安田記念2017 展望
クイーンエリザベスⅡ世C優勝のネオリアリズムが、こちらの路線に回ってくるのか、馬場適性、レース間隔諸々を考慮し、宝塚記念以後のレースに照準を合わせてくるのか。
実際のところ、結構重要なポイントである。
ミッキーアイルは引退し、モーリスもいなくなったのだから、それより若い世代の台頭を願うばかりなのだが、元より、6、7歳になって完成期に入った馬に総合力の勝負に持ち込まれると、その昔の実績で何とか凌ぎきれるという結果が昨年も出てしまったから、若手には必ずしも、底力のマイルは簡単に攻略できる舞台とはなり得ないという証明が、この安田記念はすでになされているように思う。
何かを勝った後に、ここでまた復活する。
出世している過程でここを勝ちとるという馬は、余程の名馬か、単なるダークホースのどちらかである。
名馬のためのレースに今年はなり得ない構図なのだから、ネオリアリズムの完成度はそのまま、レース展望の根幹を形成することになるわけだ。
いないと仮定して、ミスター前哨戦のサトノアラジンにチャンスがまだ残っているのか、復活のイスラボニータ、期待がやや先行しつつある東京新聞杯の4歳トップスリーなど、いつもは着止まりのマイラーズC組の台頭はあるのか。
帯にはもちろん、襷にも足らない身の丈というのは何とも残念だ。
GⅠで足りる根拠ある能力は、古馬の重賞戦線で証明できるものとは限らない。
一変の可能性を感じさせるオーラのようなものは、正直、まだ見られないのだ。
ロジチャリスで足りてしまうようでは、ちょっとゾッとしてしまうようなレースレベルとなってしまう。
強いて挙げるなら、マイルGⅠは初の参戦となるステファノスが、2000Mの平均ペースで普通の抜け出しができたことが強気になれる、というくらいの推し材料があるのみ。
モーリスがいないだけで…。
京王杯SC組では、それと同厩舎だったキャンベルジュニアが、パワー勝負に持ち込んで1400巧者に肉薄できれば、穴で面白いのだが、1戦多い気もする。
まずは、何が逃げるのかというところから、予想の組み立てが始まるレースになる。