ヴィクトリアマイル2023の予想 過去10年間のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

ヴィクトリアマイルの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第18回ヴィクトリアマイル (G1)
グレード重賞(G1)
日程2023年5月14日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離芝1,600m
コース左回り
賞金1億3000万円
レコードタイム1:30.5

ヴィクトリアマイル2023の予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定前)

ヴィクトリアマイル2023の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11ロータスランド横山 典弘牝656.042.610栗東・CW・良(横山典)
6F 83.7-67.9-52.6-37.2-11.2(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.6-39.4-25.2-12.0(馬なり)
12スターズオンアースC.ルメール牝456.02.21美浦・南W・良(杉原)
6F 83.1-66.2-50.8-36.7-11.1(馬なり)
美浦・南W・良(ルメール)
6F 82.9-66.6-52.2-37.5-11.3(馬なり)
23サウンドビバーチェ松山 弘平牝456.028.39栗東・CW・良(松山)
6F 76.9-62.8-49.5-35.4-11.3(一杯)
栗東・坂路・良(松山)
800m 56.8-40.9-25.5-12.2(馬なり)
24アンドヴァラナウト吉田 隼人牝556.081.715栗東・CW・良(吉田隼)
6F 85.2-69.1-53.7-38.5-12.0(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.4-38.6-24.8-12.1(馬なり)
35スタニングローズ坂井 瑠星牝456.019.96栗東・坂路・良(助手)
800m 55.5-39.6-25.2-12.0(馬なり)
栗東・坂路・良(坂井瑠)
800m 54.4-39.0-25.0-12.0(馬なり)
36ソングライン戸崎 圭太牝556.010.14美浦・南W・良(戸崎)
5F 67.6-51.6-37.1-11.3(馬なり)
美浦・南W・良(戸崎)
5F 67.6-52.0-37.2-11.3(馬なり)
47イズジョーノキセキ岩田 康誠牝656.074.714栗東・CW・良(岩田康)
6F 80.9-66.7-52.1-37.5-11.6(叩き一杯)
栗東・坂路・良(岩田康)
800m 53.8-38.1-24.5-12.3(一杯)
48ララクリスティーヌ菅原 明良牝556.025.68栗東・CW・良(菅原明)
7F 97.7-66.6-52.4-37.4-11.7(G前仕掛け)
栗東・CW・良(中井)
6F 83.8-67.8-52.3-36.9-11.2(G前仕掛け)
59クリノプレミアム柴田 善臣牝656.071.213-美浦・南W・良(助手)
5F 66.9-51.4-37.0-11.6(直強め)
510サブライムアンセム三浦 皇成牝456.069.312栗東・CW・良(三浦)
4F 51.0-36.2-11.6(馬なり)
栗東・CW・良(調教師)
4F 49.4-34.9-11.0(馬なり)
611ナミュール横山 武史牝456.07.33栗東・坂路・良(助手)
800m 53.9-39.2-24.6-11.8(強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.1-40.3-25.5-12.2(馬なり)
612ナムラクレア浜中 俊牝456.012.95栗東・CW・良(浜中)
6F 81.8-66.5-51.6-36.6-11.3(強め)
栗東・坂路・良(調教師)
800m 52.8-38.0-24.1-11.7(馬なり)
713ディヴィーナM.デムーロ牝556.0117.616栗東・CW・良(西村淳)
4F 49.1-34.6-11.2(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.0-38.5-24.7-12.1(馬なり)
714ステラリア団野 大成牝556.043.111栗東・坂路・良(助手)
800m 54.6-40.3-26.6-13.2(馬なり)
栗東・CW・良(団野)
6F 84.6-68.4-53.0-37.6-11.7(馬なり)
815ルージュスティリア川田 将雅牝456.020.77栗東・坂路・良(横山和)
800m 51.4-37.0-23.5-11.7(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.7-39.0-24.8-12.0(馬なり)
816ソダシD.レーン牝556.05.22栗東・CW・良(助手)
6F 78.8-63.4-49.4-35.6-11.4(一杯)
栗東・坂路・良(酒井学)
800m 52.5-38.0-24.4-11.9(末強め)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬1回1回2回13回5.9%11.8%23.5%
先行馬5回5回5回48回7.9%15.9%23.8%
差し馬11回9回7回107回8.2%14.9%20.1%
追い込み馬0回2回3回83回0.0%2.3%5.7%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠1回2回6回25回2.9%8.8%26.5%
2枠3回2回3回26回8.8%14.7%23.5%
3枠6回0回1回27回17.6%17.6%20.6%
4枠0回3回1回29回0.0%9.1%12.1%
5枠0回4回1回28回0.0%12.1%15.2%
6枠4回1回0回29回11.8%14.7%14.7%
7枠2回1回2回44回4.1%6.1%10.2%
8枠1回4回3回43回2.0%9.8%15.7%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト59回33回35回246回15.8%24.7%34.0%
ロードカナロア26回30回21回182回10.0%21.6%29.7%
ハーツクライ18回17回28回116回10.1%19.6%35.2%
エピファネイア16回11回11回90回12.5%21.1%29.7%
ルーラーシップ15回11回10回111回10.2%17.7%24.5%
キングカメハメハ14回14回10回82回11.7%23.3%31.7%
ダイワメジャー13回7回9回105回9.7%14.9%21.6%
ドゥラメンテ12回12回8回64回12.5%25.0%33.3%
スクリーンヒーロー9回16回16回84回7.2%20.0%32.8%
モーリス8回12回7回72回8.1%20.2%27.3%

