ヴィクトリアマイル2019 予想
いいメンバーだとは思うが、各陣営、目論見が違うような気がする。
5歳世代のトップホースは、共に休み明け。
名手を配し、狙いは復活のGⅠウインのようでいて、軌道修正を図る目的が主のような気がする。
まあ、アエロリットは道悪競馬を除くと、少し重い馬場のマイルCS以外まるで凡走なしの優等生である。
横山騎手に手が戻ったことが重要なのではなく、走る気が戻っているかどうかが問題。
4歳世代の展望が明るい面、5歳以上には絶対的な適性が問われる厳しい戦いになる。
展開上は、多少のハイペースなどまるで気にしないアエロリットが競馬を作る流れが見えているが、それと同じくらいタフなマイラーが4歳世代にはいる。
マイルの好時計決着にすでに2度対応しているプリモシーンは、実績だけとってみても、実はアエロリットやラッキーライラックあたりとも引けを取らない。
ましてや、毎度波乱のVマイルである。
特殊な能力が問われて然るべき舞台設定に加え、多量の雨が降り注ぐ雰囲気はなく、Bコースに替わったところで、馬場の高速度合いに変化はないはず。
牝馬には、中山の31秒台の決着からの中5週は、決して有利な条件ではない一方、先週のアドマイヤマーズがそうであったように、苦しい経験がGⅠ勝利に必要な糧になることもある。
中山のマイルをこなす左回り巧者の牝馬ということは、タフな展開は好むというのと同義。
現に、追って味のある中団待機のディープ牝馬など、滅多にいない。
同期のタフネスフィリーが、プリモシーンの底力を引き出してくれそうな、お膳立てが整っていると見る。
配合面の強調材料としては、ディープの母父に入ったアルザオをはじめとして、豪GⅠ馬で4つのタイトルを得た母モシーンが、ファストネットロック(デインヒル×ロイヤルアカデミー)×ストラヴィンスキーという組み合わせだから、
リファール
ダンチヒ
ニジンスキー
ヌレイエフ
といった、ノーザンダンサー直仔の主要芝向き血統が集積している配合なのだ。
面白いことに、そのほとんどがマイルかそれ以下のタイトルホルダーであり、それぞれの直仔にあたる4頭は、モシーンを形成するのに重要な役目を果たした3種牡馬が、欧州の短距離GⅠ馬である点でも、馬場はタフだが、英愛仏独ら主要国におけるメインステージと比べれば、アンジュレーションの一点が決定的にライトなオセアニアにおいて、これでもかと活躍馬が登場するのは、至極当然のことだったのだろう。
デインヒルはノーザンダンサーの母ナタルマを3代母に持ち、その3×3を持つ。
ヘイローはノーザンダンサーと従兄弟で、ヘイローの母であるコスマーは、世界中に牝系を広げているが、ナタルマはそれほどの広がりを見せない一方で、マキャヴェリアンも出ているように、その�役目を大いに異にする。
ただ、日本では特にその両方が多く混在するから、ノーザンダンサーのクロスが生じるサンデー直系などのヘイロー系の馬は、両者の祖母・アルマームードの継続クロスを自然発生的に有している。
プリモシーンの場合、デインヒルがナタルマの3×3があるから、4×4。
ファストネットロックの代だと、ナタルマが5代目に加わるから、5×5×6となる。
モシーンも5代目のナタルマがクロスして、6×6×7×6。
それにディープをつけるから、5×7×7×7×8×7になって、ディープの配合時には価値を持たなかった4×6が、突然、意味のある継続性と引き合いに出されるようになるわけだ。
ジェンティルドンナを筆頭に、サトノダイヤモンドやシンハライトなどが似た配合になるわけだが、枠外のところで底力を示すことの多いニジンスキーインとアウトに相違点が生まれる。
長距離戦におけるスピード革命がその血の役目だったのは、今や昔の話。
スピード競馬への対応力をマルゼンスキーは早くから示しているから、カーリアンの血は今も重宝されるわけだ。
マイルという概念は、殊、競馬の芝部門において、不変性の継承を指す万能性の源でもある真理にも等しい。
様々な適性を示す子孫が登場したところで、こういったノーザンダンサーとアルマームードの集合した血統の持ち主が、万全の状態で臨むマイルGⅠでひどい競馬をするとは思えない。
本質で似た適性のあるアエロリットやラッキーライラックに加え、血の配置が違うだけで、大方似たような血統構�成のノームコアにも、今回はチャンスがある気がするので、これらを相手本線に据える。
◎プリモシーン
○アエロリット
▲ラッキーライラック
注ノームコア
△サトノワルキューレ、ソウルスターリング、ミッキーチャーム、レッドオルガ