安田記念 予想
ここ最近は、名牝たちの春の目標レースとなっているこの安田記念は、実に歴史の長いレースである一方、
当時では珍しい1600Mの注目重賞を、古馬のために作ったということで画期的な存在として、関係者の中にも根付いていきました。
日本中央競馬会初代理事長・安田伊左衛門の名を冠した晩春の東京のハンディキャップ競走として始まったこのレースは、
1984年のグレード制導入に合わせて、趣を大きく変えてGⅠ競走として生まれ変わりました。
初期から、国内のトップマイラーが続々と勝っていき、外国調教馬も数度制しているこのレースは、国内における最高グレードのマイル重賞として、
全ての競走馬の可能性を引き出せる万能の魅力があり、長距離G1の春の天皇賞や短距離の高松宮記念を前走で好走した馬が、
ここでも続けて連対したという記録も残っています。
顕彰馬となった優勝者
開催年 | 馬名 |
---|---|
1990年 | オグリキャップ |
1998年 | タイキシャトル |
2008年~2009年連覇 | ウオッカ |
2013年 | ロードカナロア |
国外のG1も制した名馬
開催年 | 馬名 |
---|---|
2003年 | アグネスデジタル |
2011年 | リアルインパクト |
2014年 | ジャスタウェイ |
2015年 | モーリス |
安田記念の特徴
体調面に大きな問題を抱えていない限り、ほぼ全員が万全の態勢で使えるレースなので、しっかりと使われている馬も秋に大きな舞台を踏んでそれ以来の馬でも
ちゃんと好走することもありますが、当然、疲れているようでは話にならないので、年初から連戦連勝よりは程々に負けているとか、
前哨戦で走りすぎていないいいステップだったと思える馬が、ガラリ一変する面もあって、波乱の多いレースでもあります。
安田記念の歴代優勝馬
1着馬 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 人気 | 前走 | 父名 | 2着馬 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 人気 | 前走 | 父名 | 3着馬 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 人気 | 前走 | 父名 |
|
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2011年 | リアルインパクト | 牡3 | 54 | 戸崎圭太 | 9 | NHKマイルC③ | ディープインパクト | ストロングリターン | 牡5 | 58 | 石橋脩 | 5 | 京王杯スプリングC① | シンボリクリスエス | スマイルジャック | 牡6 | 58 | 三浦皇成 | 3 | マイラーズC⑥ | タニノギムレット |
2012年 | ストロングリターン | 牡6 | 58 | 福永祐一 | 2 | 京王杯スプリングC④ | シンボリクリスエス | グランプリボス | 牡4 | 58 | 内田博幸 | 13 | マイラーズC⑦ | サクラバクシンオー | コスモセンサー | 牡5 | 58 | 松岡正海 | 15 | マイラーズC<3> | キングカメハメハ |
2013 年 | ロードカナロア | 牡5 | 58 | 岩田康誠 | 1 | 高松宮記念① | キングカメハメハ | ショウナンマイティ | 牡5 | 58 | 浜中俊 | 3 | 産経大阪杯② | マンハッタンカフェ | ダノンシャーク | 牡5 | 58 | C.デムーロ | 12 | マイラーズC③ | ディープインパクト |
【2014年】 | ジャスタウェイ | 牡5 | 58 | 柴田善臣 | 1 | ドバイデューティフリー① | ハーツクライ | グランプリボス | 牡6 | 58 | 三浦皇成 | 16 | マイルチャンピオンシップ⑨ | サクラバクシンオー | ショウナンマイティ | 牡6 | 58 | 北村宏司 | 10 | 産経大阪杯⑤ | マンハッタンカフェ |
2015年 | モーリス | 牡4 | 58 | 川田将雅 | 1 | ダービー卿チャレンジT① | スクリーンヒーロー | ヴァンセンヌ | 牡5 | 58 | 福永祐一 | 3 | 京王杯スプリングC② | ディープインパクト | クラレント | 牡6 | 58 | 田辺裕信 | 12 | マイラーズC⑩ | ダンスインザダーク |
2016年 | ロゴタイプ | 牡6 | 58 | 田辺裕信 | 8 | ダービー卿チャレンジT② | ローエングリン | モーリス | 牡5 | 58 | T.ベリー | 1 | チャンピオンズマイル① | スクリーンヒーロー | フィエロ | 牡7 | 58 | 内田博幸 | 6 | マイラーズC④ | ディープインパクト |
2017年 | サトノアラジン | 牡6 | 58 | 川田将雅 | 7 | 京王杯スプリングC「9」 | ディープインパクト | ロゴタイプ | 牡7 | 58 | 田辺裕信 | 8 | 中山記念③ | ローエングリン | レッドファルクス | 牡6 | 58 | M.デムーロ | 3 | 京王杯スプリングC「1」 | スウェプトオーヴァーボード |
2018年 | モズアスコット | 牡4 | 58 | C.ルメール | 9 | 安土城S② | フランケル | アエロリット | 牝4 | 56 | 戸崎圭太 | 5 | ヴィクトリアマイル<4> | クロフネ | スワーヴリチャード | 牡4 | 58 | M.デムーロ | 1 | 大阪杯① | ハーツクライ |