ヴィクトリアマイル予想2023 - 過去10年のデータ傾向

人気に推されるのはリスクではあるものの、格の差ははっきりと出るレース

勝ったのが、ヴィルシーナ・4歳時、アーモンドアイ、グランアレグリアなので、納得感はある。
2着についても、ミッキークイーンとリスグラシュー。
クラシック参戦時のみならず、5歳になっても、牡馬とやって何ら見劣ることのない戦績を残した、名牝ばかりが登場する。

消えたヌーヴォレコルトやレイパパレがどうこうではなく、最低限の格は必要としつつ、適性でストレイトガールやソダシ<彼女たちもこの路線ではエース格>らに見劣ったのは、致し方なしであろう。
ワンターンの高速レースに適したスピード能力は、その他の中距離戦でのパフォーマンスに対し、プラスアルファを出せるものはなかった。

一方で、メイショウマンボも中長距離型のようで、きっちり2着。
少し古い記録を見ていくと、ここに挙げた好走の面々が、3歳春までに東京マイルの重賞で連対実績があるだとか、メイショウマンボについては阪神1400のフィリーズレビューを勝った実績があるくらいで、適応能力をクラシックでは問われずとも、ここでは大いに要求という場面で全開にさせたとできる。
人気となった根拠が底力の証明である3歳ビッグレースでの実績と、このマイル以下の実績とのコラボであるなら、自信をもって推せることになる。

休み明けローテは、昔から牝馬には関係ないものとされてきた

昨年のソダシと2020年のアーモンドアイは、妙な負け方を年が明ける前にはしていたが、ソダシの場合は、高速の道悪フェブラリーで自信を取り戻し、ドバイカラ出張後のアーモンドアイは、走りたくてうずうずしていたかのように、いずれにしても最後は独走だった。

間に登場のグランアレグリアにしても、無駄のないローテで、中距離戦挑戦の余裕をもたせて、ここは叩き2戦目での快勝。
昨年に関しては、2着のファインルージュも休み明け。
その他では、桁違いの波乱となった2015年のケイアイエレガント以外は、馬券にはなっていないが、ピンからキリまで休み明けのローテになってしまった事情としては、千差万別であることを踏まえると、どっちみち、この時期に出来が悪いなら勝負になるはずもなく、そこそこ作っておけば、一流どころには不安の少ないレースなのである。

