安田記念2023の予想 過去10年間のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

安田記念の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第73回安田記念(G1)
グレード重賞(G1)
日程2023年6月4日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離1,600m
コース左回り
賞金1億8000万円
レコードタイム1:30.5

安田記念2023の予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

安田記念2023の予想オッズと登録馬

枠番馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11ナランフレグ丸田 恭介牡758.097.315美浦・南W・重(丸田)
6F 83.8-66.9-51.2-36.7-11.0(G前仕掛け)
美浦・南W・稍重(丸田)
6F 85.4-68.8-52.6-37.4-11.2(馬なり)
12メイケイエール池添 謙一牝556.026.711栗東・CW・良(池添)
4F 48.9-35.4-11.8(直強め)
当週は時計を出さずにレースに臨む
23ジャックドール武 豊牡558.07.34栗東・CW・良(助手)
6F 80.7-64.4-49.9-35.6-11.1(一杯)
栗東・CW・稍重(武豊)
5F 66.3-50.7-35.9-11.2(馬なり)
24セリフォスD.レーン牡458.06.73栗東・CW・良(助手)
7F 97.7-66.6-52.0-36.6-11.3(一杯)
栗東・CW・稍重(助手)
6F 83.8-68.5-52.8-36.9-11.5(馬なり)
35ソダシ川田 将雅牝556.05.52栗東・CW・良(川田)
6F 82.3-66.5-51.8-36.5-11.4(G前気合付)
栗東・坂路・稍重(川田)
800m 55.1-39.6-25.1-12.2(馬なり)
36ダノンスコーピオンM.デムーロ牡458.051.514栗東・坂路・良(M.デムーロ)
800m 54.1-38.9-25.0-12.7(馬なり)
栗東・坂路・稍重(助手)
800m 54.2-39.3-25.5-12.1(馬なり)
47ガイアフォース西村 淳也牡458.017.08栗東・坂路・良(西村淳)
800m 52.5-38.6-24.4-11.8(一杯)
栗東・坂路・稍重(助手)
800m 55.5-41.0-26.4-12.7(馬なり)
48ドルチェモア坂井 瑠星牡354.0116.917栗東・CW・良(坂井瑠)
6F 82.4-66.7-51.9-36.7-11.3(強め)
栗東・坂路・稍重(坂井瑠)
800m 54.7-39.3-25.6-12.6(馬なり)
59シャンパンカラー内田 博幸牡354.027.012美浦・南W・重(内田博)
6F 88.9-72.3-57.1-42.1-13.7(馬なり)
美浦・南W・稍重(内田博)
5F 65.6-50.4-36.2-11.6(馬なり)
510ソウルラッシュ松山 弘平牡558.013.27栗東・CW・良(松山)
7F 99.1-66.6-52.2-37.0-11.0(強め)
栗東・坂路・稍重(松山)
800m 52.4-38.4-25.0-12.0(馬なり)
611イルーシヴパンサー岩田 望来牡558.010.56美浦・南W・重(岩田望)
6F 82.7-66.8-51.5-36.8-10.9(G前仕掛け)
リラックス(馬なり)の内1.6秒追走・同入
美浦・南W・稍重(助手)
6F 80.9-65.5-50.9-36.9-11.5(馬なり)
612ナミュール横山 武史牝456.024.610-栗東・坂路・稍重(助手)
800m 57.3-40.8-25.8-12.4(馬なり)
713レッドモンレーヴ横山 和生牡458.024.19美浦・南W・良(助手)
6F 84.7-68.9-53.9-39.5-12.2(馬なり)
美浦・芝・稍重(助手)
5F 66.1-49.8-36.9-11.1(馬なり)
714シュネルマイスターC.ルメール牡558.04.91美浦・南W・重(嶋田)
6F 81.4-65.8-51.1-36.6-11.2(G前仕掛け)
美浦・南W・稍重(嶋田)
6F 83.6-67.0-52.0-36.8-11.4(馬なり)
715マテンロウオリオン横山 典弘牡458.099.816栗東・CW・良(横山典)
7F 99.0-67.6-52.9-37.4-11.4(一杯)
栗東・CW・稍重(横山典)
6F 81.6-65.7-50.8-36.1-11.0(一杯)
816カフェファラオ浜中 俊牡658.0152.018美浦・南W・稍重(助手)
6F 84.1-67.7-52.3-36.6-11.3(一杯)
美浦・南W・稍重(助手)
6F 83.2-66.6-51.6-37.1-11.6(馬なり)
817ウインカーネリアン三浦 皇成牡658.045.813美浦・南W・重(馬なり)
6F 84.3-68.2-52.3-37.1-11.2(馬なり)
美浦・南W・稍重(三浦)
6F 83.2-67.6-52.7-38.1-11.7(馬なり)
818ソングライン戸崎 圭太牝556.08.05美浦・南W・稍重(戸崎)
5F 68.0-52.1-37.0-11.2(G前仕掛け)
美浦・南W・稍重(戸崎)
5F 67.3-52.4-37.3-11.3(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬1回3回0回16回5.0%20.0%20.0%
先行馬4回4回4回56回5.9%11.8%17.6%
差し馬12回7回10回131回7.5%11.9%18.1%
追い込み馬3回6回6回77回3.3%9.8%16.3%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠1回3回2回31回2.7%10.8%16.2%
2枠4回2回3回28回10.8%16.2%24.3%
3枠3回2回1回33回7.7%12.8%15.4%
4枠1回2回3回33回2.6%7.7%15.4%
5枠4回3回0回33回10.0%17.5%17.5%
6枠0回3回3回34回0.0%7.5%15.0%
7枠6回2回2回43回11.3%15.1%18.9%
8枠1回3回6回45回1.8%7.3%18.2%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト56回31回31回238回15.7%24.4%33.1%
ロードカナロア27回32回22回182回10.3%22.4%30.8%
ハーツクライ18回16回28回114回10.2%19.3%35.2%
エピファネイア16回11回11回97回11.9%20.0%28.1%
ルーラーシップ15回12回10回109回10.3%18.5%25.3%
キングカメハメハ13回13回9回82回11.1%22.2%29.9%
ドゥラメンテ13回12回9回68回12.7%24.5%33.3%
ダイワメジャー13回7回10回101回9.9%15.3%22.9%
スクリーンヒーロー10回16回16回83回8.0%20.8%33.6%
モーリス9回12回8回76回8.6%20.0%27.6%