2019年 | インディチャンプ | 牡4 | 58 | 福永祐一 | 4 | マイラーズC④ | ステイゴールド | アエロリット | 牝5 | 56 | 戸崎圭太 | 3 | ヴィクトリアマイル⑤ | クロフネ | アーモンドアイ | 牝4 | 56 | C.ルメール | 1 | ドバイターフ① | ロードカナロア |
<2020年> | グランアレグリア | 牝4 | 56 | 池添謙一 | 3 | 高松宮記念<2>3位繰上げ | ディープインパクト | アーモンドアイ | 牝5 | 56 | C.ルメール | 1 | ヴィクトリアマイル① | ロードカナロア | インディチャンプ | 牡5 | 58 | 福永祐一 | 2 | マイラーズC① | ステイゴールド |
2021年 | ダノンキングリー | 牡5 | 58 | 川田将雅 | 8 | 天皇賞(秋)⑫ | ディープインパクト | グランアレグリア | 牝5 | 56 | C.ルメール | 1 | ヴィクトリアマイル① | ディープインパクト | シュネルマイスター | 牡3 | 54 | 横山武史 | 4 | NHKマイルC① | キングマン |
2022年 | ソングライン | 牝4 | 56 | 池添謙一 | 4 | 安田記念(G1) | キズナ | シュネルマイスター | 牡4 | 58 | C.ルメール | 2 | 安田記念(G1) | Kingman | サリオス | 牡5 | 58 | D・レーン | 8 | 安田記念(G1) | ハーツクライ |
2023年 | ソングライン | 牝5 | 56 | 戸崎圭太 | 4 | ヴィクトリアマイル① | キズナ | セリフォス | 牡4 | 58 | D.レーン | 3 | ドバイターフ⑤ | ダイワメジャー | シュネルマイスター | 牡5 | 58 | C.ルメール | 1 | マイラーズC① | Kingman |
2024年 | ロマンチックウォリアー | せん6 | 58 | J.マクドナルド | 1 | 香港QE2C① | Acclamation | 牝5 | ナミュール | 56 | 武 豊 | 4 | ヴィクトリアマイル⑧ | ハービンジャー | ソウルラッシュ | 牡6 | 58 | J.モレイラ | 2 | マイラーズC① | ルーラーシップ |
良は無印・○は着順/<稍>「重」【不良】
安田記念 過去10年のデータベース
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
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1番人気 | 3回 | 2回 | 2回 | 3回 | 30% | 50% | 50% |
ノーザンダンサー系 | 2回 | 3回 | 0回 | 25回 | 7% | 17% | 17% |
ミスプロ系 | 1回 | 1回 | 3回 | 21回 | 4% | 8% | 8% |
前々走が東京 | 2回 | 1回 | 4回 | 19回 | 8% | 12% | 12% |
前々走が中山 | 3回 | 2回 | 2回 | 30回 | 8% | 14% | 14% |
前々走が阪神 | 3回 | 1回 | 0回 | 32回 | 8% | 11% | 11% |
前々走が京都 | 1回 | 3回 | 1回 | 13回 | 6% | 22% | 22% |
前々走が中京 | 0回 | 0回 | 2回 | 13回 | 0% | 0% | 0% |
前々走が沙田(香港) | 1回 | 2回 | 1回 | 15回 | 5% | 16% | 16% |
前々走がメイダン(UAE) | 0回 | 0回 | 0回 | 2回 | 0% | 0% | 0% |
当該年ダービー連対騎手 | 1回 | 2回 | 1回 | 13回 | 6% | 18% | 18% |
5歳のG1勝ち馬 | 2回 | 3回 | 1回 | 15回 | 10% | 24% | 24% |
9番人気以下 | 2回 | 2回 | 4回 | 75回 | 2% | 5% | 5% |
過去のデータや傾向を見る限り、狙い目はノーザンダンサー系なのは間違いありません。
都合5回の連対馬登場、2着が3回という構成をする馬が、前年の連対馬でもある関係で、対象は3頭しかいないものの、30通りの可能性、
年3頭ばかりが対象となると理論上の解析をすれば、圧倒的に数の多いヘイロー系を中心とするヘイルトゥリーズン系よりも、狙いを絞りやすいというのは魅力でしょう。
年々、サンデーサイレンス直系の浸食度合いがえげつないレベルになって、かなり信頼性は揺らいでいますが、他のG1と比べても、圧倒的に好走率が高いことだけは覚えておきましょう。
勝ち馬の前走に限れば、中央競馬の主要場や高松宮記念の中京が相当数を占める一方で、ドバイも香港もいるからこそ、
着順なども絡めるとかなりの確率でわけのわからないデータになってしまいます。
そうすると、よりバラエティーに富んだ前々走の結果に関わらず、どこで使っていたかを、
同じ括りで分析すると、高松宮記念や金鯱賞を使っている馬が連対できていないという傾向が出てきました。
高松宮記念から直行の馬は、2勝しているものの、その他大勢はほとんど人気にもならないとすると、
期待されていない限り、中京を3月に使っていた馬の扱いには慎重さが必要に思えます。
安田記念の攻略ポイント
真の名馬のためのレースには違いありませんが、その昔から、人気馬は苦戦しやすい、基本的に混戦ムードの一戦。
断然人気のアーモンドアイは連敗して、モーリスも連覇に失敗しているくらいで、秋くらいから強くなってきて、
年明けに本格化というタイプ以外は、東京で本領発揮のサウスポータイプから狙いたいところです。
ただ、例外が多く出過ぎる一戦だけに、斤量がきついからこそ、若い馬より負けている数に目を瞑っても、過度な人気にならない6歳以上の牡馬を狙うのも面白いでしょう。