このレースに直結する前哨戦が見当たらないからこそ、トレンドのG1年明け緒戦ローテは、ソダシだけでなく、冬の東京以来であるナミュールなども含めて、今後は少しずつ拡大していくだろう。
現に、桜花賞と皐月賞はそのようなローテーションの期待馬が、素晴らしすぎる豪脚で皆を魅了している。
ソダシに関しては、この点が問題ではないということを強調しておきたい。
敗因となる要素になりそうなのは、もっと別のモノであろう。

2歳女王には要注意

ソダシとレシステンシアが馬券になった昨年は、人気馬の明暗がくっきり分かれた一戦でもあったが、オッズが割れ気味であったのだから、それは仕方がない。
ただし、この2歳女王コネクションに囚われると、いただけない現実を目の当たりにすることとなる。

何より、一昨年のグランアレグリアがいい例。
勇躍、牝馬チャンピオンではなく、今後の展望をよりクリアにするための阪神遠征で、おまけつきの朝日杯挑戦で、結果的に同じ無敗のエース級・アドマイヤマーズの一撃に屈するわけだが、おかげで桜花賞が休み明けでも圧勝。
その後の活躍など記すまでもなく、片手間で帳尻合わせに使っただけの5歳時は、ほぼ馬なりにも近い運びからの独走。

こうしたタイプは昔から強く、確かに、ウオッカもブエナビスタもアパパネも2歳時からチャンピオンフィリーだったが、その後は、ホエールキャプチャやアドマイヤリード、負けた組でもメイショウマンボやリスグラシューなど、ジュベナイルフィリーズではむしろ、力の差を見せつけられた組が、古馬の大レースらしく、立場を大きく変えて、見事に成長力を示した歴史に学んだ方が、ある意味で健全。

強い女王であったジョワドヴィーヴルやソウルスターリング、適性も関わるのだろうが、ラッキーライラックも撃沈であった。
スピード型に有利なレースだから、速いレシステンシアは2度目の挑戦で好結果を残したが、大崩れまでは考えづらいソダシが、どこまで自分を取り戻せているのか、この点が休み明けだと見えづらいから、やはり注意しないといけないのである。

意外な穴を生む、前年人気馬

来たのは、前年優勝から1年音沙汰ナシ状態だった連覇達成のヴィルシーナと、高松宮記念がいただけなかったという直後に、見せ場を作った昨年のレシステンシア。
先行できる馬や、スピード能力で持続するバランス型のラップを得意分野とするようなタイプには、前半ハイペースがなかなかないこのレースでは、チャンスが生まれる。

ピンからキリまでということはない、人気になっただけの理由がある前年の期待馬は、高齢になっても現役の個人馬主<クラブ所有なら、牝馬の場合は、G1に出てくるくらいだから、繁殖牝馬としての役目を優先して、6歳以降の出走は基本的にない>が所有する一流どころが、走ったり走らなかったりとしていくうちに、数字は悪くなっているが、ノーザンファーム産で若い馬であるなら、大丈夫だろうという大方の推測から、血統的に選別を加えられた中で、適性のある馬を連れてくれば、ひどい結果に終わることはあまりないとした方が賢明なのだろう。

だから、人気落ちでこそ狙い目となるのは、このレースの特殊性と、ヴィルシーナや一緒に走っていたホエールキャプチャなどに見られた、ファンも1年は待っていられないというそれを、逆張りできる穴党に味方をする、ヴィクトリアマイル特有の独自色がもたらすリピーター歓迎の側面を、これからもずっと馬鹿にしてならないということなのである。

破壊力のあるヴィルシーナ型、連覇時はいずれも大して人気になっていないストレイトガールらに共通するのは、昨年と今では別の馬になっているのではないのか、という誤った見解。
むしろ、ここで再起を期す馬は、他の牡馬が主役の大レースよりも、陣営がきっちりと立て直して、目標にしやすい春のいい時期に行われるレースでもあるから、ソングラインや人気にはまたならないアンドヴァラナウトなど、血統的に古馬になって楽しみな面々には目を配りたい。