安田記念予想2023 - 過去10年のデータ傾向

最近の傾向は、とりあえず、勝ち切るのは4歳馬という空気感

モーリス、モズアスコット、インディチャンプ、ソングラインなどが、著名な優勝馬として登場。
いずれも、ダートを含めれば、その後も大きなタイトルを勝ち取った名馬である。
ここでの評価は古い順に、1、9、4、4番人気。

アーモンドアイは絶対負けないだろうというムードで、単勝12倍の3番人気であったグランアレグリアだけ、G1勝利の記録があった牝馬。
アーモンドアイが本来の出来ではなかったとはいえ、内容はグランアレグリアの完勝。

牡馬はタイトルを得るどころか、G1さえも初挑戦という出世の遅れたグループであり、年明けに重賞初勝利や連対の記録を残している。
ソングラインはグランアレグリアと同じように、桜花賞の時点でそれなりの評価を受けていた組。
好走したレースがそれとNHKマイルCとで異なるというだけであり、そもそも、A級評価の快速系。
半分勝っている上に、斤量の58、56の厳しい縛りを今は、どの馬もここに至る前に経験しているが、そうでなくてもこなしている馬がこれだけいるのだから、ちょっと前よりは古馬優勢という雰囲気ではない。
一昨年は3歳のシュネルマイスターが僅差の3着であった。
3歳馬も侮れない。

主力級が多く出る5歳であると、勝ち切れない馬が多数出現の傾向

何しろ、戦慄の馬なり快勝直後だった、モーリスとアーモンドアイが、見事に格では下であろう、一応G1馬という点のみ同格とは扱える伏兵に屈したというのが印象的。
レースが破綻に等しい展開になっていながら、勝ち馬がG1を複数回好走しているロゴタイプやグランアレグリアであったことで、体面的には、別の才能を持つタイプにチャンスが生じた一戦という評価に変わったのみであった。
ただ、レースの軸がぶれているから、思惑通りに運べたその他の人気馬は少ない。

