美浦の坂路、ただいま工事中

美浦トレセンの坂路コースで今、延長工事を行っている。調教時計の計測区間が600Mから800Mに延長される(コース全体では400M延長)。栗東トレセンの坂路と同じ距離となり、ある意味平等となる点は好ましいことだ。

しかし、この間、坂路を使用できないために困った状況となっている。坂路調教を中心に行っていた馬が、しぶしぶウッドやダートコース主体の稽古に切り替えているのだ。

昨年の10月にウェブサイトのコラム「今週の特別な話」で、あのビリーヴがセントウルSで勝てなかった理由のひとつとして、夏の函館滞在の間、坂路調教ができなかったことも影響しているのではないかと書いた。

普段の調教メニューが変わると、筋力のバランスが今までと変わってしまい、競走馬のパフォーマンスそのものが変化してしまう、という私の持論である。

この調教メニューの変更で注意しなければならないのは、坂路を中心に調教してきた馬たちであるが、後肢の瞬発力が落ちてくるので、特に、芝のレースを使っている馬たちには注意が必要だ。

さて、十数年続いている関西馬優勢の“西高東低”状態。この坂路が延長されることで関東馬は関西馬に追いつくことができるのか?その点については別の機会に考えてみたい。

※このコラムは、2004.08.19に発行したメールマガジン「馬券名人養成プログラム」に掲載したものです。