2022年ヴィクトリアマイル【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着ソダシ(5.7倍)2着ファインルージュ(5.4倍)3着レシステンシア(12.8倍)

レース名第17回ヴィクトリアマイル
日程2022年5月15日(日)
優勝馬ソダシ
優勝騎手吉田隼人
勝ちタイム1:32.2
馬場
3連単配当43,780円

2022年ヴィクトリアマイル - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
15ソダシ1:32.2-
211ファインルージュ1:32.52
37レシステンシア1:32.5クビ
410ローザノワール1:32.5ハナ
52ソングライン1:32.5ハナ
単勝5570円
複勝5230円
複勝11190円
複勝7360円
枠連3-61,770円
ワイド5-11730円
ワイド5-71,460円
ワイド7-111,470円
馬連5-112,010円
馬単5-114,010円
3連複5-7-118,270円
3連単5-11-743,780円

2022年ヴィクトリアマイル - レース後コメント(騎手/厩舎)

「返し馬の一歩目からリラックスしていたので、状態の良さを感じました。ただ、その反面いつもらしさがないな、とも感じていたが、ゲートに入ったらピリッとしましたね。道中は良いリズムで運べたと思います。ダートに使ったり、長いところに使ったりしていましたが、やはりマイルでスピードがあるところ見せられました。終始ためる手応えがあったし、追い出してからの反応も良かった。今回は、すごく豪華なメンバーで、どれだけやれるのかと思っていた。ゴール後のガッツポーズはこの馬に乗る時は、それ以外のプレッシャーを感じるので、それに勝ったぞという思いでした。あまり条件がかみあわなくて結果が出ていませんでしたが、マイルに使えば強いメンバーでもいい勝負ができます。これからも頑張っていきたいと思います」

※優勝した吉田隼人騎手のコメント(ソダシ)

2022年ヴィクトリアマイル - レース結果動画(YouTube)

※実況レース映像

2022年ヴィクトリアマイル - 回顧

ソダシが速い馬であることは、2歳時から証明しており、牝馬クラシック戦線皆勤賞で強さも証明したのだから、クロフネも鼻高々である。

芝の方が走るのは、クロフネ自身がダートで圧倒的に速かったから、その印象があまりに強く、引きずられているため。

20数年前、当時としては速いNHKマイルCで1:33.0、武蔵野S・良馬場で1:33.3という快時計は、日本で通用する北米圏のスピード優先型の種牡馬像にフィットしていて、それがたまたま日本で走ったというだけのこと。

今になると、それに近づけるようになった国産の競走馬が、中には高速化しやすくなった盛岡でそのタイムを超えてしまう馬なども出てきたように、ソダシが速いのは何も特別な理由があるわけではない。

ただし、古馬のマイルG1を勝つとなると、極めてまれ。

NHKマイルCまでは勝てるが、安田記念であるとかこのヴィクトリアマイルでは、そこまで活躍していない。

安田記念連続2着のアエロリットがネオユニヴァース肌、このレースを唯一制している同産駒のホエールキャプチャがブルードメアサイアーがサンデーサイレンス。

NHKマイルCを雨馬場にもかかわらず、1:32.5のレコードタイムで独走したキングカメハメハは、ドゥラメンテとレイデオロという不思議な才能を持った超良血のダービーウイナーを出している。

母父に入ったキングカメハメハは、モズカッチャンのエリザベス女王杯制覇以降、毎年のようにビッグタイトル勝ち馬を出しており、ジオグリフがつい最近、皐月賞を制したばかり。

芝向きサンデー系だけでなく、ソダシのクロフネ、そのジオグリフを出したドレフォンら、北米快速型も芝向きの馬を出す、キングマンボ系の優良種牡馬であり、大種牡馬となってきた。

思えば、桜花賞のスターズオンアースから、キングカメハメハの孫がずっとG1を勝っているのだ。

トレンドというやつに乗っかれば、速いキズナよりも同母父キングマンボのデアリングタクトやドゥラメンテの近親であるアンドヴァラナウトを狙った方が、筋が良かったのかもしれない。

ソダシのためだけのレースとなった。

速かったというだけでなく、歴戦の猛者である名牝たちを相手にしなかった。

一応、札幌記念で後に国外G1を連勝するラヴズオンリーユーを負かしたという実績があるものの、ダートの猛者と対決しただけで、事実上の古馬初挑戦に近い組み合わせ。

しかし、他の馬とできることが違う馬<ダートのビッグタイトルをふたつ使われる4歳クラシックウイナーはまずいない>というのは、まったく違う尺度で物事をとらえねばならないと、至極当然の結果であったとせねば説明できぬ、思考の面での反省材料が先に立った一戦ともなった。