速い馬を探すだけというほど単純ではない、東京マイル特有の底力優先でも時計勝負も高水準のモノが求められるこの大レースは、2年連続好走で共通するアエロリットとともに、ハードな時計勝負で、また近走以内に国外のレースを使っているなどの事情と合わせ、本調子に持ち込めなかったという死角は確かにある。
2度アジア圏の遠征を棒に振ったアーモンドアイは、前年不利を受けた中での3着よりしぼんで見えた2着だったから、秋に激闘2戦を制するなど、この時点では予測不可能だった。

ソダシ、シュネルマイスター、前年覇者のソングラインなど、上等なラインナップであるが、来ても2着ムードが漂うから、敢えて、本線に入れる必要はないと判断した。

大物の復活や念願のタイトル奪取を生む6歳勢の一撃には、恒常的に要注意

絶対数こそ減るが、短距離路線なので、6、7歳だと、まだG1級は働ける。
それでも、全盛期と呼べるゾーンから外れてしまったような、若いうちにG1を制してからの復活のパターンとなると、さすがに限られる。

そこで一捻りして、ちょっと古いところで来たグランプリボスと、突然逃げて勝ちきったロゴタイプらに共通する、2歳王者という共通項は、今年2頭した登録のないこのコントレイル世代には存在しないが、カフェファラオはそのようなタイプ的扱いくらいはできそう。
ダート専門のようで、芝のマイルG1を結果的に両獲りしたアグネスデジタルは、3歳時にマイルチャンピオンシップをレコード勝ち。
色々あって、最後のG1制覇を6歳時にここで果たしたこの鬼才は、大昔に全日本3歳優駿・G2格を勝っていた裏2歳王者でもある。

一方、穴馬として好走のヴァンセンヌは、モーリスに迫った6歳馬。
これは同じ年齢で東京新聞杯を勝ったウインカーネリアンと合致し、どことなく共通もしている上に、奇しくも、モーリスと同じスクリーンヒーローの産駒。
3歳でG1を勝ったわけではないが、川崎で大レースをしている頃にデビューしたカフェファラオが、次の適鞍と言えるG1は、4歳にならないと出られないフェブラリーSであったのだから、それは仕方ない。
4歳時は1:34.4で良馬場での快記録・パサパサ馬場限定でレコードタイム、5歳時だと、1:33.8で正真正銘のレースレコード。

昨年のこのレースは1分33秒台でしか走れなかったが、乗り替わりで要注目の一頭。
同厩舎のモーリスも、手戻りとはいえ、主戦ではなかった川田騎手のピンポイント騎乗で、後の大成に繋げる1勝としたが、堀厩舎には縁のある安田記念だけに、サリオスの代わりにこの馬が…、というのは妄想に終わるとも限らない。

人気を背負って勝つための条件が、あまりはっきり見えてこないレース

荒れてどうしようもないレースだったものが、近10年で飛んだのは、イスラボニータとイルーシヴダンサーだけ。
前走マイル重賞を勝っている馬がほとんど勝てないというのが、晩春の開催であるこのレースの特徴。
安田記念のその前のG2、3などでは、格やレースの水準だけでなく、同じ時計になったとしても、周囲の圧があまりにも違うから、別のレースになってしまう。
快時計勝ちを理由に人気になった2頭が、残念な結果に終わったのが、適性や格だけの問題ではないが、この舞台を正攻法で戦える馬でもなかった。

一方、先述のモーリス、アーモンドアイであるとか、連覇失敗のグランアレグリアらは前走が楽すぎて、ほとんど同じような理由で負けたのに対し、前走勝っていても、難なく勝ち切ったロードカナロア、ジャスタウェイ、モーリスらが、前年は出ていない馬というのもポイントであろう。
そんなことを言うと、人気になりそうな馬、1番人気になってしまいそうな馬は、昨年のイルーシヴパンサーとは違う理由で、また嫌う必要が出てくる。

昨年結果の出なかったイルーシヴパンサーは今年こそ買えるが、連対2頭は今年5歳。
ソダシも人気になるから、軸にできる人気馬が押さえづらいとなって、やや強引な人気薄勢の大躍進への期待が、偏り気味に高まってしまったというわけだ。
みんな消えるわけではないが、人気馬から入る方が、外れのリスクが大きいような気もする。
昨年の1分32秒台であれば、本来は何が勝ってもおかしくない。
2勝クラスでも3歳馬でも、今はこの時計で走れる。