ヴィクトリアマイル予想2023 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

騎手大賞男とミスターMVJに期待の筆者、結果的に、大波乱希望の方向性だけは当たる公算が大いにある組み合わせ

ソングラインの血統

3代母ソニンクと言えば、日本なら孫世代であるロジユニヴァース、ディアドラといった、重馬場の激しい3歳ビッグタイトルをもぎ取った洋芝巧者の名が挙がる。

ソニンクは、3歳時に古牡馬を破って欧州マイルタイトルを2つも得たギニーホース・Sonic Ladyの直仔であり、気づけば、チャンピオン距離のウイナーに倣って、先日の青葉賞を制したスキルヴィングもいるとすると、ますます、偉大なる安田記念制覇を果たしたソングラインは浮いた存在となってくる。

早熟の系統になりがちな、主流系統の詰め合わせ、同系配合の連続形というものは、考え方を一旦変えてみると、ストレスを3歳時にかけすぎなければ、その本質がより強く表れるという見解もあっていいはず。
桜花賞前にストレスをかけず、桜花賞でメイケイエールに大いに邪魔されたソングラインは、即座に次戦のNHKマイルCを勝ったも同然の2着としたものの、期待のかかるレースほど不利を受けたり、自分自身がうまく動けなかったりしてきた。
そんな中で、スローの流れを活かした普通の戦略が勝ちに繋がった安田記念があるのだが、言い換えれば、不器用なタイプ。

母父シンボリクリスエスでは、一昨年のディープ祭りの時、どうにも太刀打ちできないグランアレグリアに抵抗した証として、このブルードメアサイアーを持つ2頭が熾烈な2着争いを演じた。
安田記念を勝っているソングラインとすれば、消耗が少ない状況での激闘への投入はむしろ歓迎だが、ここ2戦はいただけないので…。
今年は直系孫世代ではイズジョーノキセキ、同じ母父シンボリクリスエスではサブライムアンセムがいる。
どことなく、方向性が同じような気がするのは筆者だけか。
キレないディープを体現するキズナ産駒の中で、短距離重賞でエース級の働きを魅せるこの牝馬は、かなり特殊。
そこはソニックレディの子孫なのだから、日本のチャンピオンコースでこそ狙いたい血統馬とも言える。

ヴィクトリアマイル予想2023 - レース展開と最終予想

内枠に入れば詰まり、真ん中から外を引くと、大概は外を回らされて負ける。
昨年の2勝も、その前の紅梅Sも鮮やかすぎやからこそ、NHKマイルCや昨年のこのレースで敗れた際の、ソングラインが持っている勝負運のようなものに、陣営同様、ファンの多くも悶絶してきたという経緯がある。

それにしても、絶妙な仕掛けでいかにも牝馬の池添を見せつけた安田記念優勝以降の、G1馬・ソングラインの辿る道は、タイトルを得る前以上にタフだった。
秋緒戦、北米遠征を控え、あえてハイペース必至のセントウルSに出れば、案の定置かれて、当然のように仕上げも完璧でないから、安田記念と同じくらいの上がりを使うも、実質回ってきただけ。
コンスタントには使っても、休み休み走らせる現代っ子であるソングラインは、決して、初挑戦で脆いタイプではないものの、キャリア10戦以上で5勝もしているのに、連勝が2、3歳で股をかけた時の未勝利戦からの記録しかないのは、そうした性質もあるか。

思えば、近親のダービー馬・ロジユニヴァースも、初めて詰めて使った皐月賞で大惨敗。
雨に救われたダービーで、横山典弘騎手も男にしたが、ついにあの強いロジユニヴァースは戻ってこなかった。

勝ち味に遅いというよりも、器用なようで脚の使い方が絶妙に難しい感じのこの牝馬に、メイケイエールの満を持してのヴィクトリアマイル参戦で、鞍上が空位、結局、選ばれるべき存在なのであろう戸崎騎手へと、初タッグの乗り替わりとなったことは不安ではあるが、この男、やたらとこのレースでやってくれる。

