことは、ここまでは何らマイナスはないけれども、いざ勝負となったときに、あの桜花賞の時のような言い訳をここでも使えるわけはないのだから、今後はともかく、ここで雰囲気が変わるような「ノッてきた」ルメール替わりは、嫌う材料全くなしの推挙理由であろう。
厳しいようだが、馬にだって、プライドを守ってもらうための要求をする権利はある。
人気馬は実績で嫌い、上位人気でない馬は買い材料に運命を委ねるのみ。
荒れるのは当然だから、最低ライン、これ以下の評価になるだろう馬も買い目に入れないといけない。
そのためには、このルメール&ルージュが、どんな能力を秘めているのかを類推しなければならない。
ここまでのレースを振り返ると、有馬記念の内容と落鉄も敗因とされる中山牝馬Sの内容も踏まえれば、中距離の平均ペースであれば、大崩れはないけれど、まだ好位からうまく抜け出せるほどの器用さはない。
つまり、今回に関しては、最近全く気にならないスタート面も含め、未知なるスピード競馬への適応力だけが取捨のポイントなのだ。
ボールドルーラー系とテディ系の、それぞれあまりメジャーではない種牡馬の薄めのクロスを併発した配合は、欧州型×米国型の相反する血の融合に有効ではないが、どちらも淡白な負け方をしそうな血統イメージそのままの結果だから、ここまでは適性のあるレースに出会っていなかったという印象も少なからずある。
都合よく、今回は母系のアメリカン血統に好走の理由を求めるようなことはせずとも、他のコースよりはダート寄りの配合をよく呼び込む条件なので、これもマイナスにならず。
誰が行ってもハイペースまでは考えにくい。
近走マイルで結果を出しているマジックタイム、ミッキークイーンなども、元来猛烈なハイペースを好むタイプではないが、それぞれ混戦では出番のあるタイプだろう。これらが相手
メンバーがハイレベルであるがゆえに、凡戦になってしまうことはあるが、このレースに関しては、実績は重要ではない。
唯一、クイーンCを前年勝っていたコイウタ、ホエールキャプチャ、ヴィルシーナなど、桜花賞でも好走した馬が、ここで出番をモノにした例はあるが、今年はいない。
道悪の第1回とウオッカ、ブエナビスタが負けた3年以外で、まともに決まったことのないレース。
今年、信頼に足るマイル重賞勝ち馬は、振れ幅大の前年覇者と休養明けのショウナンアデラしかいない。
だったら、クラシック惜敗の無冠馬の方が、実績と適性の両面で買いやすい。
今のところ、コイウタとエイジアンウインズ以外では、GⅠ連対実績のある馬しか勝っていない。