安田記念2019 予想
因縁の皐月賞上位三人衆が、久々に集結。
レコード決着頻発の陰で、JRA的にもノーザンファーム的にも、なかなかによろしくない空気感になっているが、今週は果たして。
アエロリットに誰が絡んでいくだろうか。
アーモンドアイはジャスタウェイになれるか、はたまた、連覇を狙ったモーリスのようになってしまうのか。
案外、ダノンの競馬の巧みさも、想定外のガヤが登場することで、それほどのアドヴァンテージにならない可能性はある。
ただ、先週のダービーに倣うなら、
「ダンチヒは偉大」
ということだろうか。
ノームコアもロジャーバローズも、サンデーサイレンスにダンチヒが入り込み、力づくで高速ラップの大一番をジャックした印象深いレース内容であった。
すっかり忘れてたが、ダンチヒ直仔のマグナーテンは、旧東京と新潟の1400M戦におけるレコードホルダーだ。
その前後に、フェアリーキングプローンやそれが沈んだ翌年はダートを使った後に再度激走のブレイクタイムに皆が驚き、翌02年は、母父ダンチヒのミレニアムバイオが3着、改修後最初の安田記念も母父系がダンチヒのアグネスデジタルがレコードウインとしていた。
最近、その前の2着オリエンタルエクスプレスやグラスワンダーからスタートしたダンチヒブームが再興しつつある。
昨年は父母父が勝者も出しているデインヒルのモズアスコット。
一年挟んで、16年はモーリス連覇失敗も、3着がそのデインヒル母父のフィエロ。
90年代後半も、安田記念の平均勝ちタイムがハンディキャップ競走の流れを汲んでいた80年代までとは、大きく変化した経緯がある。
今は、1分31秒台が普通になった。
当時なら、世界レコードクラスである。
ダノンプレミアムは、キャリア2戦目の東京で、46.1-46.9の厳しいながらも、バランスラップの展開を自ら後半リードして、1年後、その走破時計と同じ1:33.3で、2着馬のステルヴィオはマイルCSを快勝したという、圧倒的な記録がある。
マイルの真っ向勝負では、アーモンドアイの桜花賞よりもはるかにタフな競馬に早くから適応している。
その上、前走のマイラーズCでは、48.5-44.1を乗り切った。
正直、どちらの展開も先行馬が有利なわけではない。
母がダンチヒの4×3を持ち、ロベルト、ヒズマジェスティ、レイズアネイティヴが5代内の位置にあるのはグラスワンダーとほぼ同配合。
サンデーもリファールも入っているとなると、もうモーリスとも同じになる。
ダノンプレミアムにはもうひとつ、アーモンドアイとも繋がるバックパサーの血もクロスする特性がある。
その父トムフールという括りまで広げれば、牝馬の代表はベガ、牡馬ならマルゼンスキーが各母父の頂点の存在で鎮座し、その後の競馬界における重要戦で、代表産駒がダービー馬という共通項だけではない、影響力を誇示した。
ノーザンダンサー系との相性は言うまでもなく、アーモンドアイの3代母セックスアピールのファミリーが、何故成功したのかという理由は、このバランスのトムフール系の存在であると、結論付けられるわけだ。
勝負を分けるのは、アーモンドアイに入ったヌレイエフとデインヒル直仔が激突した01年の安田記念の結果考察をした末の、重要ポイント。
ブラックホークは差して勝負を制し、ブレイクタイムは正攻法で粘った。
まるで同じ。
ブラックホークにはロベルトの血が入っていた。
それが勝負を分けるのではないか。
グラスワンダーの好走以来、最近になってから、モーリスの活躍などで、ストロングリターンのレコード勝ちを筆頭に、ウオッカ連覇もそう、なかなかに時計勝負での強さを見せた人気馬に、この血は共通している。
アーモンドアイがいいものを全て合わせ持っているのに対し、ローテ上はそれほど不利はないダノンプレミアムが、真っ向勝負で見劣る要素もまた、全くないのである。
あり得ないようなマッチレースになっても、何ら不思議はない。
◎ダノンプレミアム
○アーモンドアイ
▲アエロリット
注エイトシャイデン
△インディチャンプ、サングレーザー、ステルヴィオ、フィアーノロマーノ