初代女王のダンスインザムードから始まり、牝馬三冠のアパパネ、アーモンドアイといった国枝勢にとどまらず、桜花賞馬というのは、いつでも気になる存在。

思えば、グランアレグリアもブエナビスタもその他が目立ちすぎているだけで、桜花賞も相当強かった。

2代目チャンピオンのコイウタは、このレースと同じ東京1600のクイーンCを快勝後に、旧コース最後の桜花賞でキストゥヘヴンの3着に入った馬。

翌年の激走に驚いたものだが、桜花賞2着馬なら、ウオッカもホエールキャプチャも、連覇したヴィルシーナ<今年出走のディヴィーナの母>も、勝てないまでも後に大化けした1番人気のリスグラシューも入ってくる。

桜花賞が基準なのである。それも前年の…。

ファインルージュはその3着馬。

やんちゃというか、求められるものが多すぎることで大いにストレスを抱えるアイドルでもあるソダシに対し、秋華賞以降は同じように余裕ローテでも、敢えて作らなかった東京新聞杯2着の実績<これで勝ったイルーシヴパンサーの評価がもっと上がる>はほとんど無視できる。

古馬と戦っているという既成事実がある以上、死角は実はほとんどなかった。

しかし、まだ完調には見えなかった。

ほとんどの馬が33秒台で上がっているレースで、ソダシと同じ上がりは少しだけ、その辺りの影響があったのだろう。

直後というより、秋以降の爆発に期待であろう。

ローザノワールの適当に緩めの先行により、46.3→45.9というバランスラップで推移し、現時点での能力差は判然としたところがある。

結果的にではあるが、それにより、スタートはまずまず決め、流れにも乗れた、当然完調はあり得ない牝馬三冠のデアリングタクトも、それなりに力を出して6着だった。

これに負けているというのは、マイルのチャンピオンにもなれないし、今後の展望も少し怪しくなる。

流れには乗ったというよりも、おとなしい競馬しかできなかった感じの3着のレシステンシアは、条件的には、目標の時計はクリアした感じながら、マイルも少し違うのか…、という出口が見えない<G1制覇という意味>好走止まり。

叩いたレースを経ているので、インからソダシに抜け出され、外から来たファインルージュに差されたのち、ようやく逃げ粘ったローザノワールを捉えているのでは、前に行ったところで、昨年の1:31.9を簡単には繰り出せない展開でもあり、馬場でもあったとすれば、これも結果的にベストに近い着順であったのかもしれない。

行ったところで、ソダシがもっと突き放していただろう…。ファンの多くはそう感じる力差を見せつけられた内容に、苦しさがある。

ソングラインも5着ながら、2着のファインルージュとは僅差。

東京の実績からも更なる上積みも期待されたものの、サウジアラビアの内容ほどは弾けていない。

これで通算【3・2・1・3】であり、その字面の通りに、快勝、惜敗、何もなし(笑)を定期的に繰り返すリズムができてしまった。

父キズナも晩年は体が立派になった割に、結果が伴わなかったが、母父シンボリクリスエスもソニックレディの一族も全体的に、ムラな面が死角としてある。

狙いを絞ると、長く活躍するホエールキャプチャやストレイトガールのような発展力もあるから、林調教師には来年の快勝を逆算した仕上げを期待である。

走り切っただけでも立派なデアリングタクトに対し、相手に合わせているうちに、ソダシの良いところばかりを引き立てていた人気のレイパパレは、距離適性の問題ではなく、年明け3戦が3月中旬からの中2週、そこから中5週のローテも合わなかった感じ。

スタートが良くなかったのは事実だろう。

いい出来ということは否定しきれずも、母シェルズレイがどうにも立ち行かなくなった狂気に満ちた古馬時代の性質が、ちょっとずつ出てくるのは仕方ないから、一筋縄ではいかないとここは結論付けたいところ。

クラシック候補にまで上った全兄のシャイニングレイも、ホープフルSを勝った後、故障で長く休んでいたら、最後は夏のCBC賞を力で制していた。

もしかして…。

川田騎手はその両方の危ない面も理解し、ランニングコストがとてもかかるタイプ<言わば、走った分だけ勝ち星が伸びる堅実派とは真反対の存在という感じ>というか、実りの少ないレースも重ねつつ、確かな結果も求められる立場になったことは、少し苦しいのかもしれない。

昨年は宝塚記念に出走し、若さを出してユニコーンライオンに差し返されてしまった。

着順などあまり関係ない、ソダシとも違った意味で才能の異なる特殊な括りに入るレイパパレにとって、この豪華メンバーは変にプレッシャーがかかる、想定以上に負担の大きな一戦だったのかもしれない。

最後は一応伸びてきているが、ゴール直前に皆がマックスの速力になったところで、やる気が失せていた。

クラブ所有馬であるから、6歳秋のない牝馬だが、ソダシも途中で苦労したように、このレイパパレも手がかかるタイプである。

簡単な一戦ではなかったが、ソダシとこのレイパパレ両者が、同じフィールドで接戦を演じるようなことはないのかもしれない。

レイパパレが人気通りに走っていれば…、そんなことを完勝の勝者に恨めしく小言を述べたところで、大阪杯の栄光が消えるわけでもない。

出来ないことも多いというのは普通なのだから、得意なところを伸ばせばいい。

決して、走る気が消え失せたわけではない。