安田記念予想2023 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

たまには羽目を外して、ダートマイル王にお世話になるという妄想を抱くのも、ちょっと乙なのではないだろうか

カフェファラオの血統

米三冠・父American Pharoahの珍妙な種牡馬成績は後述するとして、まず、カフェファラオの母父であるMore Than Readyの特に、母Mary's Folliesにも関わってくる産駒傾向から。

牝馬にはUniというブリーダーズCマイルを制した名馬がいるほか、More Joyousがニュージーランド産で大分後に登場するウィンクスのような戦績を残したオーストラリア調教馬。
また、Rushing Fallも世界を駆け巡るシャトルサイアーには珍しく、北米でちゃんと走る馬を出した傑作に近く、BCジュベナイルフィリーズのターフのウイナー。
3歳以降も、微妙な位置づけの東海岸のマイルG1を中心に、かなりの勝ち星を挙げている。

斯く言うメアリーズフォリーズも、そのラッシングフォールとよく似た適性で、8.5Fの芝重賞を2つ勝っている。
で、天下のアメリカンフェイローは、ケンタッキーダービー・ピムリコのプリークネスS・ベルモントSと、同2015年にドゥラメンテが出来なかったことをやってのけるようにして、三冠全て頂戴した。
BCクラシックではカントリーグラマーの父となるTonalistなどを完封であるから、サンデーサイレンスと通じるものがある。

その産駒の中で最も早くに成功を収めたのがカフェファラオとなるのだが、これほどのビッグネームに、後継らしいダートのトップホースが現れず、絶賛迷子の真っ只中といった様子。
むしろ、正統派という意味で、カフェファラオは適正なパフォーマンスを誇っているのだが、ファピアノ直系の癖のある性質が影響するのか、距離延長のダートという概念で、北米圏からは居場所がなくなりかけている。
代わりに欧州圏の芝で成功の馬はポツポツ出ている。
日本で走るダノンファラオやペルアアは、世界のトレンドと正反対の性質である地方の深いダートに適性のある馬。
いや、芝でも結果を残して、偉大なる三冠馬の血を繋ぐ役目を仰せつかってしまいそうなカフェファラオには、グレーゾーンもある安田記念のフリースペースを活用し、昨年17着からの大いなる変貌を期待なのである。
本来は、芝血統なのではないだろうか。

安田記念予想2023 - レース展開と最終予想

筆者は彼これ、四半世紀以上は競馬という難解にスポーツと向き合ってきたので、自分でも驚くほどに、振り切った本命馬指名をすることも、1度や2度ではない。
当たるはずもないのに、落ちるところまで落ちた、ダービー出遅れから天皇賞の秋でしか走らなかったペルーサを、旬ではなくなったところで推して、やはり出が甘くて、何もできずに終わったようなこともあった。
逃げ脚に賭けたマルターズアポジーのスプリンターズSも、予測した以上に上手に立ち回って、持ち味を活かせずに撃沈。
もっと前には、今回のようにダートで成功のメイショウボーラーを安田記念で推して失敗した後、秋にスプリンターズSで2着に入って、悶絶したことも記憶に新しい…、もう17年も前ですって。

面白いレースを見たいというだけで、勝手な理由を立てて、堂々と外れることまで見込んで、(笑) 何言ってるんだか…、と冷たい目線を感じるような意味不明にも程がある妄想を披露することにも、大本命で粗品氏<芸名なので、敬称をつけるのもおかしいと思うが>のようなモンスター的人気馬潰しを犯すことなど、自慢するまでもなく、手を出すのが遅くて失敗の典型なのだから、そんなものと比べたら、ずっとマシであろうと、いつも通りにそれらしい組み立てで、外れ馬券へと誘う下手な予想ならぬ、わざわざ笑いを優先した予想を今回も披露してやろうと思う。
もし不発ならば、一刻も早く、週末デビューの2歳世代に安田記念を勝ってもらいたい。(笑)

ということで、何故ダート馬であるカフェファラオを推したのか、この無理筋を強引な解釈で芝で、それも安田記念でそうしたいと考えたのかというと、芝2戦について、函館記念も昨年のこのレースに関して、1コーナーまでの距離を考えた、カフェファラオの適性を熟慮した堀采配は、間違っていなかったように思うのだが、どういう風の吹き回しか、いずれも最内でフルゲートの混戦…。
とはいえ、そこはルメールであり福永という、最善の手を最悪のシチュエーションを回避はしていたし、捌きも芝のキャリアを踏まえたら、悪くはなかったのだが、大型馬の上に、ただでさえ繊細な性格もあって、勝ち負けに持ち込めるような形が取れなかった。
いずれも、いくらか外差しが決まるようなバイアスも自然に掛かっている、開催終盤のレースというのが、ひとつ結果に繋がらなかった点に挙げられる。

