トニービン系の特徴/クロス/産駒/種牡馬(血統/系統別の説明)

母父トニービンの適正・傾向と馬券対策

アドマイヤベガとハーツクライは共に似たような血統構成で、クラシックホースも送り込んでいるが、1月にはクラシックの穴候補だったアドマイヤドン産駒のアドマイヤデウスが日経新春杯を快勝。

ラブリーデイやドゥラメンテなど、母母父トニービンの活躍馬も多く、直系がサンデーなら、母系にはトニービンの血が欠かせないというのが、今の日本競馬では定番である。

昔から数多存在する「母父トニービン」は、直系の子孫よりも遥かに高効率で良駒を送り込んでいるため、後継者にも期待がかかる。

特段直系は廃れておらず、ジャングルポケットにサンデーの肌という配合から3頭のGⅠ馬が誕生しているし、ウイニングチケットやミラクルアドマイヤ、個性派を2頭生み出したサクラチトセオー、またミスズシャルダン、テレグノシス等が、重賞馬を出したが、量産まではできていない。カンパニーだって、根気強く使ったから大団円になったのだ。

直系だと、良血のクラシック型とくっつけると、何だかなまくらで距離適性もピリッとしないことが多い。

総じて、パンとするまではトモに疲れが出やすい奥手の性質が、基本的な特徴としてどの馬にもついて回る。

一方、トニービンのオークス馬3頭は、引退から10年以内に直仔がクラシックかその関連のレースに出て、相応の走りを見せている。 母父トニービンは、底力の源泉であり、日本に少ないグレイソヴリンの本格派クラシック型の中核を形成した。

その上、母父サンデーサイレンスと比べても、重賞馬の数では100頭超えも現実的なサンデーには敵わないが、GⅠ馬になった総数では、トニービンが14、サンデーは22と大きな格差があるわけじゃない。 トニービンの凄さは、その半分以上が非サンデーの馬だということ。 合体することが、非サンデー系の生きる道というのは、この「母父トニービン」にはあてはまらないのである。

もちろん、前記のアドマイヤベガ、ハーツクライに、天皇賞馬を出したミスキャストという良血サンデー産駒もいるにはいるが、さすがに、曾孫の代となるとそうはいかないというだけのこと。むしろ、特筆すべき「母父トニービン」の多彩さの一端を示している。

ダート馬も芝の短距離型も、長距離型に、障害チャンピオンまで出す非凡さ。 意外とスイートスポットの小さい母父サンデーの馬より、重厚さがある。

弱点は直系とも相違ないが、影響力は幾らか弱まる。筋のいい血統は、こうして作られるわけだ。

サンデーサイレンスや息長く活躍馬を送り出したブライアンズタイムなどとともに、このトニービンの血が重宝される理由は明白なのだ。

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