ヴィクトリアマイル2018 予想
今週からしばらく、日曜メインは大人しく見ておこうと思う。
◎アエロリット
○ラビットラン
▲ミスパンテール
注ソウルスターリング
△リスグラシュー、カワキタエンカ、デアレガーロ、レーヌミノル
以上、4歳世代の重賞連対馬全てをピックアップという形で、結論を出した。
このレースは、
ノリコネクション
アエロリット<9戦3勝>
ミスパンテール<3戦3勝・すべて重賞>
カワキタエンカ<2戦未勝利・ローズS2着>
の取捨がポイントになりそうだ。
横山騎手はミスパンテールに乗る。
阪神牝馬Sを使う前の時点から、よほどの惨敗でもしない限り、その雰囲気は十分に感じ取れていた。
筆者としては、アエロリットに乗るのが自然なような気がしていたのだが、これはプロとしての仕事のスタンスが大いに影響しているように思う。
その昔、藤沢和雄調教師は、手駒が豊富でGⅠにも多頭数で挑戦する際に、長く信頼関係を培ってきた岡部騎手に、一番いい馬ではなく、一番乗ってほしい馬に騎乗を依頼することが多かった。
その最たるものが、後に世界最高クラスのマイラーに育つタイキシャトルの最初のGⅠ挑戦となったマイルCSに、サブとしての役目を過不足なくこなしていた横山騎手を騎乗させたこと。
タイキシャトルにもずっと乗っていた岡部騎手は、気性面で不安が多いシンコウキングながら、その前のスワンSから連続して騎乗することは、以後、元通りに岡部騎手が乗ったわけで、ファンだけではなく、マスコミ等もかなり違和感を持ったリアクションを示していたと記憶する。
陣営としては、タイキシャトルに全く不安がないから…、という言葉を、翌年チャンピオンになってから、当然のことのように語ったとされる。
昆調教師の熱意にほだされて、という見立てはあってもいいが、この判断の中には、
「自分がすべき仕事は、自分にしかできないことをすること」
追い込み馬を突然単騎先行させて、その後の脚質に幅を持たせることに成功した阪神牝馬S。
→その効果を、今回は戦術の中で取り込むはず。
同時にこう考えられる。
「どうせ乗るなら、考えて乗れる馬の方が面白い」
脚質の縛りは解いたとはいえ、簡単に好位抜け出しができる馬ではないから、自分も完璧に乗らないときっと勝てないだろう。
騎手は先約を優先する場合もあれば、単純な能力差を選択の基準にする場合もあるが、当然、こういう考え方があってもいいわけだ。
本心はなかなかマスコミには語ってくれないから、それは武豊騎手も同じなのだが、必要とされる際の仕事の内容に重きを置き、尚且つ、上がり目を考えた判断ではないだろうか、とどこかで納得できる答えを求める筆者とすれば、このレースでド派手に強かに立ち回っている戸崎騎手が、アエロリットという乗りにくいようであまり難しく考える必要のない馬に騎乗することは、非常に歓迎であると断言できる。
究極の選択ではなく、全面的に能動的な選択でもなかったにせよ、面白い形を主戦騎手があえて選んだこのレースは、お手馬を最高のライバルとしつつ、一番いい走りをできる戦略が重視するはずだ。
初めて乗る戸崎騎手が、アエロリットのような馬を乱暴に扱うことは、彼のスタンスからしてまずあり得ない。
となると、スローにならないということだ。
変なところで折り合うような馬ではなく、ある程度スピード勝負に持ち込む形で戦う以上、こちらが力でねじ伏せに行っては、今度は相手のフィールドなのだから、簡単ではないことを踏まえ、抑えていくような気がする。
邪魔が少ないアエロリットは、秋華賞の時にいじめられたカワキタエンカを、今回は堂々とペースメーカーに使える。
マイルで抑える手はない。この流れこそ、彼女の勝ちパターンだ。
ならば、好調のリスグラシューにも戦いやすい条件が整う。
この展開で魅力なのは、中京でキレにキレたラビットランか。
力で勝ち切ったその500万条件戦以降、ローズSがまずまず流れて、秋華賞も策を考え、小回り対応の競馬でそれぞれ好走するも、あとは超スローでお手上げ。
もう一度ねじを巻き直したい川田騎手には、この手の分かりやすい脚質の馬は渡りに船だろう。
適当に下げてから、大外ブン回しでもいい馬なら、先週のような展開もあり得る。