ロベルト系の憂鬱<春遠からじ> / 最新・血統セミナー
ロベルト系産駒の適正・傾向と馬券対策
スクリーンヒーローの父はグラスワンダー。ジャパンCは豪華メンバーだったとはいえ、妙に低評価の中でミルコ・デムーロが乗って、フレッシュさを武器にGⅠ激闘組を撃破した結果が、何だか昔の有馬記念みたいで、妙に違和感があったことを覚えている。
その有馬記念。94年にブライアンズタイム産駒が出走条件を満たして参戦できるようになってから、4年で3勝。 その後グラスワンダーが登場し連覇。ロベルト系が、都合6年で5勝というとんでもない快挙を成し遂げた。 ステイゴールドなんかも、最近似たような事<09年から5年で4勝>をしていたが。
が、シンボリクリスエスの連覇・大勝を境に、クラシック1勝、古馬タイトルは渋ったダートと牝馬限定戦に、スクリーンヒーローが穴をあけた以外は、本当に寒々しいばかりだ。クラシック2冠馬も2歳王者も出した大種牡馬・ブライアンズタイムは、リアルシャダイと共に、90年代を盛り上げたのだが…。
栄光から遠ざかり、もう久しくなった頃、ロベルトが輝いた場所で、シンデレラストーリーを驀進するスノーフェアリーなる天才少女が現れ、それが日本に来るという話になった。 父インティカブ。知らねえなあ、とかほざいて煩悩の塊と化した競馬ファンは、2分13秒の後、見事に手のひらを返したのだった。 その後、エピファネイアがデビューする。
ただ、数で勝負できるブライアンズタイムは苦戦を強いられている。サンデーサイレンスとは完全に水を開けられていた。 ウオッカ、スマイルジャックがダービーを盛り上げ、アブソリュートを出した後は続かなかったタニノギムレットを始め、オールラウンダー・プリサイスマシーンやチャクラなどエキセントリックな仕事をする馬を出したマヤノトップガンなどはいても、繁殖入り後苦戦するダートの長距離型ばがり出ているから、カゼニフカレテ(父サニーブライアン)いるだけでは、傍流血統に甘んじるしかない。
母父になっても、ティコティコタックが秋華賞で、3年連続の二桁人気馬の激走を達成した時に、これはと思わせるものはあったものの、エスポワールシチーやブルーコンコルドが活躍馬の一、二番手。先は見えない。 もし、本当に走る馬が現れるとしたら…。 生き残りの(外)王者から生まれたグァンチャーレとエピファネイアに共通しているのが、ヘイロー、ニジンスキー、ボールドルーラーという昨年元気だった血筋。 補強してあげれば、ある程度のところまでは行けることは証明された。まだ、死んでいない。
でも、その昔活躍した名馬の幻影を追いかけては、己を殺すだけだ。 キレがないと勝負にならない現実は、生き残るための課題を如実に顕在化させた。 他馬の力に借りる現状に、焦燥感を持ってしまってはダメ。 サンデーの血を、いかに有効活用するか。ブライアンズタイム系ならば、それはプリサイスマシーンのような馬が出てきて、GⅠを獲れた時に次が開ける。
>> 最新・血統セミナー 目次
* * * * *