5着以内の掲示板、感覚的に入着という上位入線は、ストレイトガール連覇の2回に止まらず、4歳時のアエロリットやミス準エリ女のクロコスミアとのナイスファイトや、手が戻ったマジックキャッスルとのタッグで3着とした一昨年など。
穴馬ばかりだから、怪我による欠場を除いても、ほとんど皆勤の戸崎騎手は、当然のことながら、単勝・複勝両回収率が200という大台を超えてくる。

狙うべき才能を得た時、得意とする、スムーズなアプローチで末脚を伸ばす、いかにも牝馬にフィットするスタイルが、このスピード競馬のマイルG1で、ジャストフィットするのであろう。
ルメール騎手も似ていて、ハーツクライで日本のG1を初優勝して以降、尊敬するオリビエ・ペリエの後釜に収まるように、どんな伏兵でも上位争いに絡んでくる<人気馬だと、アーモンドアイやアクシデントのリアファルのようなことがある>、稀に見る有馬男となって、今まさに君臨している。

正しいアプローチというのは、当然、馬自身の個性による差異は存在するものの、出が甘くて、ここ2戦は置かれてしまっているソングラインは、まず、得意であろうマイルではここまで【3・1・1・2】なのであって、着外は、メイケイエール<この時は池添騎手がこちらに騎乗>に邪魔された桜花賞と、昨年、大事な場面で躓いたヴィクトリアマイルだけという戦績からも、巻き返すならまずはここ。

そんな自滅気味のこのレースを経て、池添騎手は、本番想定の安田記念で、極端なバイアスのある馬場状態であったが、敢えて控える形をとって、最後はヴィクトリアマイルでソダシ以外の4頭を追い詰めた脚を使うことで、その他、牡馬のエース級を一刀両断にして見せたのだから、その後はソダシも不安なのだとすると、今はフラットな力関係。

4歳からはスターズオンアース、スタニングローズ、キレるナミュールなどが参戦も、タイトル持ちの両者はいくらか、マイルは短い印象で、現に1600以下での実績がやや心許ない。
ナミュールも休み明けはともかく、きれいにかつロスのない立ち回りがないと、勝ち負けまでは苦しい。
頼もしい実績を誇るスプリント女王候補のナムラクレアとて、まずは1400への適応力がどの程度かの再確認が必要で、この馬は1400で惜敗2度の記録があるから、桜花賞僅差3着の実績に気を取られると、ならば、1400重賞ならこなせるメイケイエールの方がいいとなる。

速さは足らなくても、ここまで全キャリアは古い順で、1・6・1・7・1・5・1・4着としている、鮮やかなテレンコ○×馬ぶりを発揮する先行もできるアートハウスが、総合力のマイルでこそ狙いという面がある。
前向きさのコントロールこそ、主戦の川田将雅最大の至上命題であるとしつつ、疲れやすいこの馬を、中内田調教師は半ば諦めの境地で、敢えて、今年は3つめにG1という異例ローテをとってきた。
ハマるとは限らないが、勝ち切れないまでもまた好走の流れではある。
勝った直後が全て2か月以内というところで、余裕残しの愛知杯完勝から、本番想定の目方にした中山牝馬Sは、安定のポカ。
ここで57という、今季以降当たり前となる厳しい斤量を経験し、タフさを身に着けた…、と思いたい。
この馬は逃げたこともないが、中団から差す形も多頭数戦でとったこともない。

下手に引くよりも出た方がいいタイプと、ある程度差す形に勝機という目途が立っている昨年の2番人気馬。
戸崎圭太と川田将雅が桜花賞と、その前の阪神ジュベナイルフィリーズで激突した1勝1敗の名牝対決があった。
その桜花賞制覇から、川田騎手は昨年再度制覇し、今年への連覇へと繋げた。
G1を是非勝ちたいと願うMVJ男とすると、お互い、人気の縛りがない自由な立場でこそ、得意とする牝馬のエスコートで、らしさ爆発としたい。
名古屋のかきつばた記念は、まさに勝負所からのマッチレースだったが、果たして。