ただ、だからこその芝参戦の勝算なのだから、筋悪ではない。
また内枠となれば、今度は雨馬場になって不思議ない予報でもあり、不安は尽きないのだが…。
一応、強気になれる要素とすれば、東京マイルのダートに関しては、4戦いずれも完勝。
良馬場2回は、超スローのヒヤシンスSこそ、3歳馬でもそこまで速くない1:37.7であったが、初の芝スタートだから、仕方がなかった。

以降出遅れはなく、先述のフェブラリーSふたつは、レコードとするに相応しい結果であり、3歳馬にとっては重要な一戦、来年あたり大きく条件変更もありそうなユニコーンSも、稍重馬場のハイペースを好位付けで独走の1:34.9という快時計がある。
ちなみに、最後失速の昨年の安田記念は、最後の方は福永元騎手も諦めた感じで、ソングラインから1秒離された1:33.3だったが、上がりの脚はおかしなもので、フェブラリーS連覇時に繰り出した驚異の34.3秒と微差。
芝のトップホースが切れ脚を極限まで引き出されたレースというのは、カフェファラオにとって、最も歓迎しない流れであったのは事実。
ダートのフェブラリーSとわずかに0.4秒速いだけというのは、かなり難しい展開でもあったが、内から一応の抵抗は見せた。
まあ、実力からすれば、それは当然だったか。

ただし、それ以降は順調には使えていなかったはずなのに、被されないように気を付けながら走った盛岡の南部杯も、ヘリオスの絶妙なユタカマジックによる逃げ込みに際どく迫り、珍しく接戦で勝利。
またサウジCを使った前々走では、モレイラのマジックマンらしさ、その健在ぶりを見せつける、気合いを入れられた新馬戦でムーアと歩んだ独走のレースのようなラチ沿いのショートカットレースをすると、自然な流れで外へ出し、ジリジリともう得意ではないだろう9Fのレースでも、強いカントリーグラマーの追撃は凌げなかったが、120点のパンサラッサから置かれずに踏ん張って3着。
ドバイはコーナー4つでハイペース、異様な追い込みがオルフェーヴル的に炸裂した川田&ウシュバテソーロのためのレースであるから、出番はなかったが、言い訳できる4コーナーの接触事象は一応記しておくべきか。

得意という条件はほとんどなく、たまたま、日本のダートのチャンピオンコースにだけ適応してきたカフェファラオに、古馬になってからの衰退という定番は、近走内容に見所もあるから当てはまらないとできる。
得意なレースを捨てて、今まで一番レース間隔が開いた前々走で、しばらくぶりに、1600ではないレースをこなしきり、初の海外のレースも無難に乗り切った。
芝を使って、少し馬が前向きに戦うことができるようになってきた、という論法は本来はダートで用いるべきなのかもしれないが、うまく早めの仕掛けをできずに敗れた2戦に比べ、今回は好結果が多い乗り替わり。
何故か、大一番で想定以上にハマることの多い、先行力のある馬で結果を残してきた浜中騎手を配してきたのが、様々な意味で妙味たっぷり。

揉まれ強い古豪ではないが、若々しさを失わない同期の皐月賞4着馬・ウインカーネリアンと共に、中距離では速いジャックドールの機先を制し、グイグイ行ってくれると、案外面白い。
カフェファラオには、46秒台前半で東京マイルのダート好位抜け出しの実績があるし、東京新聞杯を逃げ切ったウインカーネリアンも、そのレースで半マイル46秒を切って、押し切った実績が残っている。
東京新聞杯出走馬は他にもたくさん出てくるし、その後もマイル重賞で好走実績があるから、勝ち馬は当然侮れない。
それでは昨年の大阪杯では耐えきらなかったジャックドールが少し置かれた時、目標をそこに置いたグループの仕掛けが遅れれば、意外な底力に溢れる6歳の2頭が粘り込んで不思議ない。
という妄想は、現実のものとなるか否か。雨の降り方ひとつで、またその影響の残り方次第で、昨年以上の乱戦がある意味で期待される一戦であろう。