実は、予想会社の社員募集だった
その会社に連絡すると、すぐに面接に来るように言われ、面接は総務部長が相手でした。競馬に関するさまざまに質問が浴びせられるのではないかと身構えていたのですが、それは一切なく、多少自信があった私は拍子抜けしてしまいました。
ありきたりの面接が終わった翌日、2次面接に来るようにとの連絡がありました。今度は専務が相手だといわれたので緊張しながら面接室に入ると、前回と同じ総務部長がいて、2次面接はなくもう合格が決定したと伝えられ、会社の業務内容について説明を受けました。
就職情報誌には、競走馬の輸入と記されておりましたが、実際には薬品の通販、広告代理店、共同馬主クラブ、そして競馬予想会社(!)も運営する多角経営の会社でした。
説明とともに社内を案内された私は、共同馬主クラブと競馬予想会社の業務を行う部屋の壁に、例の競馬評論家の写真がかざってあり、ここがKと一緒に入会した、あの勝負レース3連敗の会社だということに気づきました。
総務部長から「あの写真、誰か分かるか?」と聞かれ、評論家の名前はもちろん彼の本も読んだことがあると答えました。それがあったからかどうかは分かりませんが、私はその部屋で競馬予想会社のスタッフとして働くことになりました。
新しく入社したのは、私の他にあと2名いて、みんな同じ部署に配属されました。競走馬の輸入などと書かれてはいたものの、はなから競馬予想会社のスタッフ募集だったようてす。
就職情報誌にも掲載基準というものがあります。競馬が単なるギャンブルとしてしか認識されていなかった当時、ましてアウトローのイメージが強い競馬予想会社の社員募集は掲載を受け付けてもらえなかったのだと思います。
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